シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年09月18日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回の続き。

 ☆  ☆  ☆

 さて、人間の魂は、アトランティス時代の水の環境から救い出され、新たな(水の希薄な)大気の環境へと移行したとき、肉体を今日の形に作り上げるために何を体験せねばならなかったのか?

 人間の魂は、後につくるべき肉体に見合う特定の長さ、幅、深さを備えるため、1つの形(フォルム)のなかに囲まれる必要があった。この形は、聖書が名づけた「ノアの箱舟」によって実際に与えられた。

 ゴシック様式の大聖堂の形から、神秘主義の気分がつくられ、その形に従って、後世の顔貌がつくられたことを、霊視者が確認できるように、古代アトランティス人の肉体は徐々につくりかえられてきた。

 というのも、当時の人々は、偉大な秘儀参入者の影響下で、聖書がノアの箱舟として記述する寸法に従って建造された住居のなかで、実際に生活していたからである。古代アトランティス時代の生活は、一種の水(海)上生活だった。

 ほとんどの人々は水上の舟のなかで生活し、次第に陸上での生活に慣れていった。というのも、古代アトランティス時代は、水を大量に含んだ霧の大気に囲まれていただけでなく、大部分が海に覆われていたからである。肉体を今日のような形に作り上げることができるように、当時の人々は、このような舟のなかで生活していた。これがノアの箱舟の秘密である。

 (つまり、ノアの箱舟の寸法が、肉体にそのまま反映し、肉体の寸法が、ノアの箱舟の寸法の証となる。)

 聖書から再び秘教学的な深い意味を読み取ることに通暁すれば、この古文献には、叡智と限りない崇高さの輝きに溢れていることがわかる。当時の人々の魂は、自分の皮膚(肉体)のなかに閉じこめられているイメージを得る必要があったので、舟上で生活した。



 (このことと同じように、古代エジプト時代に、ファラオ「秘儀参入者」の下に、ピラミッドやミイラをつくったのも、輪廻転生の体験を獲得する目的があったようで、このことは現代でも通用する真実でもある。

 いまの環境が、将来の人間をつくるので、現代の環境破壊は、将来の人間の肉体の破壊や老化につながることになり、非常に深刻な問題となる。また、環境から出ることは、肉体から出ることを意味する。)

 聖書の第1章に、また別の記述が見つかる。それは今世紀の蛇の象徴図や、またローマの地下納骨堂(カタコムブ)での様々な魚の徴(しるし)などである。この魚の徴は、古くから頻繁にみられ、キリスト教、ないしキリスト自身を意味する象徴とされている。

 これらの図像もまた霊界から与えられたもので、人類進化の歴史について、私(シュタイナー)の話を理解できたなら、これらの蛇と魚の象徴図に、どんな真実が隠されているかがわかるだろう。

 再度、地球が、人間と同様に様々な受肉を経てきたこと、つまり、この地球は、地球となる前に、土星、太陽、月だったことを思い浮かべてみる。人間の肉体は、これら様々な惑星状態においても既に存在していたが、地球上ではじめて、人間に自我が加わった。

 さて、この地球の最初の受肉状態、つまり土星紀を観照してみる。当時はまだ岩石や表土などのようなものはなく、人間の物質的な肉体はあったが、いまよりも遥かに精妙なもので、それが徐々に濃密になって、ようやく現在の筋肉の形となった。

 今日の周囲の物質を観察すると、固体、液体、気体といった異なった状態があり、秘教学では、固体状の物体を「土」と呼び、液体状の物質を「水」と称し、気体状の物質を「空気」と称し区別している。「火」すなわち「熱」は、これらの状態より精妙である。

 今日の物理学者は勿論、この「火」の状態を認めないだろうが、秘教学者は、この「火」が実際、土、水、空気と比較し得る状態で、ただこの3つよりももっと精妙な状態であることを知っている。

 熱を感じとる場には、空気よりももっと精妙なもの(真空のゼロ点の波動エネルギー)が存在し、秘教学的な意味で、土、水、空気とみなせるものは、土星上にはなかった。

 これらの固定した有形の状態は、太陽、月、地球になってようやく成立した。土星上で最も濃密な状態は、「熱」、あるいは「火」で、このなかに人間の体が生き、土星を取り巻く環-つまり土星はどれも環をもつが-は、元々「火」を反射した鏡像で、「火」の分泌なのである。このことを更に詳しく述べていると、主題から遠ざかることになってしまう。

