シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2009年03月09日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 癒し-瞑想生活において、進化(前進)し、いわゆる益々熟達し、瞑想生活と調和し、自らを瞑想人として感じとることが可能になるほど、実際、具体的に、真の自己認識を、益々一層獲得するようになる。この「具体的な、真の自己認識」は、積極的な課題、例えば人生における治癒が問題になる場合、実際、軽視できない。

 瞑想において進歩すれば、以前には全く意識できなかった事柄が、自身の生体組織のなかで意識できるようになることに気づくだろう。ただ、意識のなかに上昇する存在に関しては、外見、外面的な公開講演や一般講演では、全く独特な傾向が生じるので、いまのところ、公開の場で話すには非常に困難であることが意識できる。

 今、注目した、この基本的事項に関して語るなら、現代のような道徳的状況下で、比較的大きな集団に伝えたなら、すぐに、「どうして、この瞑想による知識を活用しないのか?」、というような質問が出るだろう。

 つまり、瞑想者に瞑想させ、ある物(金属)が足りないことが分かれば、ある物(金属)さえ供給すればいい、簡単な話ではないか、というわけである(現在のサプリメントと同じ考え)。

 更に、瞑想の代わりに、足りない物を服用するほうが遥かに容易である。その人は、このこと(瞑想を省略すること)で、ある意味、道徳的に自滅することになる。それでもやはり、現在の道徳的状況では、人々は、この安易な考えに抵抗せずに(どういうことを言っているかは、すぐわかるだろう)、瞑想の代わりにむしろ、外界の薬物を服用するだろう。

 そのような外界の薬物は、当初、その進路の最初期では、瞑想に類似した効果を与える。実際、そのような事実はあり得ることで、というのも、つまり、一定期間、瞑想を継続し、このような事実を洞察する傾向を持つようになれば、通常の、モノをつかむ手の感覚や、歩行する足の感覚を意識するのと全く同様に、放射する鉄の作用を意識できるようになるからである。

 (正しい瞑想を行うと、自分に何が足りないのか、例えば、鉄の作用、プロセスが足りないと感じるようになり、外界から、薬剤として鉄を供給すればよいことがわかるという。古代人は、この自然治癒力を知っていたので、病気に罹らなかったという。必要なものを食物として、食べたことから医食同源が生まれた。)

 鉄の作用意識が出現するのは、事実である。この意識は、自分に腕や脚があり、或いは身体を回転させる等で、眩暈がして、頭がある、と通常はっきりわかるのと全く同様に明確な存在である。自らを鉄のファントム(2)と感じる意識が生じてくる。

(2)ファントム;神秘学的に言えば、物質としての肉体に先立って、本来、不可視な、純粋な形態があり、この眼に見えない肉体形式が、ファントムと呼ばれる。この形式-ファントムに物質素材が入り込んで、肉体が成立する。パウロが「コリント書」で言っている「霊の体」も、このファントムのことである。このファントムを理解することで「キリストの復活」を理解する鍵が得られる。



「そうですか、つまり何かを外から服用することで、自分のなかにある固有の鉄に対する鉄感度、敏感さを高めることができるわけですね、服用で同じ作用が得られるのですね」 、と。

 つまり、この事実は、初期段階では、全く正しい。しかし、人々が、いわゆる手軽な「霊視」の方法を得るために、このような方法から実験を始めるなら、非常に危険である。このような実験は、実際様々に行なわれている。このような実験が、人類のための供犠と呼べるものとして行なわれるなら、また話は別である。

 しかし、好奇心から行なわれるなら、人間の魂の道徳的構造を根底から破壊する。このような誤った方向で、自らを用い、色々と実験し、今日でも、その著作のなかに見られる事実を数多く発見した人物は、ファン・ヘルモント(Van Helmondt)だった。

 パラケルスス(Paracelsus)においては、むしろ、次のような感情を抱かせる態度だった、

「彼の認識は、霊能力の形をとって、内部(精神)から立ち昇り、その認識を地上を超えた世界(あの世)から、この世に携えてきた」 、と。

 他方、ヘルモントの場合は、常に、自身に薬剤を供給し、(自らの身体を使って実験し、)独特の見解を得ていた。彼の叙述方法から、その事実を見て取れ、彼自身、個々の箇所で、この事実を暗示しているので、非常に明白である。

 もっとも手近に獲得できる能力は、鉄の作用の放射に対する敏感さ、つまり上部人間から、放射作用が発せられ、四肢全てに分岐していく事実を証とする、この奇妙な鉄作用に対する内(精神)的な敏感さである。

 この鉄の作用から、すなわち、鉄の機能、鉄の力を用いて、自らの内(精神)部制御を直観できる。

 しかし、この鉄作用の放射を、図に示すなら、同時に、鉄作用としては、人間の生体組織を超えて作用を及ぼす能力はない、ということに言及しなければならない。この鉄放射は、人間の生体組織のなかに局所化され、生体組織の内部に留まっている感じを受ける。この鉄の放射力が堰き止められる切欠を与えるような、対抗作用が至る処に見られる(下図参照)。

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「この対抗作用は、鉄が陽に人体の周辺部に向かって放射するのに対し、球面波を描くように、陰に反射され、返ってくるようにみえる」 、と。

 この事実は、放射と、抑制、つまり鉄の放射が壁に突き当たり、通り抜けられず、特に体の表面を超えて、出ていけない事実の、両方の知覚に相当する。この抑制の反射が、他ならぬ蛋白質の力である。

 従って、鉄を通じて、生体組織のなかに、ある機能関連が導入されると、この鉄作用に対して、以前述べた、四つの器官組織から発する全て(蛋白質)が、反作用を行うことに、徐々に気づくだろう。

 鉄と蛋白質の力である4つの器官組織は、互いに抑制し合う。生体組織では、このような闘いが絶えず存在している。これが、内的な直観によって、いわば真っ先に知覚されることである。



鉄の作用:蛋白質の作用(4つの器官組織作用)





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Last updated  2009年03月09日 19時44分38秒
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