シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年11月01日
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カテゴリ: 神秘体験空間

精神(霊)的探求とその理解との関係


 これまでの講義の中で触れた事実よりも、更に多くの事実をつけ加えることも勿論可能だが、今回は、テーマ全体の総括から、結論を導くように努力する。

 講義全体を通じて、人智学徒が採用したアプローチが投げかける重要な問題とは、人智学、もしくは人智学の類として提示されるような精神(霊)的探求に対する態度とはいかなるものか? ということである。

 今日、別世界(高次元世界)に関する人智学的記述を感じ取り、完全に自分でその検証を可能にするような精神(霊)的訓練や実践に直ちに取り組むことができる人はほとんど皆無である。

 では、人智学の教義を理解する、という点に関して、どのような立場があるか?

 この問題は、人智学を学ばなければならない、という衝動、もしくは、憧れさえ感じるような人々の心のすぐ近くに横たわるが、いつも間違った知識から眺められ、この連続講義の中で擁護してきたような正しい手続きを把握していない為に、誤解される可能性が高い問題となっている。

 そのような人々は、次のように問うだろう。

 「自分で、精神世界に参入できないなら、精神世界に関する記述は一体何の役に立つのか?」

 そこで、第11講は、包括的解釈の中で、この問題に触れてみたい。



 今日、人間は、実際には別世界に属し、人間の経験は別世界から導き出される、ということに注目するなら、上記の区別が、明らかになる。今日のように構成された人間にあっては、一連の知識と日常的意識は、毎日の経験を通過する中で獲得される。

 日常的な覚醒意識は、人智学徒の探求の出発点だが、この覚醒意識は、人間が起きて生活をしている間の、ある限られた分野に関する、つまり、感覚からの知覚をもってアプローチでき、かつ人間の進化プロセスのなかで発達させてきた知性という手段により把握し、説明できるような世界の側面について、ある見通しを与えることができるだけである。

 人間は、既に指摘したような漠然として明瞭でない形の理解力によって、夢の中、つまり現象(物質)世界の背後に隠された世界の中に参入する。そして夢を通過し、魂的な生活の中で、死と転生の間に通過する世界との接触を持つが、それは夢をみない睡眠状態のなかであり、そこでは、精神(魂)的な闇に取り囲まれ、通常は思い出すことができない(睡眠)生活を送っている。

 人間は3つの意識状態(覚醒、夢を見る睡眠、夢を見ない深い睡眠)を知っている。しかし、この3重の意識によりアプローチできる世界の中だけで生きるのではない。

 というのも、人間は、様々な王国に、多くの邸宅を持つ存在だからである。人間の肉体は、エーテル体が住む世界とは異なる世界に住み、エーテル体はまたアストラル体とは異なる世界に、そして、その両方が自我とは異なる世界に住んでいる。

 (人間は4つの王国に住んでいる。肉体-三次元、エーテル体-四次元、アストラル体-五次元、自我-六次元というわけである。更に、人間が進化すると、霊我-七次元、生命霊-八次元、霊人間-九次元の王国に住むことになる、といわれている。)

 この3重の意識、すなわち、明瞭な覚醒意識、夢の意識、睡眠意識(無意識と呼びたいだろうが、減退した覚醒意識としてしか記述できない)は、今日見られるような自我に属している。そして、この自我は人間内部を見るときにも3つの意識状態をもっている。

 3重の意識が外を見るときには、覚醒(昼の)意識、夢の意識、睡眠意識となるが、内を見るときには、第1に、明白で知的な意識がある。第2に、感覚意識、すなわち感覚生活があるが、これは通常、想像されているよりも遥かに不透明で夢のようである。そして、最後に第3として、漠然とした黄昏のような意志の意識があり、これは深い睡眠状態に似ている。

 通常の覚醒意識により、睡眠の起源を説明できない以上、上記の意志の起源を説明できない。人間が意志の行為を遂行するときには、明確で明瞭な思考が伴っている。更に、この思考には不確かな感情が被せられている。

 感情に浸透された思考は四肢へと下降して行くが、その過程を通常の覚醒意識では経験できない。第10講、第9講で述べた種類の探求に対して、意志が提示するイメージとは次のようなものである。

「頭の中で思考が何かを意志し、その何かが感情を通して身体全体に移されることで、身体全体で意志を表明する間、微妙で繊細かつ親密な燃焼過程に近い何かが(連動して)生じる、というようなイメージである。」



 人間は、秘儀に参入する意識を発達させるとき、熱の影響に曝される意志の生活を経験できるようになるが、それは通常の覚醒意識には隠れたままにとどまる。上記のイメージは、意識下に横たわるものが秘儀参入の意識レベルにまでいかに上昇させられるか、を示す1つの例である。





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Last updated  2010年11月12日 09時07分03秒
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