シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2009年01月05日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、今度は、臭覚と味覚を一緒に考える。

 植物相に対して、匂いを嗅ぎ、味わい、生きることで、実際、エーテル体が、アストラル体と物質体という両方向に向かう関係のなかに生きる。臭覚と味覚に注意すれば、エーテル体、すなわち、宇宙のエーテルが刻印されたなかに、正しく潜入できる。

 人間が匂いを嗅ぎ、味わう処では、根本的に、エーテル体が、アストラル体、及び物質体と関わり、物質界に顕現している。このように、臭覚と味覚において生じているプロセスを調べるなら、いわば臭覚と味覚の上で、人間自身が人間の(感覚の)表面(境界)にいることがわかる。

 しかし、今日、重要な事は、終局的に、人智学側からの真の科学の結実に向けて、抽象的な神秘主義を抜け出し、具体的な霊の理解へと実際に突き進むことである。相も変わらず、「人間のなかの神性を理解すべきだ!」、と(抽象的に、象徴的に)語るだけでは、その言葉自体は全く無意味で、役に立つことはない。

 このような言葉を語るとき、語り手が、「神性」という言葉で理解しているのは、せいぜい、何か全く抽象的な(漠然とした)神性そのものにすぎない。

 このような考察法が、実りをもたらすには、具体的な現象に入っていくことが可能となり、具体的な意味で、外界のプロセス(経過)が、(人間の内面と結合し、)内的になっていくのを観察するとき、つまり、例えば、臭覚と味覚のなかで、人間と親和し、外界に生きる存在、いわゆるエーテル体を、実際に観察することで、いかに、このエーテル体が、(人間のなかに)内面化されていくか、つまり、人間の上部の最も粗雑な感覚プロセスのなかに、直接、外のプロセス(経過)が、(人間のなかへと)内面化していく様子を観察するときである。

 現代において究めて大切な事は、単なる抽象概念や、神秘主義的概念を抜け出していくことなのである。

 さて、これから明らかになっていくが、自然においては、全てが何か(新たな)別の存在へと絶えず移行しているということ、自然における全ては、ある1つの事象が別の事象へと移行する傾向、別の出来事へと自らを変容させる傾向にある。

 (諸行無常)



 つまり、植物相の場合、外(表面)へ向かって揮発化させ、芳香を発することで生じる全てに向かって進むか、或いはまた、人間等に食されること(味覚されること)によって、芳香から遠ざかり、外界では、硬化に至る全てを、内面化する。臭覚と味覚に着目すると、いわば、外と内が共に流れていることがわかる。

 しかし、自然においては常に、1つのプロセスが別のプロセスへと移行している。植物相における芳香を発する存在、植物が、芳香によって、いわば硬化を免れ、この場合、植物は、いわばまだ(素人じみた言い方だが)霊性を大気中に発しているが、この霊性に感覚を向けると、大気中の芳香物質には、幾らかまだ植物状態が含まれていることがわかる。

 いわば、外界で、香るなかには、なおも植物の幻影(霊性)が存在している。植物が、その香りの幻影を送り出すとき、植物が、それを硬化へと誘導しないとき、植物が、花から香りの素を、つまり、花になろうとするが、花になることから遠ざかり、揮発的状態に留まろうとする存在を送り出すとき、一体、外界では何が生じているのか。

 植物の香りの素、霊性とは、つまり、抑制された燃焼プロセスに他ならない。この芳香発生の変容を、連続的に考えていくと、次のような考えに到達する。

「芳香発生とは、本質的には、抑制された燃焼プロセスである」 、と。

 一方では燃焼を、他方では、植物の芳香発生を見出せる。すると、そのなかに、両者に共通する統一体の、二つの変容形態(メタモルフォーゼ)が認識される。言うなれば、正に芳香発生のなかには、別段階での燃焼が存在するということである。

 では今度は、植物における、味覚を刺激する素を見てみる。味覚の素は、植物の更に深い部分にあり、植物では、その植物形成力を幻影のように、自らのなかから周囲へと追い出すような事態にせずに、植物が、その形成力を、自らのなかで統合するように、内的形成力の為の使用に導く。

 味覚において、人間も、この内的形成に加わっているので、植物の硬化の下方にあるプロセス、つまり塩化のプロセスと呼ばれる、硬化プロセスの別段階の変容プロセスに到達する。勿論、いまは植物相の話なので、植物の塩化である。

 これまでの話から、植物のなかに独特な変容をもたらしたことになる。植物のなかでは、上方に向かう芳香発生プロセスが見つけられる。これは、いわば抑制された燃焼プロセスであり、ここから燃焼プロセスを始めることも可能である。

 なぜなら、花となるプロセスは、芳香発生プロセスに組み込まれた燃焼プロセスだからである。下方に向かう場合は、硬化、塩化が見出される。そして、植物において味わう素は、抑制された塩化(プロセス)なのである。



植物塩;脱植物化し鉱物となりし成分

 ここに、治療薬発見のための理性、理念、原理(ラチオ)が認識される。ある意味、この事から、植物相に光が当たり始める。植物のなかで生じている神性の具体性に着目できるからである。繰り返し強調するが、この具体的な観照こそが肝要である。

芳香発生プロセス;抑制された燃焼プロセス→アストラルに向かうプロセス
植物塩プロセス;脱植物化し、鉱物となるプロセス→物質に向かうプロセス





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Last updated  2009年01月05日 21時47分49秒
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