 さて、土星(紀)から太陽(紀)へと移ると、「火」に「空気」が加わり、太陽上で最も濃密な状態は「空気」となった。太陽(紀)は、一種の空気太陽だった。太陽上で人間は空気からなり、その空気にエーテル(光)が注入され、空気以上の有形な(濃密な)存在はなかった。



 月上でようやく水(の状態)が生じ、この月上の生物は全て、水の凝縮によって形成された。今日でも見ることのできるクラゲや軟体動物が、当時の水-生命体についてのイメージを与えてくれる。当時の物質的な肉体は全て、このような性質をもち、この種の肉体だけがアストラル(体)を自らの内に受容できた。

 進化は一段一段、先へと続いてきた。このように物事は、つまり人間と地球は(運命共同体のように)関わり合い、人間は自らの惑星(地球)に属している。

 さて今度は、この惑星進化の意味を考察してみる。土星上においてはじめて物質(肉)体の萌芽・原基が生じた。太陽紀にエーテル(体)が付加され、月紀ではアストラル(体)が付加された。しかしまた月上では別の出来事が起こり、月が2つの天体、すなわち、より精妙になった太陽と、元々の月の2つに分離した。

 当時、月上にとどまっていた人間は、基本的に今日の人間よりもずっと劣った存在で、その進化段階は遥かに低次だった。というのも、月上でのアストラル(体)は(無秩序な)荒れ狂う激情に溢れていたからである。ずっと後になり、自我が付加されてからようやくアストラル(体)の浄化が始まった。

 そのためには、更に進化が必要で、つまり、月が再び太陽と合体し、月と太陽という2つの天体が再び1つになる必要があった。分離した太陽上に生きる高次の存在たちは、自身の進化を続けるために、月から離れる必要があったが、今度は、この月上に残された存在、そこで更に固体有形化してしまった存在たちを救済する必要が生じ、そのために、太陽は再び月と一体化する必要が生じた。



 その場合、人間は決して今日のようにはならなかっただろう。分離した月が、独自の道を進んでいったら、つまり、太陽との合一により新たなる力を創造できなかったら、月が生み出せる最高の存在は、恐らく今日の蛇のような生物だっただろう。

 対照的に、太陽は-独自の進化を遂げたなら-その最高の存在は、今日の魚のような生物に到達しただろう。魚という生命体は、人間より遥かに高度に進化した存在たちの外(物質)的な現われである。魚の集合魂は、実際、今日でも非常に高度で、外見と、魂とは全く別物である。

 では、月の存在たちを、蛇よりも高度にした力は、どこからきたのか?

 この力は、太陽の存在たちから、月へとやってきた。この高次の存在たちがもつ太陽状態の清澄さが魚という生命のなかに表現されている。それは太陽存在たちが獲得できる最高の物質形態である。

 それで太陽の力全てを地球に受容した太陽の英雄キリストは、魚の徴(しるし)によって象徴される。いまや、秘教的な深い直観が、秘教的キリスト教の魚の徴(しるし)の意味をとらえたということに理解が至るだろう。魚という生命体は秘教的キリスト教にとっては、太陽の力、キリストの力の外的な象徴なのである。

 確かに、魚は外見的には見栄えがよくなく、不完全だが、魚は、あまり深く物質のなかに入り込んでいないので、利己主義に満たされることが少ない。 

 秘教学者にとって、蛇は、月(紀)から進化した地球の象徴である。一方、魚は、太陽(紀)の霊たち(神々)の象徴である。「土」の固体質を備えた地球紀では、蛇が、地球の地下の生命体として象徴化された。

 「水」の液体質として分離された生命は、魚として象徴化されている。秘教学者にとって、魚は「水」から生まれた生命のようにみえる。

 (魚は高次の太陽霊の象徴であり、水(液体)の象徴、対して蛇は月から進化した地球の象徴で、固体、いわゆる土の象徴である。)

 ☆  ☆  ☆

 次回に続く。





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Last updated  2013年09月19日 12時31分45秒
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