シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年11月24日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 古代人の若い種族、若い民族は、あまりにも強い生命力に悩まされていた。古代の若い種族は、絶えず次のような感情を持っていた。

「私は始終、自分の血を、肉体という壁に向かって押し続けている。私は血を、押し止めることができない。私の意識は思慮深くなろうとせず、若さ故に、人間性全てを発達できない。」

 勿論、当時の普通の人々は、上記のようなことは言わなかったが、当時の歴史的経過全体を導き、方向づけていた秘儀参入者たちは、上記のように語った。若い民族は、自らのうちに、あまりに多い若さを、あまりに多い生命力をもち、思慮深さを与えるものは、ほとんど持たなかった。

 それから、古代の若い民族は遠征して、古い民族が住む地域を侵略した。古い民族は既に退廃的状態に達していたため、既に何らかの形で死の力を自らのうちに受容していたが、若い民族が遠征することで、古い民族を支配した。

 (日本の戦国時代に通じるものがある。)

 侵略した民族と、奴隷にされた民族との間に、血縁関係が生じる必要はなかった。侵略した民族と、奴隷にされた民族との間で、無意識的に演じられたものは、魂の内部に若返らせる作用を起こし、思慮深さへと向かわせる作用を与えた。

 奴隷を所有し、その土地に城を築いた侵略者も、自分の意識への影響を必要としていた。侵略者は、奴隷たちに意識を向ければよく、すると、若い侵略者の、生命力旺盛な故の、魂のなかの気絶(死)への憧れのなかに、癒しの作用とでもいうべき意識が生まれ、思慮深さが生じてきた。

 今日、現代人が個人として達成すべき意識の課題が、当時は、他民族との関係のなかで達成された。歴史上、颯爽と登場するが、完全な思慮深さには到底到達できない若い民族は、死の力を、より多く受容していた古い民族を、自分たちの周囲に必要とした。

 若い民族は、他の民族を征服することで、自分たちに必要とされる人間性へとよじ登っていった。上述のように、現代人からみれば、おぞましき、野蛮に思える古代の東洋の戦いは、人類進化全般の衝動に他ならなかった。



 けれども、秘儀参入者は、既に、今日の人間が見るような世界を霊視していた。ただ、その霊視に結びついていた意識は、現代とは異なる魂の状態、異なる心情だった。今日の現代人が知覚する際の、明瞭な輪郭をもつ外(物質)的な事物の体験を、秘儀参入者は、明瞭な輪郭で体験する代わりに、神々から直接きた知覚を意識として体験した。

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 例えば、雷が起こった情景を思い浮かべてみる。さて、今日の現代人なら、視覚で捉えた稲妻のように雷を見る(上図の右上参照)。古代人は、現代人とは違った。古代人は、霊的存在たちの活動の様子(黄)がみえ、現代人が見るような明瞭な稲妻の輪郭はみえなかった。

 (日本人の雷様と呼ぶ感覚を彷彿とさせる。)

 古代人にとって、雷は、宇宙空間上、もしくは、そのなかを前進する霊たちの行軍、もしくは行進にみえた。稲妻は見えなかった。古代人が見たのは、宇宙空間を漂っていく霊たちの隊列だった。

 秘儀参入者も、他の一般の人々と同様に、雷の霊的な行軍を見たが、秘儀参入のなかで開発された霊視により、隊列の像が次第に不明瞭になり、消滅していく一方で、現代人のみる稲妻の姿が出現してみえた。

 今日普通に現代人の誰もが見るような自然は、古代では、秘儀参入により獲得する必要があった。けれども、古代の秘儀参入者は、知覚をどのように感じていたか?といえば、現代人が、認識や真理を感じるときのような無頓着さで(無味乾燥に)感じることはなかった。

 現代人が通常もつ認識や感覚は、当時の秘儀参入者には、道徳的な衝撃と共に感じ取った。秘儀の入門者たちに生じた事実を霊視するなら、上記のようであり、後の時代では自然に誰もが到達できる自然観に、当時の秘儀参入者は、意識的な努力よって到達し導出した。

 厳しい内的試練と訓練を通過した僅かな者だけが、この自然観へと導かれた。けれども、同時に、通常の意識の古代人がもつような、大気中を行進してゆく元素霊たちの隊列を見ている、という感情も、至極自然に持っていた。

 しかし、通常の意識の古代人は、霊的存在をそのままみることで、自由意志が欠けていた。古代人は神的-霊的世界にすっかり身を委ねていた。というのも、この覚醒しながら夢を見ている状態では、古代人の意志は自由とはいえず、なかば神的な意志が(虚弱な夢の霊視を通じて)古代人のなかに流れ込んでいたからである。

 (現代人にとって、白昼夢や催眠状態、いわゆるトランス状態が危険なのは、自由意志を他の何者かに委ねてしまうからである。

 かつて、古代人は精霊に委ねていたが、精霊は、上位の天使たちとつながっていたからよかったが、「天界での天使たちの戦い」から、変わってきた。「天界の天使たちの戦い」は、宇宙の悪の誕生の歴史だが、現代の映画スターウォーズを髣髴とさせる。



 そして、このイマジネーション(霊視)から、衝撃(稲妻)を観た秘儀参入者は、次のように感じた。秘儀参入者は導師を通じて、次のように語ることを学んだ。

「宇宙においては、私は、神々無しでも、行動を許される人間でなくてはならない。神々は、人間のために、宇宙の内容を不確定ななかへと投げ出すが、そのようななかでも、自らの意志により確固とした行動ができる人間でなくてはならない。」

 イニシエーション(秘儀参入)を受けた秘儀参入者たちにとって、明瞭な輪郭をもつ事物のなかに観た意識はいわば、神々によって投げ出された宇宙の内容だった。秘儀参入者は神々から独立するために、その意識へとアプローチしていった。

 何らかの調停(救済)がなされなかったら、秘儀参入者には耐えられない状況だったことがわかる。結局、調停(救済)がなされ、秘儀参入者は、神や霊に見捨てられたアジアの体験を学ぶ一方で、他方では、第2ヒエラルキア(位階)にまで達する意識よりも、更に深い意識状態を知るようになった。

 秘儀参入者は、神のいない世界に、セラフィム、ケルビム、トローネという第1ヒエラルキア(位階)の世界を知るようになった。





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Last updated  2010年12月04日 13時24分13秒
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