シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年05月29日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 プラトンは、古代ギリシャにおいて、知られている身体は、実際には4次元的なものであり、我々人間はその3次元空間における影のイメージだけを見ている、ということを説明しようとしたという。

 この記述は全くの思いつきではないので、簡単に説明する。勿論、最初は、単なる推測に過ぎないと言うこともできるが、壁(平面)の上に現れる、これらの姿の一体どこに真相があると想像できるだろうか?

 今、このような洞窟に繋がれた人間のように、2次元的(平面)にしか動くことができないものと想像する。突然、影が動き始める(互いに通過するように平行移動する)。壁の上の影が2次元空間から逸脱することなく動けるとは結論づけられないだろう。壁の上で像が動くときには、何かの原因で、壁の上にない事物の動きが生じたものと捉えるだろう。

 3次元空間中にある事物はお互いにすれ違うことができる。もし、2次元的な影のイメージをお互いに貫通(通過)することができないもので、つまり、実質から成り立つものとして想像するなら、お互いにすれ違うということは全く不可能になる。もし、これら影のイメージを、実質的なものとするならば、それらは、2次元を離れることなしに、お互いに、すれ違うことはできない。

 つまり、2次元空間内での実質的な物体の運動は、たちまち、互いにぶつかり、通過など有り得ないものとなる。だから影が本物であるはずはない。

 壁の上のイメージが静止している限りは、壁から離れたところで、つまり、2次元的な影のイメージの世界の外で、何かが生じていると結論づける理由はない。けれども、その影が運動し始めると、その運動の源泉を調べ、その変化は壁の外、つまり、3次元のなかに起源をもつものと結論づけるように強いられる。このように、イメージにおける変化が、2次元に加えて3次元があることを、我々に伝えているという。

 単なるイメージとはいえ、ある種の真実と、究めて特殊な属性(関係)をもつことは確かだが、それは真の事物とは本質的に異なるものである。鏡像もまた単なるイメージであることを否定できない。

 鏡のなかに映る自分を見るが、鏡の外の、こちら(自分)側に、真の存在がある。そこで、第3の要素の存在、つまり、運動の存在なしには、どちらが真の存在なのかを本当に知ることはできない。鏡像はオリジナルと同じ動きを行うからである。

 鏡像は自ら(独自に)動くことができず、真の事物、すなわち真の存在に依存する。このように、鏡像のイメージと真の存在を区別できるのは、真の存在が自ら変化し、或いは運動を生じさせることが可能なことによる。



 では、ここで、この一連の考察をこの世界一般へと適用してみる。この(物質)世界は3次元的だが、もし、3次元の性質を思考のなかで把握しながら、3次元のものを、3次元の性質自体で捉えるなら、それが本質的に運動しないもの(静的なもの)として発見するだろう。

 たとえ、それをある時点で凝固したものとして想像するとしても、なお3次元世界は3次元的(静的)である。現実には、この3次元世界は、時間のなかのどの2点を取ってみても同一ではなく、世界は変化している。

 では、これらの異なる(変化する)瞬間がなかったら、何があるか、何が残るかを想像する。

 もし、時間がなかったら、世界は決して変化しないだろう。しかし、たとえ時間、或いは変化がなかったとしても、世界はやはり3次元的である。

 同様に、壁の上のイメージは2次元的なままだが、それらが変化するという事実は、3次元が存在するということを示唆する。

 世界が絶えず変化するということ、たとえ変化がなくても、それは3次元的なままであるということは、その変化を、4次元のなかに求める必要がある、ということを示唆している。変化の理由、変化の原因、変化の活動は3次元の外に求めるべきである。

 この時点で、4次元の存在とプラトンの比喩の正当性を把握できるだろう。3次元世界全体が4次元世界の投影像である、ということを理解するわけで、残る問題は、いかにして、この4次元の現実を把握するか、ということである。

 勿論、4次元が直接3次元に入ることは不可能だと理解する必要がある。4次元は3次元のなかに単純に落ち込むことはないという。では、次回は、3次元を超越する概念を、いかにして獲得するかということを示す。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007年05月29日 22時01分27秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: