シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年06月29日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 人間が、真実を探求する問題に取り組むなら、人生を通して、つまり思考だけではなく、意志を通して、人間として直接関われる世界へ十分に参加しないといけない。

 世界中の人間が、「外の物質世界は、見たり聞いたりできるが、人間は物質世界になることはできない、人間とは、物質になれない存在だ」と、自分に言い聞かせることができるのは、十全なる意識や明確な理解からでなく、ただ深い感情からである。

 この深い感情は魂の奥底から来る。

 「人間は、外の物質世界を、五感で感じるけれども、外の物質世界とは、人間がなることができない世界だ」という言葉が示唆する意味を熟考すべきである。

 例えば、植物を観察すると、春に、最初に緑の芽が出て、夏には花が咲き、秋に向かって熟し、実を結ぶ。植物が生長し、衰え、枯れるのを、つまり、植物の一生が1年の間に繰り返されるのがわかる。また、多くの植物が、幹を構成するために、一定の物質を土壌から吸収するのがわかる。

 例えば、昨日の夕方、道端に多くの非常に古い植物を見たが、その植物の一生は、1年に限られず、長い期間に拡張することで、茎の上に新しい成長点を産み出せるように、硬化する物質を多量に吸収したことがわかる。

 このように、植物がいかに生長し、衰え、枯れるかを観察するのは人間である。

 また、例えば、動物を観察すると、その儚さに気づく。その儚さは鉱物界も同じである。

 例えば、雄大な山脈の中に、鉱物が堆積するのが観察できる。そして、身につけた科学的知識により、鉱物もまた、動物と同じように儚い存在であることに気づく。



 従って、人間が最終的に拠り所とするのは、例えば、プトレマイオスやコペルニクスの体系や概念、あるいは古代の秘儀や、最近の秘儀から借用した何らかの概念である。

 そして人間は次のように結論づける。

「驚異の星々全て、驚くべき複雑な軌道上から光を投げかける太陽や月全てが儚い存在である。」

 その儚さとは別に、自然界はまた、他の属性ももっている。もし、人間が、自身を知る存在なら、儚い存在全て、つまり植物、鉱物、太陽、月、星々と人間とが同様に(儚いものとして)構成されている、とは仮定できない。

 従って、人間は次のような結論に至る。

「人間は、周囲に観察する儚い存在とも異なる性質をもっている。人間は、自身の存在を理解しなければならない。何故なら、周囲に観察する儚い存在の中に、人間という存在を、見つけることができないからである。」

 (古代人は、周囲を幻とし、自分、つまり人間は、周囲の幻とは異質のもので、何か永遠性を含む存在と考え、その永遠性を、自分、つまり人間のなかに求めた。だから、「汝自身を知れ」という格言が生まれた。)

 古代人は、古代の秘儀の中で、自身の存在の真実を見つけたい、という衝動を感じる一方で、空間や時間の一時の現象は、大いなる幻想の表現であると感じていた。だからこそ、人間のなかの内なる存在の理解に到達しようと、感覚からくる知覚を超えて見出し得る存在に眼差しを向けた。

 そして、古代人は秘儀の中で、精神世界を経験した。精神世界への正しい道をいかに見出すかが、この連続講義の主題でもある。



 しかし、もし、一般的に、現象世界の探求が幻覚に満ちているとすれば、現象世界の探求方法を精神世界にも適用すれば、幻覚の可能性は減少するどころか増加するだろう。そして、実際、幻覚が増加する結果、その分余計に幻覚の犠牲になる。  

 また、もし、幻覚から生じる、不明瞭な期待や、漠然とした熱狂、或いは魂の暗い片隅から湧き上がる説明のつかない予感や精神に関する夢のような幻想を心に抱くなら、精神世界は、永遠に未知なものとなる。

 それでは、憶測の世界にとどまり、信仰に与ることはあっても、本当の知識を持つことはない。もし、単純に、現象世界の探求方法を、精神世界の探究に採用することで満足するならば、精神性をよく知るのではなく、益々、精神がわからなくなる。このように人間は二重に彷徨う羽目になる。

 結局、現象世界が幻想であることに気づいても、もし一般の精神主義者が、ときに行うように、精神世界に対して、現象世界に対する探求方法と同じ方法でアプローチすれば、益々大きな幻想に陥る。

 また、現象世界に対する探求法とは別の他の方法でアプローチする場合、明白で明瞭な過程に沿ってではなく、勝手な思いこみや漠然とした熱狂によって精神世界を探求すれば、当然のことながら精神世界は閉じられたままの本となる。



精神世界への探求の二つの偽りの方法
1.物質世界と同様な探求方法を用いること
2.勝手な思い込みや漠然とした熱狂による(主観的な)探求方法を用いること 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010年07月08日 09時27分54秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: