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2020.12.21

225.パラ・スター＜Side 宝良＞ [ 阿部暁子 ]

テーマ：読書(8295)

カテゴリ：【読書】未分類

本のタイトル・作者

パラ・スター＜Side 宝良＞（集英社文庫(日本)　パラ・スター＜Side 百花＞） [ 阿部暁子 ]

本の目次・あらすじ

ジュニア時代からコーチを勤めていた雪代が、肺癌でコーチを降りた。
宝良のコンディションはがたがた。不調が響き、敗戦が続く。
もがく宝良は、新しいコーチに就いた志摩と、藤沢製作所の新しい車いすで試合に臨む。
ジャパンオープンーーーあの日、ふたりの運命の場所、人生を変えた試合。
宝良は選手として、百花はエンジニアとして。

引用

「強いって、悩まないことでも、傷つかないことでもないんだと思う。それは、何度でも自分の弱さから立ち上がるってことなんだと思う」

感想

2020年読書：225冊目
おすすめ度：★★★

2020.12.18「 222.パラ・スター＜Side 百花＞ [ 阿部暁子 ] 」の続編。

前編では、彼女にとってのスーパーヒーロー・宝良に憧れ、焦る百花の成長物語でしたが、後編はそんな彼女の見えない葛藤や挫折、そして成長の物語。
宝良が百花のこと大好きです。百花に何かあったら～のくだり、あまりにも間髪入れずガチで答えるので「大好きか！」ってなったわ。

２人の関係が、社会人になってからのいい距離感でいいですね。
べたべたしてるわけでもなく、依存でもなく、足を引っ張るわけじゃなく、ともに自分の場所で頑張る相手を応援する。その相手に恥じない自分であるよう頑張る。
素敵な親友関係。

お母さんと宝良の、通じ合ったような、そうでないような、親子ならではの距離の難しさ。
小田切や志摩も、あくまでも一人の男性であって、恋愛要素を絡めて来ないのも良い。
色恋がすべてじゃないじゃん…そしてそれは異性だけじゃない…。

前編に出てきたみちるちゃんも登場。
宝良は、自分が百花にしてもらったことを、みちるに返してあげている。

玲ちゃんがSNSを頑張って、「ここにいるって分かってもらいたい」と車いすテニスを発信し続けているの、すごくじーんと来た。

車いすテニス、俄然興味が沸いてきた。
この小説、東京2020のパラリンピック間近を舞台にしている。
本番が今年だったなら、さぞ盛り上がっていただろうな。
ううん、でも今この本を読んだから、私は来年の車いすテニスを応援できるわけだ！

東京パラリンピック　車いすテニス紹介ページ

車いすも種類が色々あるんだ。