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2007年12月22日
XML
カテゴリ: 投資

翻訳入手、訳者に感謝、 


2008年世界金融システム崩壊フェーズ開始
http://www6.uploader.jp/user/ted356/images/ted356_uljp00001.mht

http://www.europe2020.org/spip.php?page=imprimer&id_article=515&lang=en#nh1nh1

各Note[1]-[11]は次ページ参照、 

現在の衝撃段階が進行するにつれ、世界的システム危機が急速に深刻化する中で[ 1 ]、当研究チームは現在の世界的金融システムは2008年に破壊のフェーズに入ると予測している。

危機を示す各指標を見ると、米国における大手金融機関(多くの中小金融機関も含む)の破綻に続いて米国外の金融機関でも破綻が起きることはGEAB第19号で詳述済みだが、それだけに留まらず世界全体の金融システム自体が構造的な打撃を受けることを念頭に置いておかなければいけない。

米国経済のリセッションと米ドルの衰退という従来の世界金融システムの要が崩れたため、世界中の中央銀行による繰り返しの協調介入によってもクレジットクランチを回避することができていない。

これはもはや、中央銀行の能力とか介入規模とかの問題ではない。そういったチャンスは、2007年夏で終わったこと。現在は、世界的金融システムのセグメント毎に、経済的利害が益々乖離してきている。

米ドルを銀行に供給するために主要中央銀行の協調行動を主導したFEDの失敗が明らかとなる。この協調行動は、二つの側面から金融システムの信頼回復を狙うもの。 [ 2 ]

世界の中央銀行による「核抑止力」の存在を示すことで、瀕死の銀行間市場を回復させること。

窮地にある大金融機関に対して、窓口貸出の担保として保有資産を取り(数ヶ月前までは、その資産は何らかの価値はあったのだが)、匿名で米ドルを供給すること。 [ 3 ]

もちろん、銀行間市場回復が窮地にある銀行救済の唯一の手段であるので、 その第一目標が主要なものである。しかし、その目標が達成できないことは既に明らかとなった。 [ 4 ]

LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は銀行間市場の健全度を知る上での主要な指標だが、過去最高水準に張り付いたまま微動だにしない。 [ 5 ]

「心理面」からすると、中央銀行の介入報道後の世界株式市場の下落は、大手米銀のこれまで報道よりも状況は更に悪いことの証明である。 [ 6 ]

2007y12m22d_143220578.jpg

*2007 年9月30日付け米銀のデリバティブ投資 ー 
出典Federal Deposit Insurance Corporation (FDIC)  
(補足) :
7銀行[
7 ]に全デリバティブの98%が集中。155.4兆ドル。
その他929行は2%のみ。2.9兆ドル。

E2020研究班の調査では、金利の制御が効かなくなった後(GEAB第16号参照)、FRBは1945年以降の世界金融システムの柱の内二つを更に失った。激しいマーケットの動きに積極的に対応する主体者としての信頼。 [ 8 ] 

そして、自分のリズムと目標に沿って世界の中央銀行を組織し指揮する能力。その結果、1945年体制で確立した全世界金融システムの舵取りの能力を喪失した。

現時点ではまだ、その第一のポイントの喪失については何とかなっているが [ 9 ] 、第二点目のポイントの喪失(および当該金融システムのリーダーシップの問題)については、来年(おそらく夏ごろまでに)世界金融システムの崩壊につながるものである。ちょうど、その頃には米国が不況に陥っていることの認識が完全に浸透し、アジアおよびヨーロッパ各国は、FED主導の舵取りよりも自国の問題を断固として優先せざるを得なくなる。

本GEAB第20号(2007年12月号)では、主要中央銀行4行(米国FRB、欧州中央銀行、イギリス銀行、スイス銀行)の間での乖離が拡大している件につき詳述する。

現時点でまだ米国のリセッションの影響が完全に浸透していない段階(特にアジアおよび米国で)において、これらの重大なトレンドを解析すると、急速な遠心力が作用し、2008年夏までに現在の世界金融システムは崩壊点に達するものと予測する。

この崩壊点は、世界中の主要金融機関に悲惨な影響を数多く残すこととなる。特に、この流れを完全に理解せずに、現在崩壊中の米ドルシステムにドップリと使っている金融機関は多大な影響を受けるであろう。これらの金融機関には、サブプライム危機を予期できなかった問題よりもはるかに大きな惨事が待ち受けることになる。 [ 10 ]

一方、預金者および投資家にとっては、この崩壊段階は過去の二度にわたる崩壊(1929年から数年間 [ 11 ] 、および1973年と1970年代末)に匹敵する大損失のリスクを招くことになる。現状の経済における金融の重要性が異常に高くなっているので、今回のダメージは過去のものよりも大きいものとなるであろう。かかる見地から、E2020ではGEAB第20号において本件を解説し、対策を述べた。

2007y12m22d_152552296.jpg

の四半期毎の変化, 出典FDIC
(補足):
2006年以来融資残高および預金残高には大きな乖離が生じている。
米銀が危険なスパイラルに陥っていることを示すもの。


2008年夏までに崩壊点に達した後に、その後の世界金融システムの体制がより鮮明となるであろう。ヨーロッパ(ユーロゾーン)、日本、中国が、ロシアおよび産油国と一丸となって、新たなシステム構築を進めることが必要であろう。

2008年夏までに崩壊点に達した後に、その後の世界金融システムの体制がより鮮明となるであろう。ヨーロッパ(ユーロゾーン)、日本、中国が、ロシアおよび産油国と一丸となって、新たなシステム構築を進めることが必要であろう。

過去60年間続いた米国中心のシステムには当然ならないので、その過程は米国(および全ての関係機関)にとっては痛みを伴うものであろう。次期米国政権(2009年1月以降の任期)の主要課題となるであろう。歴史的変化に対応し、景気後退の中での新たな経済財政引締めを実行することになる。ヨーロッパ人およびアジア人も、この崩壊で混乱に陥らないように、心してかかることが必要である。

*各Note(1-11)は次ページ参照、






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最終更新日  2007年12月22日 15時44分49秒
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