シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年02月07日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、有機的な病気の意義とは何かと問うなら、今日の人間にとって、通常の状態である覚醒意識は心臓中心にあると書いてきた。それとは別の意識状態は、その他の器官に関連しているが、それらは絶えず意識下に留まっているという。喉頭から脳までの範囲を含む喉頭の領域は、常に前回記述した通常の状態に連なる意識状態の中で生きているという。消化器官近傍の領域は死者と同じ時間軸を共有しているという。

 人間は絶えずこの意識状態に与っていて、生前の知人の死後の経験を共有するが、この意識は心臓ではなく、心臓の「下」で経験されるという。なので、通常の人間は、この経験に関しては何も知り得ず、それは無意識の中に、意識の敷居下に留まっているものとなるという。

 人間が死者と精神的な結びつきを持つこのような領域において、例えば消化不良のような障害が発生するなら、心臓中心より下のこのような意識が変化し、過度に活発に作用し始めていることが考えられるという。

 では、ある種の胃の不調はいかに説明できるかと問うなら、物理的な観点から見れば、それは単に臨床医の診断による所見に過ぎないものとなるだろう。ところで、ここで提示される観点は決して医学による純粋に物理的なアプローチに反対するものではなく、その価値を認め、評価するものである。

 秘教的探求の姿勢は、単にオーソドックスな医学を侮ったり、批判したりする道楽家や素人、或いは如何様師の態度ではなく、医学のこれまでの功績を完全に認め、その発見を受け入れるものであるという。しかし、確かに誰かが胃の不調を訴えるとき、その兆候を医学的に診断することは可能だが、真相に迫るならば、その胃の状態の結果として、その病人は、死後間もない死者の生活に与ることが可能になっている意識を捉えるのが更に賢明な態度といえるという。

 勿論、治療が始まる前には、医学的な診断がなされ、同時に精神的、秘教的な立場からは、そのような人は彼が地上で知人だった魂たちと死後の精神的な結びつきを保持する必要性も感じている、ということも考えられるという。けれども、彼は心臓の下に横たわる意識の中に入っていくことができずに、彼は死者とのその交流に気づかないという。

 その種の不調の精神的(秘教学的)な側面とはこのようなものであるという。胃の不調は死者に過度に強く意識が引きつけられるために生じるものだという。そのような条件下では、人は死者に支配されるという。以前示したように、物理世界に比べて、ずっと遥かに現実的な死者の世界からの影響を強く受けているという。

 もし、天秤を想像するなら、一方に、針が振れていても、他方の別の天秤皿に負荷をかけることによってゼロ値の読みが回復される。過度に強く死者に引きつけられ、そのことに全く気づかないほど、この心臓下の意識に対する異常な感受性を発達させた人に見られる非平衡状態は、上記の一方の側に負荷をかけられた天秤に似ているという。平衡は、反対側に同等の負荷を加えることによって回復される。

 このように、もし、心臓下の意識が過度に活発であるならば、喉頭の領域における意識を減退させる必要があるという。心臓は中央に位置し、調整者であり、いわば、その上で天秤棒が振れるくさび形の支点であるという。平衡は銅を服用することによって取り戻されるという。今日の人間の体は喉頭が銅に反応するような構成である、ということを以前に指摘した。



 なので、今日、全ての物質が、物理的な側面(顕教学)と同時に精神的な側面(秘教学)を有している、ということを知る必要があるという。昔の秘儀参入者たちは弟子たちのために、その物理的な側面を利用することができたが、それは、弟子たちが広範な訓練を経た後でのことだったというのは以前に書いた。

 全ての物質(顕教、秘教)=全物質(物理的側面、精神的側面)=全物質(外面、内面)

 今日ではもはや、同じようなやり方で、物質を使用すべきではないという。今日、魂を開発するための領域は、道徳的な属性においてであり、物理的な属性は医師の領域に委ねられる。物質の物理的な側面に精通し、それに関する詳細な研究を行う機会をもつ人が、その情報を物質の道徳的な側面に関する知識によって補うのは、非常に重要なことだという。このことは、現代の認識や、精神的な手段を用いる分野における認識に関して、厳守されるべきことだという。

 人間の有機体は時間の経過に伴って根本的に変化し、そして、物質の道徳的な側面に関する知識と、その物理的な側面に関する知識との間に、かつて存在していた密接な関係が失われたが、それは再び取り戻されなければならないという。ここで、この失われた関係についてもう少し書きまとめることにする。

 主として物理的な観点を有する医学と精神的(秘教的)学問との間の今日の関係は、遠い過去におけるそれらの関係と同じであるはずがないという。いずれにしても、この関係は継続していくに違いないが、今日では別の形態を取ることになるという。精神的(秘教的)な探求における真の道と偽りの道を区別することができるかどうかは、このような関係を知っているかどうかにかかっているといえるという。





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Last updated  2007年02月07日 19時24分20秒
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