シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年12月14日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、前回述べた事実は、キリスト教が発展する紀元後1世紀までの、ヒベルニアの秘儀の入門者(弟子)が、太陽、及び月の体験に導かれ、当時、宇宙的体験として、壮大に経験されていた体験の短いスケッチにすぎない。

 小アジアのエフェソス(エペソ)の地での秘儀の入門者(弟子)たちが獲得した体験は、これとは全く違った。

 このエフェソスの秘儀での体験は、後にヨハネの福音書の冒頭の言葉の 「太初(はじめ)に言(ことば)あり、言(ことば)は神とともにあり、言(ことば)は神なりき。」 を模範とする表現に見つけられるが、その表現が特に集中的に、全身全霊をもって体験された。

 エフェソスでは、ヒベルニアの弟子のように2体の立像の前に連れて行かれるのではなく、エフェソスの有名なアルテミス像の前に連れて行かれた。そして、至る所全てが生命に満ち溢れている、この像と同一化することで、弟子は、宇宙のエーテル(生命的存在)に深く親しんだ。

 内なる体験と感情全てをもって、弟子は、単なる地上の(物質的)生活から、宇宙のエーテル的な体験へと浄化させられた。そして、弟子には以下のことが明らかになった。

 弟子に第一に伝えられたのは、 「人間の言(ことば)とは何か?」 という事実だった。人間の言葉、つまり人間を形作る霊性の本質が明らかにされた。

 人間を形成する霊性の本質であるロゴス(言語)を手懸かりに、いわゆる自然や世界を形作る霊性(文法)を構成するロゴス(言語)、いわゆる宇宙的なロゴス(言語)である宇宙語(宇宙言語)が、創造的に宇宙(コスモス)を貫いて、どのように活動的に躍動しているかが、明らかにされた。



 この講義では、エフェソスの秘儀についても、概略を述べるだけだが、それは次のような経過だった。

 弟子は特に、話すときの呼吸の吐く呼気(息)に、言葉を刻む(含める)際の体験に注目させられた。例えば、弟子は、次のような体験へと導かれた。

 呼気に言葉を刻む(含める)とき、自身の内なる行為を通じて、生命として移行するロゴス(言語)は、空気(気体)のエレメント(元素霊)のなかで生起し、しかも、この発話プロセスに、2つの別のエレメント(元素霊)が結びつく事実を体験するように導かれた。

 では、イメージしてみる。呼気(下図右側の中央部の「赤」を伴う「明るい青」の「空気」参照)に、言葉(赤)が刻印される(含まれる)。言葉として形成された呼気が、(言葉を発した人間の)胸から外へと流出すると、生体組織内の、水のような液体のエレメント(元素霊)のなかへ、リズミカルな振動として浸透し、下降していく(下図右側の下部の「明色」と「水」)。

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 人間は話す際、喉頭の上部に、空気のリズム(振動)を起こす発声器官(声帯)を持っている。

喉頭
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%89%E9%A0%AD

声帯
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%B0%E5%B8%AF

 言葉を発する行為と並行して、人間の内部では、言葉の振動が液体的身体に浸透し、共鳴する。発声領域の下にある液体が振動しはじめ、内部で共振する。そして、発声と同時に、本質的に感情を伴う。

 もし、生体内の水状のエレメント(元素霊)が共振しなければ、分離した状態で、いわば無造作に言葉が外へと出ていき、(自分が発した)言葉に何の共感ももたないだろう。



 そのため、人間が話すとき、三重のエレメント(元素霊)と関わる。つまり空気(気体)、熱(エネルギー)、水、或いは液体のエレメント(元素霊)である。

 (言葉を発することで、空気、つまり気体の運動と、水、つまり液体の運動と、そして、熱の運動と関わる。古代では、気体の運動を、空気「風」の精霊、液体の運動のことを、水の精霊、熱の運動のことを、火の精霊として表現していたと思えば、わかりやすい。

 つまり、古代人がいう、火の精霊と、風の精霊と、水の精霊は、言葉により生じるわけである。)

 人間が言葉を発する際のプロセス、つまり、発声のプロセスに関する霊的存在の活動の全体像が、エフェソスの秘儀参入者の場合、最初の段階で教えられた。

 次いで弟子に明らかになったことは、 人間の発声プロセスは、過去の太古のある時期に、宇宙が地球に働きかけた出来事が人間化されたものである

 ただ、宇宙が、地球に働きかけたときは、地球のうねりの(発声)活動は、空気のエレメント(元素霊)ではなく、水、つまり液体のエレメント(元素霊、上図の左側の「青」)で、第3講で、述べた揮発-流動性卵白である液体のエレメント(元素霊)だった。

 人間が話すとき、呼気の形で、声帯の周囲に、小規模の空気が存在するのと同じように、かつて、地球の周囲に大気として揮発性-液体の卵白があった。

 発話(発声)後、呼気の空気が、上方に熱エレメント(元素霊)として移行していくように、地球の卵白は、上方へと、一種の空気エレメント(元素霊)に移行し(上図左側の、「明るい青」)、また下方では、一種の土(固体)のエレメント(元素霊)に移行していった(上図左側の「明色」)。

 その結果、人間の発話(発声)の場合、生体のなかで、液体のエレメント(元素霊)を通じて、感情が生まれるのと同じように、太古の地球では、地球を形成する様々な力や、地球の全作用が生じた。そしてまた、太古の地球の上方の空気のエレメント(元素霊)には、地球のなかで創造しながら働きかける、宇宙的な思考活動が生まれた。

 かつてマクロコスモス(大宇宙)のプロセスであった出来事が、ミクロコスモス(小宇宙=人間)化した余韻として、人間が発する言葉のなかに生きている事実に、弟子が気づかされたとき、エフェソスの地で獲得された秘儀は、荘厳で、圧倒的なイメージに映った。

 エフェソスの秘儀参入者は、発話(発声)という体験のなかに、宇宙語(宇宙言語)の作用を霊視として感じた。太古の地球においては、揮発性-液体のエレメント(元素霊)を動かし、上方では創造する宇宙思考に、下方では地球の様々な力の発生源となっていた宇宙言語(宇宙語)の作用を感じた。

 このように弟子は、「発話(発声)」の正しい理解を学び、宇宙的な作用に精通するようになった。つまり、次のような事実を学んだ。

「人間のなかに、人間ロゴス(言語)がある。人間ロゴス(言語)は、人間が、地球紀を過ごす間、人間から作用する、人間のお前は、人間ロゴス(言語)なのである。」

 というのも、実際、液体エレメント(元素霊)のなかで、下方へと流出する宇宙言語(元素霊、宇宙語)を通じて、人間は、宇宙言語(宇宙語)から形成されるからである。また、上方へと流出する宇宙言語(宇宙語)を通じて、地球紀の間、人間としての思考を人間は持つ。

「お前のなかで、最も人間的な存在が、ミクロコスモス(小宇宙)的なロゴスであるように、原初にロゴス(宇宙言語)があり、ロゴスは神とともにあり、ロゴスが神であった。」

 このような事実がエフェソスでは、秘儀参入者を通じ、秘儀参入者でもある人間自身において、徹底的に理解された。





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Last updated  2010年12月17日 16時51分59秒
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