シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年02月01日
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カテゴリ: 神秘体験空間
第8講



 丁度いまから1年前、人智学徒の建物のなかで、行った講義(1)は、いまでも人智学徒の記憶にもあると思うが、地上の自然における様々な関係からはじめ、霊界や霊界を歩む星々からの開示(顕現)へと到達する流れを解説した。

(1)講義:1923年12月31日ドルナハでの講義。『人間と星界の関係 人類の霊的な聖体拝領』(12回の連続講義、1922 GA219)所収。

 その際、人間の心や魂を、本性に従い、また人間の精神(霊)を、地上的存在からはじまり、星々の広がる世界だけでなく、星々の世界を通じて、霊的な存在を、宇宙の進化として映し出している存在にまで参入するときに見いだされる存在に関係づける必要があった。

 そして、その講義の直後、火災により、人智学徒から、奪われた講義室で、私(シュタイナー)が黒板に描き出した最後の図は、人間の魂を、高次の霊界まで上昇させてゆくことを目的としていた。

 あの晩の火災焼失により、ゲーテアヌムの建築物が その全本質を通じて捧げられる存在に直接結びつけられた。従って、あのとき結びつけられた存在について、第8講では、ちょうど1年前に行われた講義の続きのように述べていきたい。

 エフェソスの火災以前の時代においては、秘儀が話題になるとき、幾らか秘儀について心情的に理解していた人たちの話は全て以下のようなものだった。

「人間の智慧や叡智は、秘儀のなかに居場所(安住の地)を持っている。」

 古代、世界の霊的指導者たちの間で秘儀のことが話題になるとき、つまり超感覚的世界において秘儀について話されたとき(あえて次のような超感覚的世界から下の感覚的世界をみているような比喩的な表現を用いるが)、その話はほぼ次のようなものだった。

「供犠を捧げる人間と、我々神々が出会うことのできる場所を、人間は秘儀のなかに拵える。供犠のなかで人間は我々神々を理解する。」



 外的な歴史にも受け継がれてきた、言葉がある。実際、歴史的な伝承からも、人間の心に感慨深く語りかける言葉があるが、このような言葉が特に感慨深く語りかけるのは、全く特殊な出来事から形作られ、人類の歴史のなかへと書き込まれるような、霊(精神)においては、ほんの一瞬、青銅のような、文字としてみえるときである。

 霊眼を、ヘロストラトスの行為によるエフェソスの火災に向けるとき、このような言葉を常に見ることができる。その火焔のなかに、 神々の妬み[der Neid der Goetter] という言葉を見いだすことができる。

 とはいえ、古代から受け継がれ、今描写したような古代の生活のなかに見つけだされる数々の言葉のうち、この「神々の妬み」という言葉は、この物質界では最も恐ろしい言葉の1つに思う。古代にあっては、物質体を持って、地上に現れる必要のない超感覚的存在として生きる全てが、神[Gott]という言葉で表され、極めて様々な種類の神々が、区別されていた。

 人間のなかの、内的な最奥の本性に則って、人間を生み出し、時代の推移に応じながら送り出し、人間と結びつき、外なる自然の壮麗さ、極めて細やかな現象を通じて、人間に感じ取られ、人間の内部に生きる感情を通じても感じ取れる神的-霊的存在たちが、妬み深くなることはあり得ない、のは確かである。

 けれども、古代では、「神々の妬み」という言葉から、何か非常に現実的な存在が意味されていた。人類が進化した時代を、エフェソスの頃まで追求すると、秘儀参入を通じて、善良な神々が、比較的進化した秘儀参入者に、多くを喜んで与え、秘儀参入者は、自分のものとしたことがわかる。

 というのも、次のような結論に到達すれば、的を得るからである。つまり、善良な人間の心と、善良な神々の間には、秘儀参入において、益々堅く結ばれた親密な関係があったため、人間が善良な神的存在へと益々一層近づくことが、ある種の他の存在、いわゆるルシファー的、アーリマン的な神的存在たちの魂の前に現れた。

 そして、人間に対する「神々の妬み」が生じた。精神を希求する人間が悲劇的な宿命を辿るとき、古代には、その悲劇的な宿命が「神々の妬み」と関連づけられて示されてきたが、歴史のなかでは、この事実を繰り返し、聞くことになる。

 古代ギリシア人たちは、この「神々の妬み」という事実があることを知っていた。そして、人類の進化における外的な出来事のうち少なからず、その由来を、この「神々の妬み」に求めてきた。

 そもそもエフェソスの火災と共に明らかになった事実とは、人間の更なる進化に対して、妬みを抱く神々、すなわち超感覚的存在たちがいる、という事実を意識するようになったときにだけ、人類は、ある意味霊的に、更に進化できるという事実である。

 この事実は、結局、エフェソスの火災に続き、アレクサンダーの誕生にも続く、と言うこともできる。つまり、全ての歴史に、特別な色合いを添える。






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Last updated  2011年02月01日 16時50分07秒
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