シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年09月30日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 物質の本性を一般的に把握するには、現代人には比較的理解が難しい概念を構築する必要がある。

 物質について記述するなら、第1に、その顕著な性質を問わなければならない。公正に探求するなら、物質とは、空間内の広がりである事実を発見する。

 空間の占有が、感情や思考や意志に帰属するなどとは誰も考えないだろう。ある思考、例えば、偉大な人物の思考が、一般人の思考よりも、5平方ヤード(180センチメートル)ほど広い、などと発言したら、馬鹿者とみなされる。

 つまり、広さの認識、いわゆる空間内の広がりを、人間の思考に適用することなど全くできない、ということがすぐにわかる。

 物質にはもう1つ別の性質、すなわち質量がある。これについては、この連続講義の中で見ていくが、広さほど単純ではない。というのも、物質現象世界を観察するだけで直ちに、質量についてわかるわけでなく、空間的な広がりが認められるだけだからである。

 さて、この空間内の広がりが通常3つの次元、つまり、高さ、幅、深さもしくは長さにより考察できることが知られている。物体が空間中に3次元的に広がっていることは当たり前で、明白な事実である。

 従って、物質の最も明らかな性質とは3次元的な広がりである、という事実を認めなければならない。さて、空間的な性質を、思考に適用することはできない。従って、空間を満たす物質以外の何かが、宇宙に存在しなければならない、という事実が明らかになる。

 何故なら、物質的な空間の中でさえも、空間的な広がりを伴わないプロセスや状態があるという事実を、人智学徒は理解しているからである。そして、それが、思考を生む「魂の経験」である。

 さて、もし、空間中の物質の状態に接した場合と同様に、できるだけ公正に、「魂の経験」に接するなら、その存在なしでは、経験を全くもたなかったかのような、また別の性質を、魂のなかにすぐに発見できる。



 魂のなかの、感情、もしくは意志が、5ヤード(180センチメートル)の長さ、あるいは5平方ヤードの広さがある、とはいわないが、人間の思考、あるいは感情という、要するに「魂の経験」から生じる全ては時間の中で経過する、という事実を認めないわけにはいかない。

 経験するためには、ある長さの時間を必要とするばかりでなく、ある経験は早く、別の経験は遅く訪れる。

 要するに、「魂の経験」は、時間的な制約下にある。

 さて、実際問題として、時間的な性質や空間的な性質は、人間の周囲を取り巻く事象や、人間自身の内部に至っても、あらゆる領域で交錯している。外界では、物体は、空間のなかに散りばめられ、時間のなかで相前後して起こり、生起するには、一定の時間を要する。

 以上のような全てに関する超感覚的な真実へと到達する前に、次のような問いが必要となる。

 では、空間は時間とどのような関係にあるのか?

 以上の問いによって、この人智学の連続講義において、密かに、大いなる哲学の謎(比喩的にいうなら、この謎にぶつかり、無数の頭が砕け散ったが)に遭遇することになる。すなわち、いま時間と空間の関係へと到達した。

 特別な哲学的な訓練を受けずに、哲学の謎といわれる、時間と空間の関係に遭遇したわけだが、そこに至る思考過程を十分に追跡することは、容易なことではない。しかし、少しでも追跡する努力があるなら、そのような思考がいかに実り多いものか、またもし、瞑想の中で行うなら、いかに、真理の探求に対して、自身を先に進めてくれるかがわかる。

 出発点として、自身の魂の中で経験する時間を、例にとればよい。例えば、自分の魂の中での、時間の経験を自問してみる。少し明確に言えば、時計で知る得る時間について考察するわけではない。時計により、人間は、内的な経験を、外的な経過の推移と比較しているに過ぎない。

 今、考察すべき「時間」とは、時計を見る等の他の外的な出来事全てを、心の中からすっかり追い出した場合である。魂の中で、純粋に時間的な関連がどのように現れるか、だけを考察する。熟考すれば、「時間」とは、次のようなものとして考えられる。

 何か外的な知覚により、ある思いをかき立てられたときに、「時間」を把握する。



 「私が思考している間は、実際、私自身は思考そのものとなる。」

 再度、時間を最後まで熟考してみれば、次のような結論に到達する。

 「私が思考に没頭している間、私のなかの最奥の私は思考となる。」

 もし、思考になると同時に、その最奥の私が「私である」という認識を持つなら、偏見を生む。

 「私である」という認識は、私を、思考に明け渡している間は存在しない。思考に没頭する間、私という認識は、思考となる。特別の訓練を受けなければ、思考に没頭する間、思考になると同時に、何か別のものになることはできない。その時、人間は、直接与えられる思考や感情の中にいる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011年10月03日 13時29分37秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: