シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2006年01月26日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回までに、自由な思考から発し、心臓から頭へ、自主的な意志を伴い、頭から心臓へと再還流し、そこに平静さを加え、手足や頭へと流し、明鏡止水のこころの姿勢を整えることができ、肯定的態度で、望み、周囲の空間に、自分を広げることを、可能にする訓練を述べた。

 で、今回は、5つ目のこころの修行である。それは以下である。

 5.先入観を捨てる

 勿体ぶったわりには、なんのことはないとお感じだろうが、これこそ、最も大切なことで、でき難いことではなかろうか。

 つまり、5ヶ月目には、新しい経験に対して、この先入観にとらわれず立ち向かうことであるという。

 これは、いかなる瞬間にも、全く新しい経験を受け入れる用意ができていないといけないことだという。

 人間は体験を通して、なんらかの知識を身につけるが、その知識が、束縛を生じてはならず。神秘学は、理にかなっていると認識したもの、ありうべきことと思われるもの、それ自体が、新しい真実を受け入れるときの障害になってはならないと説く。

 5ヶ月目にそのようなこころの持ち方を心掛けると、空間の中で、何かが生命を得て活動するかのような感情が生じるという。この微妙な震えを、注意深く周囲に把握することがよいという。それを五感、特に目、耳、そして熱感覚を含む皮膚を通して流れ込ませるようにするとよいという。



 かってはこころから閉め出されていた、事物に対する静かな理解が可能になるという。

 仏教でいう、こころでみることを「心眼」というが、神秘学では、この事物に対する静かな理解をいっているようだ。

 唯物論でいう、「みる」とは、肉体の目のなかの神経が、目を通して、脳で、像をつくりみているとしているが、これは大きな間違え、錯覚であるという。それではモノの真実はみえてこないと、神秘学は説くのである。

 神秘学でいう「みる」とは、端的にいえば、みている対象に、こころを合一させて、そこから感じとる(目に情報をおくる)ことをいっているのである。いわば、目は、モノを掴んだりする手の役割であり、そのときの触感が、視覚を類似するという。これを行うのが、人体のなかのアストラル体である。これは東洋哲学では、「こころ」と表現されるものである。

 つまり、「心眼」とは、そっくりそのまま、真に「みる」ということを意味しているのである。太古、人類は霊視ができたので、この心眼をみることだと知っていたのであり、唯物的に、現代の肉体で「みる」とは、幻想、幻覚だとしていたのである。

 だから、現在の外見をみることは、幻想であり、真の「みる」ことではないとしていたのである。外見は、いわば、生命が死んだ状態であり、それをみても、展望は開けず、後追いの論理の構成となるから、要するに、結果論でしかない。真のみるとは、未来を、予見し、創造することであるから、後追いでは、人間はいつも後手にまわらざるを得ない。つまり、主導権を握れない。周囲や環境に振り回されるだけである。

 環境を制御し主導権をとり、自主的に創造活動を行うには、確実に、真に「みる」ことができなくてはならない。つまり、躍動する、生命的にみる。心眼が必要だと気づかされるだろう。過ぎ去った幻想をみても執着心を生むだけであり、今そこからめばえ、躍動しようとしている、まさに生命を、未来にみなければ、真に「みる」とはいえないのである。

 赤子のようにみることが、真の「見る」なのだ! 

 これは老子にあるだろう。

 禅問答で、しばしば、達磨には髭があるとか、ないとか、正反対のことがでてくるが、それはこの心眼でみているかどうかということなのである。



 だから、心眼でみない、ただ、肉体でみることを、「勿体無い」というのだろう。「勿体無いことをするな!」とは、「ただ見るな」、「心眼でみろ」と言うことなのだ! そこから、「自分の立場からみるな!」、まず、無我の境地を切り開いて、はじめて、他者と合一し、みることができるわけだろう。

 つまり、端的にいえば、相手の立場、対象と合一してから、「みろ」ということだ!

 これは、陽明学の「知行合一」の理念にも通じるものであろう。

 知識偏重を拒絶し、そのものと一体となって、そのものに語らせるのである。そこに愛の交流がある。

 真実を語るなかれ、真実自らが語る。 





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Last updated  2006年01月26日 21時44分51秒
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