シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年05月11日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 ノームやウンディーネと同様に、良い種類のシルフや火の精霊は、人間から距離をおき、以前、示唆した形で、植物の成長に関わるが、(人間や動物に関わろうとする)悪い種類も存在する。

 悪い種類のシルフや火の精霊は特に、上の空気-熱の領域にのみ存在すべきものを、下の水的、土的領域へと運ぶ。

 さて、例えば、シルフが、上に向かい、上に存在すべきものを、上の領域から下の水や土的要素の領域へと運び下ろすときに生じるのを研究するなら、ベラドンナ(1)をみればよい。ベラドンナの花は、(悪い)シルフにキスされたために、本来良い液となるものが、毒に変化してしまった。

1)ベラドンナ
和名セイヨウハシリドコロ。ナス科の多年草。葉は卵型、葉の付け根に暗褐色の花をつけ、黒色の液果をつける。全体にアトロピンなどのアルカロイドを含み猛毒。瞳孔を拡大させる作用があるため、ルネサンス時代のイタリアで、瞳を大きく見せる美用法として用いられたことがあり、ベラドンナという名前はこの意味(Belladonna 美しい婦人)に由来する。非常に希釈して(最低でも原液の千万分の一の希釈)ホメオパシー療法でも用いられる。ベラドンナの特性と人間への作用については、『精神科学と医学』(GA312)第19講での説明も興味深い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%8A

 このベラドンナの場合、領域(階層)の不一致と呼べる間違いが生じている。

 シルフは、以前描写したように、絡むような光の力を発達させるが、人間には文字通り光により触れられように感じるが、これは、上にある鳥の世界が必要とするからだが、もし、シルフが下へ降り、植物界に関して、上部に適用すべきことを下部に用いると、植物のなかに強い毒が生じる。

 寄生生物的な存在は、ノームとウンディーネにより生じ、シルフは毒を生じさせる。本質的に、毒とは、過度に深く大地へと流れ込んだ天である。

 人間、もしくは、ある種の動物が、ベラドンナ(いま描写したことは、ベラドンナの形のなかに見て取れる。ベラドンナは、一見、サクランボのようにも見えるが、毒が萼の中に隠れ、下部へと押しこめられている。)を食べると、死んでしまう。

 ところが、ツグミやクロウタドリのような鳥は、ベラドンナの枝に止まり、この世界での最良の食料としている。ベラドンナのなかの毒は、ツグミやクロウタドリの領域の一部である(2)。

2)この点は、『精神科学と医学』(GA312)第15講(この講義、つまり人智学的医術その96)で、オニグモを食べたツグミがその毒の作用を消すために、ヒヨス(ベラドンナと同じくナス科の毒草)を食べる、と述べられている事実とも関連する。
http://plaza.rakuten.co.jp/5dolphin/diary/200904140000/

 この毒に、ツグミやクロウタドリに代表される鳥たちたちが耐えられるのが、いかにも奇妙な現象にみえる。



 鳥たちよりも、大地に強く結びついている生物たちにとっては、毒となるものが、鳥たちにとっては、食物となる。

 このように、ノームやウンディーネにより、寄生生物が、地から天へと、他の存在めがけて上昇する一方で、逆に、毒が上から滴り落ちてくる様子に関して1つの知見が得られる。

 シルフに対して、蝶の領域に属する火の精霊たちが、蝶の進化のために非常に役に立つ衝動で自らを貫き、植物の果実のなかへと下降させるなら、例えば、アーモンド類の植物のなかに有毒なものが生じる。

 この毒は、火の精霊の働きにより、アーモンドの実のなかへと下ろされる。(悪い)火の精霊により、食している果実が、悪しき形で、燃やされなかったら、そもそもアーモンドの実も生じることができない。

 ともかく、アーモンドを構造的にみると、他の果実の場合、中心に白い核があり、その周囲に果肉があるが、アーモンドの場合、中心に核があり、周囲の果実はいわば周囲の果肉は焼き尽くされている。これが火の精霊の働きである。

 そして、この火の精霊の働きが節度を失い、働きが、単に褐色のアーモンドの外皮に入り込むだけなら、まだ良いが、外皮にとどまらず、僅かでも、アーモンドの白い核の内部まで入り込むなら、アーモンドは有毒になる。

 このように、この世の境界のすぐ向こうの世界で、隣人として存在する精霊たちが、その衝動を実行す
るとき、寄生生物や毒の担い手となり、更には病気の担い手となることに関するイメージが得られる。

 このように、病気のなかで、人間を捉えることから、人間が健康な存在として、どこまで発達(進化)していけるのかが明らかになる。

 というのも、これは創造や構築全て、いわゆる自然の成長や発生、更にまた自然の破壊をも可能にするために、この世の向こう側に存在すべき、火の精霊のうちの、悪い種類の存在の進化と関係があるからである。

 結局、この関係は、遺伝的継承による霊視から発したインドのインテュイション(神通力、神人一体)による、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァに関する精霊の存在の根底にある。



 古代インドの高度文化時代には次のようなことが言われていた。

「ブラフマーは火の精霊やシルフの全性質と密接に関係がある、ヴィシュヌは、シルフ-ウンディーネの全性質と関係がある。シヴァは、ノーム-ウンディーネの全性質と関係がある。」

 総じて、これら古代イメージを遡っていくと、今日、自然の根底にある秘密として再探求すべき存在が、至るところで、具象的に表現されている事実が見い出せる。

 さて以上のように、以前、この不可視の精霊と植物界との親和性を観察したが、いま、この不可視の精霊と動物の世界との親和性を付け加えた。

 つまり、この世とあの世の境界のこちら側(この世)の存在たちは、至る場所で境界の向こう側(あの世)の存在たちに干渉し、境界の向こう側(あの世)の存在たちは、境界のこちら側(この世)の存在たちに干渉する等々である。



 人間にとって、超感覚的世界の認識は真に不可欠で、というのも、死の門を通過する瞬間、人間の周囲には、もはや(この世の)感覚世界はなく、このとき別の世界が人間の世界となり始めるからである。

 現在の進化においては、人間はこの別の世界(あの世)へと(生きながら)赴くことはできない。従って、この向こう側の別の世界(あの世)を指し示す文字を、いわば物質的な顕現から認識しなかったなら、また、地の動物、水の動物、空気の動物、そして光の動物というべき蝶のなかに、死と新たな誕生との間の同居人である精霊(4大元素霊)たちが示すものを読みとる術を学ばなければ、別世界(あの世)を知ることもない。

 しかし、これらの精霊の存在に関して見つける知見は、この誕生と死の間の人生においては、唯一、どこでも、粗雑かつ濃密な部分的断片というべきものである。超感覚的な存在に属するものは、洞察力や理解力(霊視)をもって、この超感覚的世界へと赴くとき、はじめて認識できる。





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Last updated  2010年05月13日 16時55分05秒
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