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2023.03.13
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テーマ: 読書(8288)

本のタイトル・作者



短編宝箱 (集英社文庫(日本)) [ 朝井 リョウ ]

本の目次・あらすじ


小さな兵隊(伊坂幸太郎)
正雄の秋(奥田英朗)
ロックオンロッカー(米澤穂信)
それぞれの仮面(東野圭吾)
星を見ていた(桜木紫乃)
きえない花の声(道尾秀介)
足跡(島本理生)

遠くから来た手紙(荻原浩)
無言歌(浅田次郎)
エンドロールが始まる(朝井リョウ)

引用




酒が入って、少し気持ちがほぐれた。考えてみれば妻と差し向かいで飲んだのは何十年ぶりか。
「船を乗り換えればいいのよ。もう少し小さくて、ゆっくり進む船」

正雄の秋(奥田英朗)


感想


2023年051冊目
★★★

「小説すばる」創刊35周年を記念して集英社文庫編集部が編んだ短編アンソロジー。
『残り全部バケーション』収録の「小さな兵隊(伊坂幸太郎)」、『本と鍵の季節』収録の「ロックオンロッカー(米澤穂信)」、『心淋し川』収録の「閨仏(西條奈加)」の三作は読んだことがあった。

どれも素敵な作品。

「きえない花の声(道尾秀介)」は、最後のトリック(?)というか、種明かしがいまいち分からなくて、もう一回最初から読んだんだけどやっぱり「うん?」となった。
息子は、お父さんのために川に橋をかけてあげようとして、ロープを渡したんだよね。
お父さんは、勤め先へ行こうと夜に家を出て、そのロープに引っかかったの?
それで川に落ちちゃって海に流されたとか????
ロープは先生が回収したの…?そして「息子がお父さんの命を間接的に奪った」と言えないまま、弔いのために彼岸花を植えた?

対岸に向けて掛けたのであれば、引っかかる要素なくない???

個人的には「正雄の秋(奥田英朗)」が好き。
出世競争に破れた男の鬱々とした気持ちを描いているんだけど、ライバルだった同期が、お父さんが危篤で故郷に帰ったという連絡を受けた時、「今日死んでくれれば旅行中の自分は駆けつけなくて済むのにな」と思う。思っちゃう。そんでそれを描写しちゃう。
そこが良かった。
なんていうか、人間ってそういうところ、ある。

でもそれは、その人が悪人だからそう思うんだっていったらそれはちょっと違って、日常のなかにそう思う瞬間もあるんだという話で。
それを小説に描く人、好きです。



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最終更新日  2023.03.13 00:00:12
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