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2020.06.21
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手が緊張している。
ドアを抑える手が
階段を登る足音がゆっくりと確実に大きくなる。
背後にいる主人とその友達は部屋の奥にいるのがわかる。
空気だ、彼らは空気。
この場は私がなんとかしないといけない
子どもたちは無事?
急に記憶に刻まれる私に子供がいるということ。
心が締め付けられる痛みと


背後の二人はもちろん助けには来ない

ドアは大人の体半身通るぐらいまで
押し開かれた
もう、腕がしびれてくる。突然、手に力が入らなくなる。限界だ…

ぬっ
静かに、確実に見知らぬガタイのいい
若い男性が現れる。

固定されたような
張り付いた笑顔がこわい。
声は出さないでも、振り上げられたその手が


「なんなの、だれなの?ここはどこなの?子どもたちは?」声ならない、

振り下ろされた拳は
なんの躊躇もなく私の少し右のかべにあたる。

次がくる

逃げなきゃ

足が自分のものではないみたいに重い。
恐怖、恐怖、不安
そして、誰にも助けてはもらえない

主人たちは気配だけのこして
存在が私には見えない。

動け!動け!
彼が入ってきたドアがまだ空いている。
部屋の外へ

彼は笑いながら
追いかけてくる。ゆっくりと音を立てて

気がつくと、
目の前に
隣に主人と友人が
なれたように玄関に向かう、
私の家なんだろか?

「靴は持っていかないと」
主人が言う。
正直早く家を出たいのに
私は従ってしまうのね

震える手は私の黒いスニーカーを掴めない
驚くほど手が震えているのだ
二、三回繰り返しても掴めない

主人たちは玄関のドアを開けてでようとしてる

私は何とか靴を持って飛び出た。

夜だった。
暗闇。部屋にいたときには重いカーテンの隙間から
柔らかな、しっかりとした光を微かにだが感じていたのに

頭が情報を処理しきれない
手に持ったスニーカーのせいで
足からも夜の湿り気と静かさが伝わる。

今は夜。ここは家の外。
私は生きてる

私がわかるのはそれだけだ。


パット明かりがつく
目の前の家だとおもっていたのはガラス張りの豪邸だった。

中にたくさんの子がいるのがわかる
子どもたちだ

我が子だけではない
たくさんの子

彼らは無事なの
ニ子があぶないんじゃないの
三ちゃんは?

3人いたはずの子供事が
急にはっきりと
記憶の中で主張する。

一番上のイチ子はここにはいない。
それは、何故かわかる。

きらめく豪邸の中に
先程のおかしい男と
たくさんの子供がいるのだ

靴も履かず
もう一度屋敷の玄関へ

明かりのせいなのだろうか
先程までとは
全く違う、生活感溢れる。
眩しい空間だった。

ニ子、三ちゃん

必死に探す。
階段の手すりにさんちゃんが座ってる。

危ない!三歳児が手すりの上のいるなんて
周りは子供で埋め尽くされている。
確かに安定はしてるが危ない

階段までが遠い

ニ子!ニコが三ちゃんを抱っこしてくれた!

ありがとう!心の中で感謝しようとしたのに
ニ子の隣に
先程の男性
にこやかといえばそうかもしれない
でも、張り付いた笑顔の口角だけがあがる。

アブナイ

見えるけど、助けれない
逃げて!
名前は叫べない
あの男に知られたくない。

子どもたちは私に気づいたようで
笑顔を向ける


その瞬間、あの男性は私の前にいた
「これを見てね」「配っでね」

赤いマジックで
殴り書いたよ家に何かが書かれたDVDディスクをケースにも入れず

渡してくる。

周りの子どもたちにも

周りの子どもたちの表情がよめない
恐怖?笑い?失笑?

「見て」
彼がそう言うと
私は二枚のディスクと共に
玄関の外だった

顔を上げると
主人がいた

「このDVDなにがはいっているのだろう?警察に連絡したほうがいいんじゃない?」

私はあなたがしたらいいんじゃない?とも思わなかった。
これの中身が気になるんだろうな?
と一枚のディスクを渡し、人のいない少し隠れれる場所を探した。

落ち着いて一人で電話をかけたかった。
「もしもし警察ですか?
若い男が突然暴れて殴りかかってきて、訳のわからないDVDわたされて、たくさんの子供達と立てこもってます」

実際は言葉がなかなか出てこず
しどろもどろだったが
このようなことを伝えた。

びっくりするほど言葉が口から出てこず
恐怖が意識を弄ぶかのように
言葉と言葉の間に魔があく


電話は切られた
無言で、絶望に近かった

誰も信用できないし
私しかいないのだ

あの屋敷には
子供とあの男がいる
事実と恐怖と自分以外のものへの失念で

目が覚める

涙が出た。悪夢をよく見る。
辛い。朝起きると体が哀しみと恐怖に包まれる。
結婚する前は悪夢を見てるというと心配してくれた主人も
今では「また?さすが〇〇ちゃん」と茶化すだけだ。

はきようのないこの気持ちのみ
吐き出したく呟く





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最終更新日  2020.06.21 07:39:27
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