シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年07月18日
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カテゴリ: 人間は芸術である
 わがブログをよくご訪問なさってくださる孔明さまのブログに触発されて、数学と文学の類似点について、ああだこうだと述べてみたい。

 それは、数学も文学も、文字を使い、文字において美を表現することに変わりがないと私的に思われるからである。

 孔明さまのブログでは、文学ではなく、特に詩に関してであったのだが、詩の場合、もっといえば、俳句や短歌のような決まりごとに、意味のある文字を当てはめるところなぞは、まるで数式そのものといってよいだろう。

 問題となるその相違は、数式が普遍的な対象を扱う点であるのに対し、文学では、個別的、主観的対象を扱う点にあるといえるが、どちらもその表現する文字に共通の人類の思想、感性(観点)を求めている点で一致しているといえるだろう。 

 表向き、普遍(客観)と主観を表出しているが、どちらの基盤も、人間の立場から、人間を(観測の)土台としている点で変わりはない。

 俳句は一種の特異的(個別的)な数式ともいえる。

 人間以外でも、数学は成り立つという人がいるかもしれないが、それを証明することは困難だろう。サルに計算を教えたからといって、サルが数学的思考をもつとは言い切れないだろう。

 この場合、人間の数学ではなく、サルの数学を発見すべきである。第一、教えなければいけないということは、本来、未開発であり、数学をもたないということでもある。少なくとも数学を我々人類自身が開発したという立場をとるならばである。



 ここで、機と、ある点に気づかされる。計算とは、「プロセスの洗練化である」、と。コンピュータの場合、これはアルゴリズムにあたる。

 しかし、計算そのものが数学ではない。そこに、普遍的真実からなる体系が存在しなければならない。ここに、数学的思想の意味づけがある。

 計算ルールは俳句でいえば、575調であり、季語である。俳句の呈をなしていても、良い俳句とはいえないように、計算できてはいても、良い計算法、つまり数学とはいえない。

 特に数学の場合、間違えるという人間の欠点にその発展性が見出されるのである。アランチューリングという計算機を発明した数学者は、「間違えるからこそ、数学は発展する」というようなことをいっているのである。

 そう、数学も文学も、人間が、宇宙体系を表現するツールなのである。人間は、日々間違いながら生きている。体験とは過ちの連続でもある。予め予測できたら、新鮮な感動など生じないし、何のための体験なのだろうか。

 実は、数学は普遍的といいながら、数学者だけに通用する常識、例えば、無限に続く直線とか、三角形の内角の和は180度とか、数学的思考を洗練化していった品性(数学的世界)において、非常に個別的なのである。

 無限に続く直線は現実にはないし、完全な直線からなるようにみえる三角形も、ミクロレベルでは歪んでいるだろう。

 だからといって、数学が現実的でないというのは、間違いである。数学は、人間の思考体系の理想を表現しうるものなのである。数学を思い描くからこそ、人類は無限なる直線を実現しようとし、完全なる三角形を構築しようとするのである。



 それは文学においても、人間生活の不条理を捉え、理想を求めてきたといえる。

 人類だからこそ、数学と文学を学びえたのである。他の動物では理想を掻き立てうる霊力が足らない。これは人類が、天に向かって立ち上がったことによる影響が大きい。動物は大地にへばりつき、動き回るだけの利己存在に対し、人間は天を敬し、それを志向したのである。

 数学が外へと物質に関わる点に対し、文学は、内への非物質に関わる。

 つまりは、物質プロセスの洗練化が数学であるのに対し、非物質プロセスの洗練化が文学であるといえるだろう。

 人間のなかで、外なる物質プロセスと内なる非物質プロセスは循環し、対流している。そのときどきの表現が数式であり、俳句である。



 この大宇宙と小宇宙が照応しあうところに、数学と文学があり、人間が存在する。外から数学を究め、大宇宙の治癒的創造力を探求する道が、人間が神々への進化に向かう一つの道である。

 そして、内から文学を究め、小宇宙の道徳創造力を探求する道が、人間が神々への進化に向かうもう一つの道である。

 あらゆる大宇宙の力が、人間の内部に治癒的に作用するように、神々は小宇宙である人間をつくったという。人間のなかには元々神々の治癒力を呼び起こす力がある。これを道徳と呼ぶ。

