週刊未来経済 07.8.27号 (月曜発行)
● 今週(8/27~8/31)の焦点
日・米・欧・アジアの株式市場は、当面、落ち着いた動きを示している。金 融政策当局が、現金をふんだんに供給しているためだ。
しかし、リスクが分散した結果で、どこに飛び火するか、わからないという
状況は変わっていない。1990年代以降の、日本のバブル崩壊のときと同じ 構図である。今回の方が、より軽症であるいとはいえ、いつどこで再び、損失
話が出て、パニック化してもおかしくない。
証券化されて蔓延する資産が、どこまで劣化しているか、不明な点が最大の
病巣だが、最終的には、中央銀行などが、価値が判定し難い、債務担保証券な どにも担保価値を認め、国家が債券管理に関与するなど、大盤振る舞いまで踏
み込まないと終息しないのではないか。
それにしても、安易に金融緩和を続けてきた日本を含めた金融当局、甘い格
付けを放置し続けた格付け会社の責任は大きい。いつもバブルの原因は同じだ。
● 市場動向
(先週8/20~8/24の市場動向)
FRBの公定歩合の引き下げが、心理的な安心感を呼び、米国を中心に株価
は戻した。東京市場でも下げ過ぎ、という印象は否めなく、自律反発を示した。
ただ気がかりは、それまで4週下げ続けたにしては、東京市場の戻りが鈍か
ったことだ。とくに大陰線をつけた先々週に比べ、半分ほどしか戻していない。
商いも薄かった。この弱さが気になる。買手は個人投資家だけで、投信なども
弱体であるため厚みに乏しいためだ。
NYダウ 13378.87 (+2.3%)
米国債金利 4.620 (▲1.3%)
ドル円 116.17-23(114.28-34)
WTI原油先物 71.09 (+1.6)%)
金先物 677.5 (+2.8%)
日経平均 16248.97 (+6.4%)
TOPIX 1585.58 (+7.1%)
日経ジャスダック 1895.77 (+1.4%)
マザーズ指数 726.97 (+5.6%)
ヘラクレス指数 1154.14 (+3.6%)
(今週の市場予測)
今、起きているのは、証券化された債券の劣化状況が、判定できず、債券
市場での価格付けが機能していない、ということだ。したがって、根本解決に
は、政府機関が、こういうリスクの高い債券を引き取ってしまわなければ、解
決しないのではないか。政府系の住宅ローン会社を使えばよい、と思うが、政
策当局が、どこまで踏み込めるかがポイントとなる。また対処療法的には、F
RBがFF利下げをするか、どうかも焦点となる。
東京市場は、相変わらず海外要因で株価が動きそうだ。国内は、政局不透
明感、薄ぼんやりした景気など、不透明な要因が多すぎる。投資家に、これか らの日本経済・社会に明るい展望を感じさせることが必要だが、それには政治
リーダーシップをとることが必要になる。しかし、現状は可能性に乏しい。
● 指標発表と予想値
とりあえず大出血が止まった状態だ。この後、何か支援材料が欲しい。
8/27(月) (米)7月中古住宅販売件数
28(火) (独)8月IFO景況指数
(ユ)7月マネーサプライ
(米)8月消費者信頼感指数
(米)FOMC議事録(8/7)
30(金) (米)第2四半期GDP改定値
(米)第2四半期個人消費・改定値
● FPの視点-乱高下が当たり前の時代
このところの株式市場には、長期保有は必ずしも賢明とはいえない構造要因
がある。「長期」をどこまでみるかにもよるが、少なくとも3年や5年の間は、持続
保有は、あまり利口な運用法ではないかもしれない。
端的に分かるのが、東証で発表する、投資主体別売買動向だ。ひところは個
人投資家と外国人が、それぞれ35%程度と、シェアが拮抗していたが、最近
は、個人が減少するのに比べて、外国人は50%以上に高まっている。投信の
売れ行きが良くても、多くが海外債券向けであったり、エマージング株式を対
象としたものである。国内株式向けは、精彩を欠いている。結果、国内投信の
売買関与は弱体で、売買シェアは3%程度に止まっている。
この構造変化の背景には、近年行われてきた、欧米の金融緩和にある。自国
の株を買い上げ、余波が、日本の株式市場にも流入したのである。さらに低利 の借り入れをして、てこを利かして投資資金を膨らませる。資金の収益率を高
めようする当然の資本の原理である。
こうしたリスクマネーはささいな情報にも反応する。リスクが高いと見れば
投資を引き上げ現金化すると共に、カラ売りを行う。相場を動かそうとして仕
掛け的なテクニックも多用するのだ。つまり相場は乱高下することとなる。
本質的な原因が、実体経済を超えた、カネ余りにある限り、この状況は変わ
るはずがない。本来であれば、投信などの長期マネーが支え役となるのだが、
上記のように、東京市場の売買シェアは小さく、とうてい支え役は果たせない。
これまでの構図は外国人の売りに対して、下げたところで個人が買い支える格
好となっているが、資金量からとてもではないがかなわない。
このように、株式相場が乱高下を繰り返す、という環境のなかで有利な投資
を実践するためには、下値で買って高値で売る、という逆バリ方法が有効だ。
例えばTOPIXの業種別の騰落率を見てみると、TOPIXが、今年3/2の
直近高値に比べて、8/17終末には約19%下げているが、その落ち込みより
大きく目立つのが、水産▲33%(6/11高値)、輸送用機器▲32%、その
他金融▲35%となっている。
したがって、個別の企業の内容を吟味しながらも、このように大幅に下げた
業種に属する銘柄への投資は有効だと思う。実際には、言うは易く、行うは難
し、というのが現実ではあるが・・・。
■17文字の小宇宙
┗■ きょうの感動: 縁台
└────────────────────────────
┗■ 悠悠と 縁台広げ 長屋路地
ゆうゆうと えんだいひろげ ながやろじ
└────────────────────────────
┗■ その心
今は、もう長屋という言葉自体が、死語に近いのですが、私
は東京の下町生まれですので、おぼろげですが、隣近所の人が
集まって、将棋をさしたり、氷水を飲んだり、花火をしたりと
いう光景を覚えています。
今風にいうと、地域コミュニティというのでしょうが、都市
はいつの間にか、こういう余裕を無くしてしまいました。
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雑感(11/12~18) 2012.11.18
11/5(月)~11/10(土)雑感 2012.11.11
週刊未来経済 08.3.17号 2008.03.17
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