シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年08月20日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 更に、銀の生成については、他の天体に妨げられない主に月の影響との親和性を認識する必要がある。今日(1920年)の文献を読むと、銀と月の親和性を、古代の人々が、月を、銀色に輝くものとして見ていた、という外見的な由来に求めているが、この現代人の偏見は大きな間違いである。

 個々の金属に関する古代の研究の本質が、実際には現代よりも緻密だった事実を知るなら、上記のような迷信(誤り)に屈することはない。とはいえ、これまで述べてきた金属と天体の関係から、その他の物質の生成についても、(天体の配置から)充分な機会が提供されている事実がわかる。

 これまで挙げてきた鉛、錫、鉄、銅、水銀、銀は、非常に傑出した代表的な物質(金属)だが、天体の作用が互いに競合しあうことで、例えば、土星の作用領域に、火星などの作用領域が入り込むことで、代表的な金属以外の他の金属の生成機会が与えられる。

 (錬金術とは、天体による地球上の金属の生成についての関係を解き明かしたものである。)

 様々な天体の作用による複合により、代表的な金属以外の副次的な金属が生じるが、いずれにせよ、地球の鉱物のなかに、地球外の様々な天体の影響の成果を探求する必要がある。金属の生成過程のなかに、天体の作用を探ることで、特定の関係から、金属として現われる過程が、植物のなかの過程と結びつけられる。

 というのも、鉛、錫、鉄という鉱物薬による治癒過程を探求すれば、地表より上方で生じる植物の花-種子に関する植物薬の治癒過程(燐の過程)も同時に獲得できるからである。また、銅、水銀、銀に関する治癒過程は、植物の根に関する治癒過程(塩の過程)でもある。

 更にまた、当然のことながら、鉱物の調停者の水星とは別の調停についての探求も必要となる。というのも、水星は、地球と、地球外の天体との間の、いわば物質の調停者だが、この宇宙全体が、そもそも霊に浸透されているので、物質の調停とは別の霊の両極(対極)性も成立するからである。

 地上と、地上を超えた宇宙のなかに、光と重力との対立が発見できるが、これは表面上の均衡の発見にすぎない。また別の均衡、すなわち地上と宇宙を一様に貫く霊と、地上と宇宙の全物質との均衡、つまり、霊と物質との均衡も発見できる。

 物質のどの一点においても、霊との均衡が保たれている。霊と物質の均衡は、宇宙でも成立する。宇宙のなかの、地球から最も近い、霊と物質の均衡を保つ領域は、太陽である。太陽は、宇宙の霊と物質との均衡を保っている。



 従って、太陽は、太陽系の秩序を保つ宇宙霊に従っているが、同時にまた、この秩序は、物質体のなかに入り込む様々な天体の形成力によっても引き起こされる。以前、その特徴を述べたように、個々の天体と金属の関係と同じ様に、太陽と黄金の関係も確定できる。

 しかし、太陽と黄金の関係について、古代人たちは、物質のアーリマン(悪魔)的な価値(高価という意味)から、黄金を尊重したわけではなく、太陽と黄金の霊的な関係から、つまり、霊と物質の均衡に関係するために、黄金を尊重した。

 さて、地球上での、人間のなんらかの思考や行為によって、人間が分離し、外に出したものは、自然では、何らかの形で結合される、という事実に注目すべきである。

 つまり、人間は、思考のなかで、光の担い手となる燐の過程、つまり光を生じる傾向をもつ過程から、更に、この両者の均衡に従う水銀の過程から、重力に従う、塩の形成への傾向をもつ過程を分離している。

 (人間は思考することで、燐の過程や水銀の過程から、塩の過程を分離している。)

 しかし、逆に、自然は、人間のように塩の過程を分離するのではなく、(人間により)分離された過程を互いに結びつけ、組み合わせ、非常に精巧な組織構造を形成する。この精巧な組織構造は、黄金の光輝のなかに見つけられる。霊は、黄金を通じて、直接、外界を覗き込み、光輝により物質と結び付いている。

 いま特に注意すべきことを、括弧に入れて述べたい。『古代の文献から得られる示唆を、近代の文献に役立てることができる。もし、例えば学位請求論文を作成するなら、古代の文献の正しい理解さえできれば、多くの示唆が獲得できる。』

 古代の文献の理解から、非常に重要なことがわかる。すなわち、古代の文献から、どの物質のなかにも、塩、水銀、燐もしくは硫黄の3つの原理全てが様々に組み合わされ、この3つの原理を何らかの物質から分離しようと、古代人が苦心していた事実が理解できる。

 (錬金術のこと。)

 つまり、古代には、次のような見解があった。

 「鉛は、これまで述べてきたように土星が優位な配置から生じるが、黄金や銅と同様に、鉛も、3つの原理の、塩-水銀-燐の過程全てを含んでいる」、という見解である。



 古代の化学では、3つのうちの、特定の過程の分離について、究めて周到な注意が払われていた。この分離は、黄金の場合、最も困難を極めた。

 従って、「黄金を壊すより、黄金をつくる方が易しい」というローマの箴言(”Facilius est aurum facere quam destruere.”)は、実際、古代の叡智の賛美に通じる。

 なぜなら、黄金では、塩、水銀、燐の過程という、3つの自然の原理が密接に結びつき、この3つの原理を分離するのは、黄金が、最も困難に思われていたからである。





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Last updated  2013年08月20日 16時23分24秒
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