シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年06月18日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 人々が悲しみと悲惨の深みにあるときには、涙の中に一種の補償、慰めを見い出していることを、誰でも知っている。また、泣くことができない人々にとっては、悲しみと苦しみが、遥かに耐え難いものであるのを知っている。

 なので、もし自我が外界と満足のいく関係を達成できない場合には、「笑い」を通して内的な自由へと自身を引き上げるか、或いはまた、剥奪された後、力を獲得するために、自身の中に沈み込む。

 「笑いと涙」の中で、自分を表現するのは自我、すなわち人間の中心点であるということを見てきた。この事から分かるように、ある意味、自我が「笑い」と「涙」の必要な前提条件であるということが容易に理解できる。

 もし、新生児を観察するなら、生まれてからの何日間かは、心の底から、真に「笑ったり、泣いたりする」ことができないことが分かる。本当に笑ったり、泣いたりするのは36日か、40日程度経ってからである。以前の受肉状態の自我が、その赤子の中に生きるとしても、外界との関係を直ちには持とうとしない理由による。

 人間は、2つの面から構築されるような方法で世界の中に置かれる。人間は、一方では、遺伝により獲得される、あらゆる性質や能力を、父、母、祖父他から引き継ぐ。これら遺伝全ては個性、すなわち自身の魂の性質を自ら担い、転生を重ねる自我の作用を受ける。

 自我が、誕生により、子供の存在の中に入っていくとき、最初は、不確かな表情しか見い出せない、そして、全く不確かなのは、後になって現れてくる才能、能力、そして特殊な性格も同様である。

 しかし、やがて、自我が、いかに絶えず、以前の生から携えてきた進歩の力をもって、幼児期の組織に働きかけ、遺伝された要素を作り替えるかを観察できるようになる。遺伝された性質は、こうして、ある受肉から別の受肉へと移っていく性質と混ぜ合わされる。

 自我は、子供の中でこのような形で活動的だが、自我が、肉体と魂を変化させ始めるのには、幾らか時間がかかる。誕生後、最初の日々においては、子供は、遺伝された特徴のみを示す。その間、自我は、以前の生から携えてきた性質を、子供の不確かな表情に刻印づけることができるようになり、そして、日毎に、年毎に発達(成長)するのを待ちながら、深く隠されたままに留まる。

 子供が、自らに属する個人的な性格を身につけるまでは、「笑いと涙」を通して、外界との関係を表現することはできない。というのも、そのためには、自分を外界との調和の中に置こうとする自我、もしくは個性が要求されるからである。






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Last updated  2008年06月18日 18時47分04秒
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