週刊未来経済
07.9.24号 (月曜発行)
●今週(9/24~9/30)の焦点
サブプライム・ローンに端を発した信用不安は、当面、危機を脱した感じ
がある。今週は実体経済への影響を探る展開となる。なかでも新興国の成長
もあり、一時ほどの影響力はないにしても、アメリカの浮沈は世界経済を左
右する。とくに国内に推進力のない日本にとっては気になるところだ。
日本の政局は影響がない。誰もが中継ぎ政権と見ている。福田さんは得意
満面の様子だが、政権維持の構想は開けているのか疑問だ。早ければ、テロ
特措法問題で国会が停滞し、年内解散となるのではないか。もっともそうい
う事態になると、予算成立が遅れ日本は景気後退に陥ることとなるが。
それにしても代々の総裁は世襲ばかりだ。新鮮味はゼロだ。日本は本当に
民主主義国なのか。少なくとも海外ではそう見るかもしれない。
●市場動向
(先週9/17~21の市場動向)
とりあえず金融ショックは収まったといえるのではないか。NYダウはショ
ック前の7月の高値水準まで戻った。FRBの政策金利を引き下げたことが
安心感を呼んだ形だ。
東京市場は1万6000円の下値は確認できたものとみる。かといって
上に向かう材料もない。外的要因に振られやすい現状では、為替が気になる。
アメリカの景気減速が相変わらず懸念される。またインフレ、ドル離れもド
ル安を示唆する。そうなると株価には圧迫要因となる。心配なのは新興市場。
株価面では割安となっているが、8月からまた下降トレンドに入っている。
NYダウ 13820.19 (+2.8%)
米国債金利 4.626 (+3.7%)
ドル円 115.41-47(115.30-36)
WTI原油先物 81.62 (+3.2%)
金先物 738.9 (+2.9%)
日経平均 16312.61 (+1.1%)
TOPIX 1552.07 (+0.5%)
日経ジャスダック 1819.38 (▲0.7%)
マザーズ指数 625.93 (▲1.8%)
ヘラクレス指数 1066.17 (▲1.4%)
(今週の市場予測)
株価は戻った。しかしアメリカ経済は景気減速リスクがある。また原油
価格の高騰が気になる。油漬け社会のアメリカの消費者心理に悪影響を与
える可能性がある。
日本は、今週も1万6000~6500円の間を行ったりきたりの推移
をすると見る。自民党総裁が誰になろうと選挙管理内閣の位置づけである。
問題は新興株の不振。材料はなく時間を待つしかないのが現実だ。この新
興市場は内需型の産業が多いやめ、国内の景況に活力が必要だ。個人的に
はやはり政治だという感じがする。
●指標発表と予想値
ずばりアメリカの景気がどうなるかが気になる。
9/24(月)(日)東京休場
25(火)(米)9月消費者信頼感指数
26(水)(米)8月耐久財受注
27(木)(米)9/23までの週の失業保険申請件数
(米)8月新築住宅販売件数
●FPの視点-江戸幕府崩壊プロセスとそっくり、現在の自民党政権
安倍さんのサプライズ辞任を受け、福田康夫氏が自民党の新総裁となった。
今回も圧倒的な支持率であった。昨年も雪崩的な安倍さんの勝利となったが、
この高支持率はくせ者だ。その後の政策運営に推進力が失せるためである。
ところで安倍さんの行動には、批判の嵐が浴びせられている。四面楚歌状
態である。確かに辞め方については愚かさが見られたものの、彼が戦後シス
テムの総決算として成し遂げた枠組みづくりはもっと評価されてよい。メデ
ィアは感情論に左右され過ぎ、世論も流されているという気がする。
閑話休題。安倍、福田という自民党トップの交代劇を見ていると徳川幕府
の14代将軍の家茂、15代の慶喜と妙に似ている。14代目の将軍、家茂
は13歳という幼さで征夷大将軍の地位を継いだ。尊王攘夷のコンセプトか
ら長州征伐に打って出たが病に倒れ20歳の若さで死去する。この点で攻め
の政治を志向したものの自滅した安倍政治と似ているように見える。
後継は徳川慶喜である。知られるように250年の江戸幕府に幕を引いた
人物だ。未だ勝敗の帰趨がつかなかった早期の時点で、大政奉還という逃げ
をうち、政権を投げ出してしまう。慶喜の本当の狙いは、幕府が主導権をも
ちながらの、薩長などの反体制派との連合政権をつくるところにあったと思
われるが、実際には内戦状態となってしまった。体制派が考える以上に、幕
府の屋台骨が腐っていたためである。また相手方はこの機会にぜひとも倒幕
に追い込みたかった。結果は、よく知るように、反体制派が勝利して明治政
権が誕生することとなるのだ。
この流れを現在に当てはめると、新総裁は野党との実質的な連立政権を模
索するものの、総選挙に追い込まれ、自民党は政権を失う事態を想定できる。
理由も徳川末期と同じ。自民党政権を支えた構造が既に崩壊しているためだ。
ひとつ例を挙げれば、自民党-農水省(農協)-農村社会という「鉄のネッ
トワーク」が既に崩壊していることだ。また野党は千載一遇のチャンスとば
かり政権奪取にはしるだろう。詳細は長くなるので別に述べたい。
ちなみに明治以降の歴史は、日本は活力を得て少なくとも経済社会も変化
して人口も増えていくことになる。政治が世の中を変える契機となることは
事実だ。今年から来年にかけて起こるであろうこの国の動乱も、後から見れ
ばこの国の一大転機だったのだと評価されるのかもしれない。その時、人々
が長い沈滞から脱して再び活力を取り戻せればよいのだが。
以上
雑感(11/12~18) 2012.11.18
11/5(月)~11/10(土)雑感 2012.11.11
週刊未来経済 08.3.17号 2008.03.17
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