シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2006年12月29日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 これまで強調してきたことは、物質界に生きている人間だけが個としての魂、つまり自我を有していて、周囲にいる動物たちは集合自我、集合魂を有していることで、集合自我はアストラル界に生きていて、そこでは完結した存在として見出されるということだった。

 このように動物界と人間界は、霊的に観察してみると、集合魂ないし集合自我と個としての自我として互いに相対峙しているという。ただし、これを宇宙において、あたかも個々の存在間に全くの移行状態が存在しないかのように思い描いてはならないという。自然は飛躍しないという格言は、神秘学者には全くあてはまらないとはいえ、至る所に移行状態が見られるのは確かであるという。

 つまり、動物界の集合魂と人間の個別的魂との間にも、移行状態が見出せるという。人間が地球紀に出現して直ぐに完全な個別的な魂を有し、この個別魂が地球上で同じやり方で何度も何度も受肉してゆく、というふうに思い描くとしたら、間違いだという。

 むしろ、現代人は、太古の時代にもっていた集合魂から、まだ自分のものになっていない完成された個別的魂へと徐々に移行している状態であるという。今日の人間は、まだ物質体に個別的自我を完全に組み込んでいく途上にあるという。

 現在の地球紀が多少なりとも完了するときになってはじめて、人間はこの完成された個別的魂を得るという。大多数の人々にとって、今日、自我は集合自我と個別的自我の中間状態にあるという。

 過去へと遡れば遡るほど、人間の自我は一層、集合自我の度合いを増し、地球紀の初め、魂が初めて神的な世界からこの物質界に降ってきたとき、人間の魂はまだ集合自我であったという。複数の人間が一緒に1つの共通の魂、すなわち集合自我を有するグループに属していたという。

 このことを一面として記憶に止めておくと、もう一つの面として、人間本性の構成要素、つまり、人間は本質として四つの構成要素、すなわち物質体、エーテル体、或いは生命体、アストラル体、自我を有し、この自我は、正確に観察すると、更に三つの部分、つまり感受魂、悟性魂或いは心情魂、意識魂という名で呼ばれる部分に分かれて現れるという。

 感受魂と悟性魂ないし心情魂においてようやく独立した自我が微かに現れはじめ、意識魂に至ってようやく自己意識的な自我の最初の名乗りが得られるという。更に、人間の本質の第五の構成要素、つまり霊我ないしマナスと呼ばれるものも徐々に人間の中に入り込んできているように見えるという。

 従って、今日の人間の場合、物質体、エーテル体ないし生命体、アストラル体、それからアストラル体と内的に結びつきアストラル体の中に組み込まれているようになっている感受魂、そして悟性魂と意識魂、さらに本来の自我-魂である意識魂の中に霊我ないしマナスが組み込まれているという。これで大凡、今日の人間を想定することができるという。



 さて、これら人間の構成要素のうち、最も仕上がり、完成されたものは、今日の人間が進化したように、最も仕上がった、最も完全に発達した構成要素は物質体であるという。ただし、「最も仕上がって、最も完全に発達している」ということと、「高次の性質を持つ」ということを混同してはならず、エーテル体とアストラル体は、その程度(レベル)において物質体よりも高次の性質を持っているが、未来においてやっと、その発達の完成に到達するという。

 その性質において今日の物質体は人間のなかで最も完成された構成要素で、物質体を研究する人、しかも単に解剖学的に、もしくは物理学的にではなく、心情と心に染み渡るように研究する人は、物質体の中に組み込まれている巨大な叡智の前に驚嘆し、立ち尽くすという。

 人間の物質体はその最小の部分のどれをとっても、完成された、叡智に満ちた構造を示していて、例えば、この物質体のうちで大腿骨のほんの一片、大腿骨の最上部をとってみても、一個の中身の詰まった固体などではなく、小さな梁が見事に組み合わされた、叡智に溢れた構造をもつという。

 精緻な梁がいかに組み合わされているかを研究すると、最小の実質要素の消耗で最大限の力が出せるように、そしてこの大腿骨の柱二本で上体が支えられるように全てが構成されていることがわかるという。

 最も完璧な工学技術をもってしても、このような叡智による、最小限の材料の消費で最大限の力を展開する橋や骨格のようなものを建造することはできないという。人間の知恵は人間の物質体を構築したこの叡智に遥かに及ばないという。

 物質体全般の部分に対しても同様で、神経組織を備えた脳を観察すると、素晴らしい構造に気がつき、人間の心臓を観察すると(ただし、心臓は未完成途上にあり、将来更なる高度な完成に至るという)、心臓も素晴らしいものであることに気がつくという。

 この物質体の完成度合と、欲求や衝動、熱情を伴ったアストラル体を比較してみると、アストラル体は、将来物質体よりも高次に位置するようになるとはいえ、今日のところまだ比較的低次の状態にあることがわかるという。

 今日の人間が享楽への熱望として発達させている全てにおいて、アストラル体は物質体を何百とない攻撃に曝すという。人間が調達するアルコールやその他あらゆる享楽の中で欲望され満たされるもの、これらはすべて根本的に物質体の叡智に満ちたすばらしい構造に絶え間ない攻撃をしかける、正に心の毒というべきものであるという。アストラル体が、今日既に物質体が完成状態でもつものに行き着くには、これからの長い進化期間が必要なのであるという。





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Last updated  2006年12月30日 00時50分38秒
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