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2020.09.08
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テーマ: 読書(8253)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



戦争の歌がきこえる [ 佐藤 由美子 ]

本の目次・あらすじ


プロローグ 日本人の私が、戦争を経験したアメリカ人とかかわること

音楽療法について

第一部 太平洋戦争(Pacific War)
第一章 良い戦争という幻想ーー「僕は日本兵を殺した」
第二章 記憶の中で生きるーー「忘れないでくれ」
第三章 原爆開発にかかわった人ーー「誇りには思っていない」

第二部 欧州戦線(European Theater)

第五章 女たちの戦争ーー「経験して初めてわかること」
第六章 ホロコーストの記憶ーー「ナチスが来る!」

第三部 忘却と記憶(Forgetting, Remembering)
第七章 祖父が語らなかったこと
第八章 忘れられた中国人たち

エピローグ その記憶は、私たちが自己満足と戦うことを可能にする

引用


Taking it day by day.


感想


2020年読書:155冊目
おすすめ度:★★★★

2020年08月31日「 147.ベルリンは晴れているか [ 深緑 野分 ] 」を読んで、ちょうど終戦記念日前後だったので、新刊で目についたこの本を読んでみた。

著者は、ホスピス緩和ケアの音楽療法を専門とする米国認定音楽療法士。
アメリカで音楽療法を行っていると、年配の患者が「日本人」であることに反応する。
ーーー私は、何を知らないのか。

話を聞き、学び、考える。

知らないままでいることも、出来る。
でも著者は、ひとつずつ学んでいく。
その真摯な姿勢に好感が持てる。

読んでいて、たくさんの記憶が去来した。

教員過程で見た人種差別実験「青い目、茶色い目」のビデオ。
韓国人の友人と私に、「貴方たちはお互いの国にどう思うのか?」と訊いてきた人。
グアムへ家族旅行に行った時、母が「おじいちゃんはここで亡くなったんだって」と言ったこと。
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を読んだときの、原子力爆弾の実験が成功したシーン。

知らないことがたくさんある。
アメリカで第二次世界大戦を「good war(良い戦争)」と言っていること。
真珠湾攻撃と同日に、イギリス領だった香港を攻撃した「香港の戦い」。
でも、知ろうとしなかった。
きっとそこにあるのは、直視するには醜く、都合が悪い出来事であるから。

エピローグの記憶の話がとても興味深く、はっとした。
たくさんの出来事、あの時起こっていたことから、何を抽出して共有し、何を忘れているか。
沖縄、広島、長崎、終戦記念日。
今共有されている戦争のイメージは、それだろう。
集団的記憶。

誰かの怒りを理解できないと誰かが言う時に、私は考える。
「もし私が、韓国人として生まれ、韓国人として育っていたら」
「中国人として生まれ、中国人として育っていたら」
きっと私は、そう考えていたかもしれないな、と。

韓国人の友人は、先の質問に「僕は答えない」と言った。
韓国人として日本人をどう思うか?
僕は韓国人として答えない。
それは、僕の問題ではないから。
僕とノマの問題ではないから。


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最終更新日  2020.09.08 12:00:09
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