 この意味が「神の意志する人間」という言葉に表れているという。人間の存在が神々の存在を表明しているのである。

 人間において、数学ができ、文学ができるのは、神々の存在そのものに相違ない。数学と文学も究めれば道徳という真実に向かうのである。

 「人間よ!利己主義から地に埋もれることなく、飽くなき大志を抱け!!」





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Last updated  2007年07月18日 21時51分38秒
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Re:数学と文学の類似点について(07/18)  
ブルゴーニュワインからシュタイナー さん
いつも楽しく読ませていただいております。

昔の記事にコメントしてすみません。
相違点についてコメントさせてください。(批判ではありません。)

数学において集合や空間とその基本的なルールを決定すると、そこから導かれる定理は文学と異なり人間の主観・判断に関係なく決定されます。そして定理を見出すまたは示す人間の活動は、その過程においては自由に試行錯誤しているようですが、経験上、何かを見つけるもしくは理解できるときは、上から教えていただくような感覚です。また、天才シュリニヴァーサ・ラマヌジャンは、夢で女神から定理を教えてもらっていたと語っています。
レベルの差はありますが、大なり小なり、数学を思考するのは、霊視に近いのではないでしょうか。人間が自由に創作するのではなく、天使よりお教えいただくのではないでしょうか。

数学の扱う「空間」「公理」の定義ですらも、宇宙創造と対となって作られているように感じます。むしろ物理学より数学が上位にあると考えるなら(数学視点から。物理からみると数学は近似して利用しているだけのツールとも見られます。)、宇宙想像とは独立したものとして、作られているのではないかと思ったりします。

音楽が天使の原音をもとに作られるように、数学も天使のメッセージから作られ、純粋な「表層」であることから、音楽と類似しているようにも思います。

なお、数学に埋没すると、物質界を軽視し、物質界の人間として逸脱してしまうので注意が必要です。 (2015年11月03日 22時37分35秒)

Re[1]:数学と文学の類似点について(07/18)  
ブルゴーニュワインからシュタイナーさん
>いつも楽しく読ませていただいております。
ありがとうございます。m(__)m

>数学において集合や空間とその基本的なルールを決定すると、そこから導かれる定理は文学と異なり人間の主観・判断に関係なく決定されます。そして定理を見出すまたは示す人間の活動は、その過程においては自由に試行錯誤しているようですが、経験上、何かを見つけるもしくは理解できるときは、上から教えていただくような感覚です。また、天才シュリニヴァーサ・ラマヌジャンは、夢で女神から定理を教えてもらっていたと語っています。

全く同感です。しかし、俳句が主観、判断に依存すると思われるのなら、数学も、完全に主観、判断に依存しないとはいえないと思います。

例えば、量子力学の記述の方法にシュレディンガーは波動関数を用い、ハイゼンベルグは行列を用いました。内容は同じでも表記の仕方にはある程度個性が現れます。

つまり天使から霊感を得たといっても、その現実化へのやり方には個性がでるという点で主観的といえると思います。 

>レベルの差はありますが、大なり小なり、数学を思考するのは、霊視に近いのではないでしょうか。人間が自由に創作するのではなく、天使よりお教えいただくのではないでしょうか。

全く同意です。

>数学の扱う「空間」「公理」の定義ですらも、宇宙創造と対となって作られているように感じます。むしろ物理学より数学が上位にあると考えるなら(数学視点から。物理からみると数学は近似して利用しているだけのツールとも見られます。)、宇宙想像とは独立したものとして、作られているのではないかと思ったりします。
>

物理学は数学より個性的といえますね。数学と物理学も物質界の表現で、そのネタみたいな霊感が恐らく霊界にあるのかと思います。

>音楽が天使の原音をもとに作られるように、数学も天使のメッセージから作られ、純粋な「表層」であることから、音楽と類似しているようにも思います。
>
全く同感です。

>なお、数学に埋没すると、物質界を軽視し、物質界の人間として逸脱してしまうので注意が必要です。

物質界から逸脱しないのが「生きる」ことに思います。 (2015年11月04日 08時48分32秒)

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