ETの未来主義ブログ

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2007.08.25
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カテゴリ: 物語道州制


おとぎ話(2) 安倍自民党の参院選の大敗




 どの方はもう忘れてしまっただろうから、あらすじを再掲する。

(前回のあらすじ)
  参院を大敗した安倍が、起死回生の策として、安倍がたどり着いたのが民主党と連
 立政権を組む、というものであった。衆参のネジレが続けば、法律や予算の審議が進
 まないことで、微妙な段階にある景気を悪化させることにつながる。また年金不信も
 収まらず内閣支持率も低迷する。対外的にも、テロ特措法の行方で、対米関係も気ま
 ずくなり、安全保障面でも問題が出る。すべての解決策は参院第一党の民主を政権に
 巻き込むだ。


  今回の物語は、安倍の大連立作戦の発端となった話だ。

(今回のあらすじ)
  国民の高支持率を背景とした小泉路線の継承が、安倍の基本戦略であった。小泉
 が経済・金融面の構造改革で突破口を開けた後、自分がなすべきことは、戦後システ
 ムの構造改革だと、自らを位置づけた。誤算は、小泉が傷口を広げた国民、とくに地
 方の傷みに気づかなかったことである。地方が反乱すれば、独断を可能とする支持率
 という基盤が失われるということに考えが及ばなかった。そこに年金問題の失策、閣
 僚の失言、政治家とカネの問題など国民をウンザリさせる不祥事が続き、07年の参
 院選で大敗した。


懸念

  安倍政権は、最初から、うまくいかないのでは、という意地悪な見方があった。それ
 も一理あった。闘いのなかで権力を勝ち取った小泉と違って、66%と高い支持を得て
総主流派的なリーダー であったからだ。権力闘争を経ないので、政策は党内に気を遣
 い、切れ味を欠くことになるだろうと、と辛口のメディアは論評した。

成功体験

  しかし安倍は、予想を裏切って独断的な政治手法に出た。前政権の小泉の側近にい
 て、国民からの高い 支持率を武器 に、自分の主張を貫き通す方法が有効なことをよく
 知っていたからだ。この成功体験が安倍の方向を決めた。事実、裁選前の各種の世論
 調査などでも安倍の国民の人気は高く、安倍は、手ごたえ感をもっていたのだ。

美しい国

  安倍は、総裁選前に政権公約ともいえる著書で「美しい国」構想を掲げた。半世紀
 の自民党政治のなかで、表れた問題を洗い出し、新しい時代への船出を図ったのであ
 る。つまり、経済的に豊かになったものの、家族や地域、国への思いが失われている、
 と主張した。そこで憲法改正、教育再生、公務員制度改革などが必要だと主張したの
 である。また政治手法でも、理念や政策を旗印にし、派閥の枠に囚われない政策を進
 めると主張した。このことで、 後から自民党の古い政治家からのしっぺ返しを 招くこ
 とになる。

スタートダッシュ

  スタートダッシュは良かった。アメリカを中心に、世界は、前任の小泉が作り出し
 た日本と中国の不和を心配していたし、当事者の中国もいつまでも日本と対立する
 ことは自国の利益にならないと判断していた。ちょうど 世界は転機を必要としていた
 のである。

  そこに色の付いていない安倍が総理となったわけだから、まさに「渡りに船」であ
 ったわけだ。安倍は、9月27日に首相に指名されると、初めての訪問国としてアメ
 リカではなく、中国・韓国を選んだ。直前の日経新聞の世論調査でも内閣 支持率は
 71%
と高率を記録した。このときが、結果的に安倍の絶頂期となった。

つまずき

  安倍に対する自民党のしっぺ返しは、小泉から退場させられた郵政造反議員を復帰
 させる働きかけで火蓋が切られる。安倍が総裁に就任する以前も、「造反組」を復党
 させようという動きはあった。例えば、総理経験者の森は06年7月30日にポスト小
 泉政権は、かれらを復党させるべきだ、との主張している。国民の高い支持を武器に、
 安倍としては、このような 「党内圧力」 を本来であれば排除するべきだった。

  しかし人の良い、悪くいうと優柔不断な面のある安倍は次第に党に主導権を取られ
 ていくことになる。10月20日に、党内では、復党の条件の詰めの検討を始めた。
 23日には安倍が復党の条件の検討をするように党に指示する。27日には復党のた
 めの手続きを開始するよう指示するのである。そして12月4日に造反組の復党を決
 定した。この決定を受けて支持率は51%に急落した。自らリーダーシップで改革を
 約束したはずの安倍が、党内の圧力屈し、国民を裏切った形となった。一番、高いと
 きは71%であったので急落である。ここから安倍の 歯車は狂い始め るのである。


乱暴さ

  さらに、安倍が国民からの信頼を失うこととなったのが、強引な議会運営である。
 安倍は「美しい国」に盛った自身の政策を進めるのを急ぎすぎた。06年12月の改正
 教育基本法を成立させた後、07年になるともはやスピード違反である。5月には憲法
 改正を視野においた国民投票法、教育改革3法、6月になると社会保険庁改革法を成
 立させた。いずれも野党との議論を打ち切る強行的な、数の優位性を背景にしたもの
 だ。このような数の暴力に等しい愚行に国民はノーと言い始めた。6月24日の日経新
 聞の世論調査では内閣 支持率は36% にまで低下した。

不祥事

  安倍内閣では閣僚の不祥事も多発した。12月には佐田行政改革大臣による政治資
 金収支報告書への虚偽記載が発覚し辞任に追い込まれた。また同様の問題で追及され
 ていた松岡農水大臣が自殺した。また後任の赤城氏も架空計上の問題が発覚したが、
 安倍は庇い、結局、更迭に踏み切ったのは参院選の敗北後と、後手に回ってしまった。
 また柳沢厚生労働大臣の「女性は産む機械」発言、防衛大臣の「原爆投下はしょうが
 ない」発言など、安倍の 統制能力を疑わせるような 閣僚の不祥事が次々と発覚した。


大敗

  既に選挙前の7月21日には、内閣支持率が27%にまで低落し、民主党と逆転して
 いた。 この段階で安倍自民党の敗北は決まっていたといってよい。結局、打開でき
 ないまま、選挙当日を迎えることとなり、大敗したのである。




■17文字の小宇宙


┗■  きょうの感動: 縁台

 └────────────────────────────


┗■  悠悠と    縁台広げ     長屋路地

    ゆうゆうと  えんだいひろげ  ながやろじ
 └────────────────────────────

┗■ その心

今は、もう長屋という言葉自体が、死語に近いのですが、私
  は東京の下町生まれですので、おぼろげですが、隣近所の人が
  集まって、将棋をさしたり、氷水を飲んだり、花火をしたりと
  いう光景を覚えています。

   今風にいうと、地域コミュニティというのでしょうが、都市
  はいつの間にか、こういう余裕を無くしてしまいました。

 └────────────────────────────






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最終更新日  2007.09.11 10:14:50
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