シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年08月13日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 ともかく、植物として分離され現われる過程や、人体の組織化の一面を決定する過程を、正しく見据えることが重要である。

 以前、外の自然に特有な3つの過程に目を向けた。すなわち、塩の過程、水銀の過程、そして、燐や硫黄といった不可視の霊光を保持し、その担い手となる過程である。

 1.塩→固体化
 2.水銀→液体化
 3.燐や硫黄→気体化

 では、この3つの異なる内(エネルギー)的な過程の違いは、何なのか?

 塩の過程、すなわち、塩の形成に通じる経過全般は、端的にいえば、内(エネルギー)的な経過を、重力の領域に移行させる経過である。古代の医学書を読みとくなら、「物質の塩化」と記述されている箇所を、次のように解釈すればよい。

 「物質の塩化とは、塩の経過により、物質が重力の支配下に移行することで、塩とは反対の光(燐)の経過を用いれば、重力から、不可視の霊光を奪うことができる」と解釈できる。

 つまり、光を、不可視の霊光の代理、もしくは代表者とするなら、外の自然においても常に一貫して、光と重力の闘い、すなわち地球外の天を目指す力と、物質を地球の中心へと向かわせる力の闘いを想定する必要がある。



 (水銀の経過は、和解という意味の「水に流す」を髣髴とさせる。)

 さて、重要なのは、塩、燐、水銀の対立を、実際、宇宙全体のなかに、つまり、重力、光のなかに、そして、この両者の対立や両者の均衡を求めるなかに置いてみることである。

 この完全な対立のなかに独特な形で置かれているのが、人間の心臓の全活動である。

 現代の自然科学の見解から、心臓に対して適用されているポンプの喩えを支持できないことは既に述べたが、この間違いを除いても、心臓が、あたかも人体の表面の皮膚により、外界に対して閉鎖された活動だけにとどまるかのように想定するのは、実際、恐るべき間違いである。

 実際、心臓に対する今日の見解は、心臓を通じて生じる鼓動とだけ関係をもつかのように想定している。しかし、この見解は間違いで、人体の器官は、宇宙全体に組み込まれ、人間の心臓は、単なる人体の1つの器官でなく、宇宙全体の経過の一部でもある。

 そして、植物に生じている経過、つまり、太陽より上位にある天体(火星、木星、土星)と太陽より下位にある天体(月、水星、金星)との共同作用は、人間にも起こり、心臓の運動(鼓動)のなかに発見できる。

 心臓の運動には、人体に生じる事象が刻印(記録)されるだけでなく、外にある事象も刻印(記録)される。人間の心臓を詳細に探求すれば、根本において、宇宙全体の経過が反映している事実を発見できる。

 (宇宙全体の進む方向が道徳で、道徳に合わないと、心臓が弱くなる。だから、善意の育成は心臓を強化し、悪意をもつと心臓が弱まり、脈が弱まり、自信を失う。古代エジプトでの死後の最後の審判に、心臓を天秤にかけたのは、光と重力の均衡の事実を理解していたからだろう。心臓は、獅子で象徴され、実際、ライオンの心臓は強いので、百獣の王と呼ばれた。)

 本来、人間は霊-魂だけが個別化されている。人間は、宇宙全体の経過に組み込まれている。例えば、心臓の鼓動は、人体に生じる事象のみから現われるのではなく、全宇宙で起こっている光と重力の闘いから現われる、という事実により宇宙全体の経過に組み込まれている。

 私(シュタイナー)は、一般大衆のために、上記のように、人間が宇宙のなかに置かれている事実を、次のような大まかな計算を用いて具体的な説明をよく行なう。

 人間は、1分間に大体18回呼吸する。この呼吸数は、1日、つまり24時間では、25920回(18回×60分×24時間)となる。人生を1日から換算すると、1年は365日で、人間の平均的な寿命、つまり大体71歳まで生きる(長生きする可能性もあるが)と想定すると、人間の寿命の日数は、1日24時間の呼吸数と同じ、25915(365日×71年)という数になる(「5」の差は閏日のせい)。



 更に、黄道十二宮を巡る太陽の運行の1プラトン年、つまり太陽の春分点が、例えば、牡羊座から昇るとして、再び、牡羊座に戻ってくるまでに要する時間を考えると、25920年となる。

プラトン年
http://homepage2.nifty.com/SON/uranai/Aquariusage001.htm
http://can.ifortune.net/wiki/wiki.cgi/astro/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%B3%E5%B9%B4

 以上のように、人間と宇宙との関係を表わす、不思議な数の例証が与えられる。この例証は、人間の寿命の日数(25915)とほぼ同じ数を、太陽の運行の年数のプラトン年(25920)で示している。



 この事実を、物質体を通じての霊魂の呼吸の類として想定すれば、この1回の呼吸により人間の生存は1日となるが、人間が生存中に行なう、この霊魂の呼吸数は、(大体71歳まで生きると)、25915、あるいは、1プラトン年の25920となる。この5の差は閏日のために生じる。

 更にまた、この同じ数に従って、宇宙のなかには、太陽の見かけ上の運行と関係する運動がある(太陽の春分点の移動)。この宇宙の進行のなかには1つのリズムがあり、このリズムは大いなる存在のなかに現われ、1人1人の人間の寿命のなかにも、人間の1日の呼吸のなかにも現われている。

 (1日は、英語では、デイ「DAY」だが、語源は、神デウスからきている。聖書の記述では、世界は7日でつくられたとあるが、この「日」は、「神デウス」のことである。つまり1柱という意味になる。だから、世界は、7日でつくられたという過去形ではなく、7柱の神々によりつくられている、という現在進行形の意味となる。身近な喩えでいえば、日「太陽」、月、火星、水星、木星、金星、土星でつくられるという太陽系の運動を指すことになる。)

 有史以前の世界では、遺伝的に受け継がれた霊能力から、ブラフマンの昼と夜という話で、すなわち、宇宙の呼吸について語っていたことも、もはや不思議とは思わないだろう。なぜなら、この宇宙の呼吸が、人間の日々の生の経過のなかで、ミクロコスモス(小宇宙)的な像となることに、気づいていたからである。

 (マクロコスモスの運動が、人間を介して、ミクロコスモスの運動になることを、ブラフマンの喩えで表現していた。霊能力とともに、その知識が奪われてしまったので、占星術のようないい加減なものになる。現在は、大まかに晴れか雨かの天候により行動を決めているが、昔は、木星の影響が強いとか、天体の軌道により、行動を決めていた。だから、いまの天気予報は、昔でいえば占星術だった。日本では陰陽師がやっていたわけである。)

 このような事実がわかれば、共感や反感の感情ではなく、具体的な事例に基づく認識により、太古の叡智を真に賛美できるようになる。太古の叡智の真の意味を、頻繁に確認できなかったら、私(シュタイナー)はけっして太古の叡智の賛美者とはならなかった。

 今日、人智学により獲得できた事実に照らし合わせることで、現代では消滅し、全く失われていた叡智、太古の叡智をもった賢者が知っていた事実を、非常に頻繁に再発見できるようになった。

 真なる認識を目指し努力する人間が、太古の叡智の賛美者となり育成する叡智は、太古の叡智を目指して猪突猛進することから生じるのではなく、現代にも通じる具体的な関係の洞察から生じるのである。

 (歴史の勉強も同じで、現代にも通じる具体的な関係から洞察できない歴史は嘘である。歴史は暗記科目ではない。)





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Last updated  2013年08月13日 13時52分15秒
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