シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2009年11月09日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回の薔薇に対する、人間の思考の存在という事実は、他の生活の領域にも当てはまる。例えば、以下の情景を想像する。

 芸術家ミケランジェロの創造行為をみると、実際、彼はほとんどモデルを使って製作したことはなかったが、もし、彼が一群のモデルを配置し、芸術作品を創作すると、この芸術作品は、彼のなかで、新しいイメージとして生じ、新しい創造行為の表出となる。

 ミケランジェロの新しい創造行為(ミケランジェロの存在、一群のモデルの存在)

 この場合、以前の進化や退化の関係(つまり時間の進行)とは無関係で、受容できる存在と譲与できる存在との交流から生まれた新しい存在である。このような新しい創造は、常に存在と存在との交流を通して生まれ、このような新しい創造はいわば始まりである。

 新しい創造行為(受容できる存在、譲与できる存在)  

 思考がいかに創造的で、魂を高貴にさせ、後には肉体の形成にも働きかけることを思い起こせば、ある存在が一度考えたもの、つまり思考創造や、概念創造は働き続け、生き生きとした作用を及ぼし続ける。それは新たな創造であると同時に始まりでもあり、しかも結果を導く。

 今日良い考えを抱いたなら、この考えは遥か未来に、豊かな実りをもたらし、その魂は霊界で、独自の道を歩む。肉体は再び元素に帰り崩壊し、思考を生み出した存在が崩壊しても、思考の作用は残り、思考は働き続ける。

 例えば、ミケランジェロの例を再考すると、彼の栄光に満ちた絵画は何百万もの人々を高揚させ、影響を及ぼしてきた。しかし、これらの絵画もいつかは灰塵に帰し、もはや彼の創作物を一度も見たことがない世代も出てくるだろうが、同時に、ミケランジェロの絵画が外(物質)的な形態を取る前に、彼の魂のなかに生きていたイメージや、彼の魂の中にあった新しい創造活動の源泉は生き続け、存続し、将来の進化段階に新しい形態をもって現れる。



 ここに、第三の存在を得る。顕現(啓示)においては、事物は進化と退化の間を交替しているが、その背後に第三の存在というべき、深く隠された創造活動、つまり思考から誕生した新しい創造がある。新しい創造物としての理念が生まれ、事物は、いわば無から生じ、無から生じた完全に新しい創造が、第三の存在のなかに深く秘されている。

 このように三つの異なる存在が互いに関係し、無からの創造が行われ、それは人間が、理念を抱くときに、必ず生じる。そして、この無からの創造の顕現(啓示)が生じ、時間の流れの中で経過していくとき、顕現(啓示)における形態は、つまり進化や退化という形をとる。

 宗教のなかには、「宇宙は無から創造された」と説くものがあるが、それは以上のような意味であることが秘教学から明らかになる。今日、この真実が嘲笑されるのは、嘲笑する人間が、古い文献の真の意味を理解できないからである。現象の世界での顕現(啓示)において、全ての事象は進化と退化の間を交替している。

 その根底には、自らを、その顕現(啓示)の二者(進化と退化)に結びつけ、三元性を形成する無からの創造が秘され隠されている。

 つまり、 三元性(三位一体)が、神聖なる存在と顕現(啓示)との統合なのである。

 (三位一体の創造行為とは、ここでいう無からの創造、つまり、一という神の存在の思考からはじまり、時間の経過を得ると、二元性の啓示から生まれるというわけである。1+2=3になる。巷では、一神論とか、多神論とか、どうでもいい話が熱く議論されることがあるが、秘教学からいえば、どちらも瑣末な議論で、枝葉末節論にすぎない。

 つまり、そのような枝葉末節論は、自らの信仰する存在だけが、正しいと主張するような利己主義が表面化しているだけで、神の名を語るような偶像崇拝にすぎない。)

 このように、3という数字の意味がわかれば、ただ、論理的に理屈をこね回すのではなく、至るところで遭遇する二元性の背後に、三元性を探す必要があることがわかるだろう。2の背後に3を求める時、ピタゴラス的な意味における正しい方法で、数字の象徴が考察できる。全ての二元性の背後に、隠された第三の存在を見つけることができる。

 (例えば、電気のプラスとマイナスの背後には、電磁力という存在があるが、物理学では、仮想粒子を想定し、光子などの素粒子の存在を仮定し、超対称性という数学的法則の存在性にまで言及しているが、秘教学では、その数学的法則が、神の思考から生まれ、神の思考が、堕天使悪魔の領域に囚われ、光が闇に捉えられることで、電磁力が生じるという見解をとる。だから、秘教学では、物質世界は、悪魔の世界でもある。

 余談だが、勝海舟は、この世には、悪い奴が多いので、やや性悪説だといっているが、秘教学でも、物質世界は、悪魔の世界なので、その洞察力は鋭いといえる。仏教でも、現世を泥と説く。この泥のなかで、綺麗な蓮の花を咲かせるのが、人生の目的で、修行なのであろう。)

3=神聖の数、二元性の背後にある神聖な第3の存在を見つけ、3と1で三位一体の構造を表す。三位一体は3と1であり、神の数字である。





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Last updated  2009年11月09日 16時58分14秒
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