工房 北極星

工房 北極星

2013.11.05
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アリや蜂の多くは、女王を中心に集団(コロニー)をつくり、繁殖をおこなう個体(おもに女王)と労働を担う個体(ワーカー)がいる分業制の社会をつくっている。(社会性昆虫と呼ばれている。)何年か前、シワクシケアリというアリのコロニーには働かない個体が一定の割合で存在し、それを取り除いてもなお、働かない個体が出現することが話題となった。そういう働かない蟻が存在するのには、理由がある。
アリの「働く」「働かない」は、目の前の刺激の強さに関係する。例えば、幼虫たちが空腹のときには、それが刺激となって、多くのワーカーが反応し、えさを与える。しかし、幼虫が満腹になってくると、反応して働くワーカーは減る。どの程度の刺激で働くようになるか、そこには個体差がある。反応の個体差、つまり個性の存在によって、コロニーは状況の変化に臨機応変に対応できるのである。
働くアリばかりだと効率的だが、全員が疲れ果ててしまえば、そのコロニーは消失するしかない。一方、働かないアリがいる場合は非効率ではあるが、働くアリが疲れて動けなくなったときには、働いていなかったアリが働き始める。
アリはフェロモンで餌までのルートに匂いをつける。後の個体はその匂いをたどり、餌まで確実にたどり着く。ところが、たまにそのルートを外れてしまう個体がいて、それが餌までの近道や、新たな餌の発見に結びつくことがある。このように、個性の存在が分業をスムーズにし、コロニーの存続を可能にする。
人間の社会もまた、さまざまな個性が存在することによって成り立っている。多様な個性を強要する社会であってほしいと思わずにいられない。  福江裕子著。


今の私「働かないアリ」です。個性ということでいいのかな。





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最終更新日  2013.11.05 15:07:27
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