シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年05月01日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 病気の最初の徴候の、「未対応な、変則的な過程」は、次のように生じる。

 例えば、人体下部における、広義の意味での栄養摂取という消化機構により摂取された栄養物のなかの物質力が、化学的にも優勢である場合を考えてみる。

 健康な人体では、実験室での食物分析などから得られる、食物に含まれる物質力全ては、上部組織の機能により克服され、さしたる問題とはならず、つまり、化学他の物質作用のいずれもが上部には現れず、下部の作用全てが、上部において完全に克服されている。

 実際、人体上部が、下部を完全に掌握し、取り込んだ栄養物を完全に消化しつくし、人智学の厳密な表現でいうところの、「完全にエーテル化しつくす」なら、人体は健康な状態といえるが、例えば、下部の物質力に対して、上部の制御力が、不十分で、下部を克服できない事態も生じる。

 その場合、通常は外界で起こり、本質的には人体に属さず、人体内では起こらない経過が優位に現れてくる。物質的身体(肉体)は、このような変則性を完全には克服できないので、このような変則的な経過は、機能的な経過であるエーテル、すなわちアルケウスのなかに、はじめに現れる。

 (肉体よりも、先に、エーテル体、つまり漢方医学でいうところの「気」に現れる。)

 この特定の変則的な経過に副った慣用表現を選ぶなら、「ヒステリー」と名づけるのがよい。

ヒステリー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC



 事実、器質的な症候にまで至るヒステリーの経過の本質とは、人体のなかに本来起こるべきでない、外界の経過が起こる、というような新陳代謝の不規則性に他ならない。このように、ヒステリーとは、下部で誤って起こる外界の経過を、上部があまりに弱すぎるので、克服(制御)できないことを意味する。

 以上のような現象から、ヒステリーという、下部に対して上部が弱い状態を意味する、対極性の一方の極(陽性)が理解できる。

 ヒステリーの特徴と共に、新陳代謝において不規則な経過が現れてくるときは、本来は外界にあるべき経過が、人体の下部において強くなりすぎていることがわかる。

 しかし、また逆に、上部が正しく経過しないことで、例えば上部の活動があまりに強く、上部組織の機能等を酷使しすぎることなどによっても、同様の不規則な相互作用が生じる。

 その場合は、下部が強くなりすぎるヒステリーの反対の、つまり下部優位のネガ(反対)となり、上部の経過が過度に進行する。このような上部の過度の進行は心臓によって下部に中継される前に終結させられる。

 つまり、このような上部の霊(制御)的な経過があまりに強い状態は、「あまりに賢すぎる」と表現できる。このように上部のあまりに賢すぎる進行から、下部優位の変則性、つまり「ヒステリー」の他方の極となる「神経衰弱」が現われてくる。


 上部が過多の進行―神経衰弱


 以上のように、人体構造のなかに潜む2つの変則性に注目すべきである。上記の2つは上部や下部の機能に現われる欠陥といえる。そして、人体構造における対極性(陰陽)が、欠陥の基になる、という事実を、徐々に理解していくべきである。

 つまり、神経衰弱は、上部の機能が過度に進行する結果、本来なら、上部から心臓で中継されて下部で生じるべき経過が、上部のみで起こり、その活動が心臓で堰き止められ、下部に流れ込まなくなるものである。

 以上から、器官に生じた(解剖学的な)欠陥についての実見よりも、遙かに重要なのは、病気の実相(動力学)『Physiognomie』的な観察であることがわかる。

 というのも欠陥を生じた器官が示す現象は単なる結果にすぎないからである。重要なことは、病気の全体像や包括的な描像に注目することである。



 (神経衰弱やヒステリーなどの用語は、現代用語としても使われているが、まるで違った意味で使われてしまっている。そもそもは、陰性なのか、陽性なのか、という意味なのである。)

 さて、以上の上部と下部の相互作用について満足のいく実像(実相)が得られたなら、そこから出発して徐々に次のようなことが認識できる。

 最初は機能的な不規則、つまり、人智学でいう、エーテルのなかで生じる作用が、いわば、凝集(蓄積)することで、下部の物質的な器官をとらえていき、最初は、ヒステリーの実相として起こる経過が、下腹部の様々な疾患のなかで、物質的な形態を取るようになっていく症候や、また他方では、神経衰弱が、上部の喉や頭部の病気のなかに、器質的な形態を取るようになっていく症候等についても指摘できる。

 神経衰弱やヒステリーとして、当初は機能的に不規則な経過が、特定の器官の物質的現象として刻印(反映)されていく症候等に関する研究こそが、将来の医学にとって非常に重要である。ヒステリーが器質的になった結果として、消化過程全般、特に下腹部の経過全般に不規則性が生ずる。

 以上のように特定の組織で起こることは、組織全体にも更に作用を及ぼす。機能上生じた不規則な経過が、更に組織全体にも作用を及ぼすことを見過ごしてはならない。





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Last updated  2013年05月01日 09時54分49秒
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