320life

PR

プロフィール

ノマ@320life

ノマ@320life

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

2023.05.01
XML
テーマ: 読書(8290)

書名



汝、星のごとく [ 凪良 ゆう ]

引用



十七歳のわたしに、瞳子さんはそう言った。
ーーー自分で自分を養える。それは人が生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。いざとなれば闘える。どこにでも飛び立てる。独身だろうが結婚していようが、その準備があるかないかで人生がちがってきます。
三十二歳のわたしに、北原先生はそう言った。


感想


2023年091冊目
★★★

2023年本屋大賞受賞作。
ふつうに良かったんだけど、大賞受賞!が先入観となってしまい、物足りないと感じた。
うーん、これはたぶん、作者との相性の問題なんだと思う。
「2時間で映画にしやすそう」と思ってしまうあたり、私の捻くれ者の性格が如実に表れている。

漫画の原作者のあたりは「バクマン」、親との葛藤は「 夏物語 [ 川上未映子 ] 」、最後のあたりは「 ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 [ 永井康徳 ] 」を思い出しながら読んだ。


父が浮気をして島を出ていき、残された母と二人暮らし。
ちいさな島で、皆が暁海の家庭状況を知っており、ゆるい「かわいそう」に締め付けられている。
京都から転校してきたクラスメイト・櫂は、恋多き母に振り回されて生きてきた。
男を追って移動する母に付き従い、ときに捨てられた子ども時代。
二人はある時から言葉を交わすようになり、密やかな同盟のような関係性を持つ。
しかし暁海の母が狂気へ沈み、櫂の母が男に捨てられーーー。
高校生・20代・30代と変化していく関係性。
運命の人だと信じ、互いを望みながら、すれ違うふたりがたどり着くのは。

主人公2人より、私は脇役の「瞳子さん」(暁海のお父さんの浮気相手)と、高校の「北原先生」、櫂の(自称)編集担当「絵里さん」が好き。漫画の編集さんも良い。
ただこの人達、あまりにも小説の中の記号というか、立ち位置がアイテムとしてしか機能してない。
プロローグとエピローグで、北原先生が相手に会いにいくことが書いてあるんだけど、何がどうなってそうなってどうなってるん?!ってそっちが気になった。


櫂の、弱い人を切り捨てられない感じ、辛かった。
母。相棒。恋人。
自分が強くなくてはいけない、という強迫観念に似た感情。
最期に弱みを見せられて、甘えられて、赦されたんだな。良かったね。
いつも泣きそうな自分を奮い立たせて強がっていた少年を、その中に見た。


(櫂はお母さんにお金渡しすぎ・・・)

自分の口を自分で糊すること。
稼ぎを得て生きていけること。
それがだいじだよな、と思う。
それがどれだけ難しいかもあわせて。

寄りかからないこと。
自分の人生を誰かに任せてしまわないこと。
誰かの庇護下に、支配下に置かないこと。

自分で立つこと。
暮らしていけること。
自由であること。
ひとりで生きていけること。

そうして、できれば人を助けてあげられること。
ひとりで生きていかなくてもいいこと。

おかね、だいじ。



「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.05.01 00:00:14
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: