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2023.05.18
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書名



牧野富太郎の恋 (朝日文庫) [ 長尾剛 ]

目次


第一章 掛け図との出会い
第二章 東京へ
第三章 牧野富太郎の恋
第四章 理不尽な通告
第五章 暗影
第六章 壽衛の奮闘記
第七章 植物標本の行方

第九章 雑木林の中の家
第十章 そして永遠に

引用


「ご立派なお仕事というものは必ずしも、おカネが儲かることにはならないのです。いえ、儲からないことこそが、お仕事のご立派さを示しているのですよ。世の中の仕組みとは、そうなっているのです。だから、あなたたちは貧乏だからこそ、強い誇りを持ちなさい」


感想


2023年105冊目
★★★

はい、朝ドラ「らんまん」にハマっているので、牧野氏のことで頭がいっぱいな私。

2023.05.17「 104.牧野富太郎自叙伝 [ 牧野富太郎 ]

を読んで、原作を履修したので(原作言うな)、二次創作のファンアートを摂取しようと思って、最近出た文庫本の小説を読みました。

朝ドラ効果で、本屋さんにも牧野氏特集が組まれていて、いろんな本が出ていますね。
この本は特に期待せずに読んだのですが、自叙伝の史実をうまいことアレンジして読みやすくまとめられていて、良かったです。

朝ドラを見て、牧野氏の生涯について読みたくなった方にもオススメ。
(自叙伝は途中で挫折する人多そう。書店でも推されてない…。)

この小説は、牧野氏の研究についても描かれているのだけど、それを影に日向に支えた富太郎氏の妻・壽衛さんとの関係性がメイン。

富太郎氏の描かれ方もチャーミングで、この2人推せる!ってなる。てぇてぇ(尊い)。
(ところでドラマで寿恵子は、父が残したという滝沢馬琴の南総里見八犬伝を、声に出して読んでるんですよね。たしか明治時代に図書館が出来た時、「声に出して本を読むな」という注意書きがあったという話を思い出した。昔は声に出して本を読むのが普通だった、と目にした覚えがある。)

士族の娘ながら、稼ぎのない夫に対して責めるでなく、「待ち」でいるわけでもなく、持ち前の器量と愛嬌の良さで値切り倒し、借金取りをもてなして気分良く帰ってもらい、待合いの運営に乗り出して金を貯め…。
御本人(牧野氏)の自叙伝ではさらっと触れられるだけだった細部を描きこんでいて、その息吹が感じられるようで読んでいて楽しかった。

壽衛さんは、牧野氏と一緒になったことを悔やまずに、最後に言う。


毎日旦那様の話を聞くのも、借金取りを追い返すのも、節約の工夫を凝らすのも、何度も家を追い出されるのも、植物標本に取り囲まれている眠るのも、先がまったく見えないワクワクドキドキする毎日が、全部全部、おもしろかったと。
だから私は、芝居を見に行くのだって、綺麗な着物だって、いらなかったんですよ、と。

ここのシーン、良かった。じーんと来た。
妻として美化されすぎやろ、とも思うんだけど、牧野氏との日常を面白がれる余裕がないと、やっていけなかったろうとも思うから、ほんとうのことでもあるのじゃないかなあ。

史実があるものって、取り扱いが難しい。
昔、大河ドラマ「新選組!」で新選組にハマり、いろんな書物を読み漁った結果、「何が史実で何がフィクションか」がだんだん曖昧になってきて(そこにBLファンフィクションも入ってきて笑)。
「あれ、これ公式(原作やアニメ)で見たんだっけ?pixivだっけ?」みたいな…。

これから何作かまだまだ読むつもりなので、たぶん「これどっちだっけ」ってなる。
そこに自分の頭の中の妄想も加味されるからな…。笑



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最終更新日  2023.05.18 06:38:47
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