シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年04月06日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 現代にヨーガとして語りかけてくる精神的な潮流は更に異なっている。ヨーガは魂的な要素に直接向かいあう。この魂的な要素に直接向かい、直接、霊的な生活において、人間の魂を把握する手段や方法を探求する。

 上記のように、ヨーガは、宇宙のなかに位置する点から、魂的な要素を、より一層、高次の段階へと上昇させる手段や方法の探求である。前回述べたように、サーンキヤ哲学は、魂の外的な覆いの考察であり、ヨーガは、高次の段階へと魂の内的な体験を導いていく方法である。

 従って、ヨーガへの帰依は、次第に高次の魂の力を覚醒させることにあり、日常生活にはみられない魂の活動であり、高次の段階に向かうに従い、魂が明らかにする能力に習熟していく。

 従って、ヨーガは霊界への参入法や、外的な形態から魂を解放する方法や、外界とは独立した内部の魂的生活への参入方法である。サーンキヤ哲学の対極がヨーガである。

 ヴェーダ哲学にまだインスピレーション(霊聴力)を与えていた太古の時代とは異なり、恩寵のように上から到来するインスピレーション(霊聴力)がなくなった時代に、ヨーガは大きな意味を獲得した。

 ヨーガは、人類の後期に属する魂たち、つまり、もはや魂自らの顕現能力がなくなり、低次の段階から、高次の霊的な存在を目指し上昇していく必要のある魂に用いられた。

 以上のように、太古の古代インド時代において、3つの明確なニュアンスの違いを持つ精神的潮流が現れてくる。ヴェーダの流れ、サーンキヤの流れ、そしてヨーガの精神の流れである。

 今日現代人は、上記の3つの精神的(霊的)な潮流を、再び相互に結びつけるよう呼びかけられている。これら3つの潮流を、魂と宇宙の深い奥底から、正しい形で現代のために取り出してくることが必要である。

 上記の3つの潮流全てを、人智学のなかにも見つけることができる。著書『神秘学概論』のなかの第1章の、人間の構成や睡眠と覚醒、生と死に関する記述として試行した内容を熟読すれば、今日の意味でのサーンキヤ哲学と呼べる内容が獲得できる。



 そして、人間の進化が取り上げられている最後の章を熟読すれば、現代のためのヨーガが表現されている事実に気づくだろう。

 以上のようにヴェーダ哲学、サーンキヤ哲学、ヨーガとして、古代インド精神から輝きを発してくる、3つの明確なニュアンスの違いを持った精神的潮流を、現代において生命的な形に結びつけなければならない。

 従って、詩的に深遠な形で、3つの方向の合体のような精神的潮流を含むバガヴァッド・ギーターという驚くべき詩篇もまた、究めて深遠な形で、現代の琴線に触れるはずである。バガヴァッド・ギーターの深い内容に釣り合うような自身の精神的な志向を求める必要がある。

 今日の精神的潮流は、全体だけではなく、個別的にも古代の精神的潮流と相通じる部分がある。

 著書『神秘学概論』においては、事実を事象そのものから引き出してくる試みに気づいた読者もいるだろう。歴史的な資料を基に記述している箇所は、その著書のどこにもない。

 著書『神秘学概論』で語られている事実を本当に理解できれば、土星紀、太陽紀、月紀に関する、いずれの主張に関しても、歴史的な資料等の情報から語られたなどと考えることはできない。

 著書『神秘学概論』に記述された事実は、真実から引き出されたものである。しかし、奇妙にも、この著書により現代に刻印(記述)された事実が、決定的な部分において、古代から現代に響いてくる事象と共鳴し合う。

 上述した事実についてはささやかな証拠がある。ヴェーダのなかのある特定部において、宇宙の進化について読めば、例えば、次のような言葉がある。

「太初、闇は闇に覆われていた(1)。全ては分離し難い1つの流れであった。力強い排出が生まれ、全てが熱に浸透されていた。」

1)闇は闇に覆われていた:リグ・ヴェーダX-129. 有名な創世の歌。

 さて、古代の土星の構造(土星紀)に関して、事象そのものから引き出された事実とは何か?

 すなわち、熱の実質としての太古の土星の実質に関して、上記のように語られている事実を振り返ってみれば、人智学で述べている、いわば、最新の事実と、ヴェーダの土星に関する記述で語られている事実が調和し、響き合っているのが感じとれる。



「それから、最初に、意志が生じた。意志は、思考の最初の種子であった。存在と非存在との関連である。この関連を、意志は、思考のなかに見つけた。」

 更にヴェーダを考察すると、意志の霊たち(座天使)に関して、人智学では斬新的な形で記述している事実に気づく。現代において人智学が語る全てに関して、太古の事実との共鳴を求めているのではなく、自然と調和的な共鳴が生じている。

 というのも、人智学では、真理の探求がなされ、しかも真理は、人智学独自の基盤に立って探究されているからである。

 さて、バガヴァッド・ギーターにおいて、いま特徴づけを行った3つの精神的潮流の、いわば詩的な称揚が姿を現す。世界史の重要な瞬間において(古代においても重要だが)、もたらされるのは、クリシュナ自らがアルジュナに伝える偉大な教えである。

