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2023.02.09
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テーマ: 読書(8559)

本のタイトル・作者



モノガタリは終わらない [ モノガタリプロジェクト ]

本の目次・あらすじ


いい人の手に渡れ!(伊坂幸太郎)
人間の友(三浦しをん)
吉凶の行方(朝井リョウ)
RPGノート(藤崎彩織)
0.8(吉田修一)
一人で二つ(絲山秋子)
ボタンと使者(角田光代)

花魁櫛(筒井康隆)
初恋の(川上未映子)
消しゴム(岩井俊二)
封印箪笥(綿矢りさ)
バタクランを越えて(金原ひとみ)
ブルース・フォー・ポーギー(西川美和)
バイバイ(尾崎世界観)
天井裏の時計(平野啓一郎)
彼女の武装(江國香織)
がらくた(太田光)
誰がために、鈴は鳴る(水野良樹(清志まれ))

ジョーンズさんのスカート(山田詠美)

引用


金曜の夜から実家の母親に子どもたちを預けて、そのあいだにいくつか仕事を片づけて、ひょっとしたら海外ドラマの一本でも観る時間がとれるかも。そんな期待はいつもどおり裏切られる。あっという間に時間はすぎる。名前のないものだけで埋められる。一日は、本当になぎ倒されるように、たったの一息で終わっていく。わたしは駅前で鯛焼きをお土産に何個か買って、子どもたちを迎えにいく。

初恋の(川上未映子)


感想


2023年025冊目
★★★

21名の作家によるアンソロジー。
三浦しをん、角田光代、伊坂幸太郎、江國香織、岩井俊二…と私が大好きな方がたくさんで嬉しい。
朝井リョウさんは、前に『 発注いただきました! 』を読んでから、「今回はどういう発注で、どういう感じで書いたのかな〜」と裏側を想像してしまう。


やたらめったらネットオークションだとかネットフリマが出てくるなあと思っていたら、これお題が「捨てない」で、メルカリ公式Twitterにて2020年4月〜2022年5月で配信されたもの。
あ、そっちの「モノ」ね…っていう。

メルカリっぽいものがダイレクトに登場する話から、古いものを大事に使い続けている話、古いものが見つかってその来歴が明らかにされる話…と、「モノ」もさまざま。
伊坂さんは相変わらず自分の得意なところへ引き込んでるなあ。

私がいいなと思ったのは、0.8(吉田修一)のずっと1.2倍速度で生きてきたのを、0.8のペースで生きることに変えた。いろんな景色をもっとはっきり見るんだっていうのと、
一人で二つ(絲山秋子)の「備えが充実すればするほど、人生が停滞していく気がする」というのがよかった。

一昔前、ほんの十数年前までは、「中古品」っていうと抵抗があるというか、受け手(購入側)もなくて、新品ではない、誰かが使ったモノの流通って今ほど盛んじゃなかった。
それが変わったのは、やっぱりメルカリの影響が大きいのかな?
昔、ノルウェーの子が「服はまずセカンドハンドショップで探す」と言っていて驚いたけど、日本もそうなりつつあるような気がする。
それは、スマートフォンの普及と、シェアリング・エコノミーとも無関係ではないよね。
匿名発送なども日本の秘匿意識をよく汲んだサービスだと思う。

かくいう私も、本やバッグ、靴、おもちゃ、文房具など色々メルカリで購入した。
(出品は面倒なので、近所のリサイクルショップに二束三文で売ってしまう)
誰かの不要が、捨てずに誰かの必要を満たすなら、これほど良いことはない。

大量生産大量消費の時代の終焉が近い。
ハンドメイドやオーダーメイド品も人気だ。
中古もそうで、それは人が「モノ」を介した人とのつながりを求めているように感じる。

物語性のあるモノ。
「これはね、」と語れるモノが、これからは必要とされる。



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最終更新日  2023.02.09 00:00:18
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