 この瞬間は重要である。それは古い血の結束が緩む瞬間だからである。バガヴァッド・ギーターに関して、この連続講義で述べる全体において、常に強調されていた事実を思い出すなら、血の結束や民族の連帯、もしくは種族の連帯が、太古の時代においては特別な意味を持っていた事実や、そして次第に、その意味が弱まっていった事実に気づくだろう。






 この血の結束が緩むことにより、バガヴァッド・ギーターのなかに、一挿話として含まれているマハーバーラタのなかに描写されるような大きな闘いが起こる。2人の兄弟の後裔、つまり、血縁者たちが、精神の方向性に関して、互いに別れていき、以前、血が与えていた統一性が解消する様を、この詩のなかに見ることができる。

 この統一性の境界において、闘いが生じる。この際、血の結束は、霊視的な認識に対しても意味を失い、闘いを境として、後の霊的な変性が生じる。古い血の結束に意味を認めない人たちにとって、クリシュナは偉大な教師として登場する。

 クリシュナは、古い血の結束から抜け出した新しい時代の教師だった。クリシュナが教師となる様子を、次の講義で特徴づけていく。けれども、以上に特徴づけしたバガヴァッド・ギーターが示す3つの精神的潮流を、クリシュナが、教えのなかにどのように取り入れていたかを、述べる。

 生命的な統一のなかで、クリシュナは精神的な潮流を弟子に伝える。弟子は、どのような立場にあったのか?

 弟子は、父を見上げる一方で、父の兄弟を他方に見上げる。従兄弟同士は、もはや親密ではなく、互いに分離していた。別の精神的潮流が、一方の家系と、他方の家系をとらえていた。このとき、弟子アルジュナのなかで、魂が大きく揺れた。

 「血の結束を通じて、保たれていた統一がなくなると、どうなるのか?」

 精神(霊)的生活がもはや以前のように、古い血の結束の影響の下に流れていくことができないなら、どうやって精神(霊)的生活のなかに魂を据えることができるのだろう?

 全てを破壊してしまうしかない、アルジュナは、そう思った。事態は変わっていかなければならないという事実、事態は変わらずにはいられないという事実が、偉大なクリシュナの教理の内容である。

 (『血はまったく特製のジュースだ』で語られる内容とは、太古の霊能力は、同族婚により保持されてきたが、やがて、その霊能力が暗くなるにつれ、この暗い意識を、人智学では月の意識と呼ぶが、新しい意識が必要となったという。

 新しい意識は、現代の昼の覚醒時の意識の萌芽で、この意識は、異族婚により生じたという。同族婚は、魂の内をみる霊的な意識を生じさせ、異族婚は、魂の外をみる現代の意識を生み出してきたという内容らしい。

 皇室が代々近親婚だったのは、霊能力の保持にあったものと思われる。天皇は代々祭祀家系で、神との対話には霊能力が必須で、神と対話を行ってきたからである。)

 (以下は、あるホームページからの抜粋である。)

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人種・民族の混血

 「歴史を遡っていくと、どの民族の場合にも正確に指摘できる決定的な意識の転換期が存在する。その転換期とは、古い伝統が生命を失い、家系の血を通して生きてきた根源的叡智が消え、民族が新しい文化的段階に入っていった時点である。どの民族も、この転換期を意識し、古い伝説の中に記している。

 転換期前の部族たちは閉鎖的に生きていた。同一の血族同士の間で結婚することが当然で、この習慣はどの人種、民族の中にも見られた。人類にとって決定的な転換とは、この原則が崩れ、別の血が別の血と混じり、同族婚が異族婚に移行した時点である。

 同族婚は家系の血を保持し、代々、部族、民族に流れてきた同じ血を個々の成員の中に伝える。異族婚による新しい血の混入は、これまでの種族の生活的原則を崩壊させる。どの民族の中にも、遅かれ早かれ、現れてくる異族婚による混血のはじまりこそ、理性もしくは外的知性の誕生を人類にもたらした。

 太古には一種の薄明るい見霊能力が存在し、そこから神話、伝説が生じ、そして、この見霊的意識は、丁度混血が現在の明るい意識を生んだように、同族の血を純粋に保つことによりはじめて可能であった。この事実は神秘学にとって計り難いくらい重要である。

 論理的思考が異族婚とともに発展したことは、今のところ奇異な主張とみなされるが、やがて科学的にも実証されるようになるだろう。その端緒は既に作られている。異族婚によって生じた混血は、それまでの見霊能力を失わせた代わりに、人類の意識を更に一段と高い発展段階へ引き上げた。

 (外国人同士の結婚では、聡明な子が生まれるという噂が現にある。特に、人種の坩堝といわれる米国社会が、20世紀の新しい文明の担い手であったことでも理解できる。また逆に日本人に、霊媒師が多いのは、同族婚が多く、特徴的なのが皇室である。日本文化が閉鎖的で特殊なのは、同族婚にあるのかもしれない。同族といっても、昔に比べれば、異族婚に近いが。)

 今日の覚醒時の日常意識は、転換期前の古い見霊意識から発展してきた。しかし今日、現代人は、この発展段階を再び引き上げ、祖先返りするのではなく、かつての見霊能力を新しい形式の中に復活させようと努めるべきである。(P86-P87) 」





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Last updated  2011年04月07日 10時16分30秒
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