シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年12月04日
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カテゴリ: 軟弱日本を斬る!
 さて、前回は、八切史観により、坂本龍馬という英雄が、岩崎弥太郎の三菱と、福岡孝弟らによりつくりあげた虚像であることを紹介した。

 だから、龍馬暗殺について重要なのは、岩崎と福岡らの土佐藩で、そのなかでも特に重要なのは、表向き、龍馬暗殺の犯人を探す、といいながら、やっていることはそのもみ消しで、独断で新撰組の仕業とし、投降した近藤勇を殺している谷干城である。

 従来の龍馬暗殺の話は、この谷が、現場に駆けつけ、まだ息のあったとされる中岡慎太郎から聞きだしたものが土台になっているようである。だから、谷が嘘をついていたら、元も子もない。第一疑問なのは、土佐藩の連中がなぜそんなに早く駆けつけられたのか、ということである。

 この谷の証言によると、中岡はまだ虫の息があったから、確実に殺すという暗殺の意味では、狙われたのが龍馬であることを述べている。

 谷以上に、特に福岡は怪しい。暗殺される前に、龍馬が二度も福岡邸を訪問しているからである。しかも、この福岡は、龍馬の葬式には顔をみせずに、批判されたという話もある。だから、土佐藩の連中が何かを隠していることだけは確かだろう。

 しかし、暗殺されるにはそれだけの理由があるはずだ。脱藩浪士とはいえ、龍馬は、土佐藩にとっては邪魔な存在だったのだろう。

 そこで龍馬が土佐藩にとって目障りな人物だった点を考えてみる。

 前回紹介した話だと、

 『現在では、龍馬の方が中岡慎太郎より有名だが、その中岡からして生存中は、坂本を認めていなかったのは前述のごとく彼の手記に殆どその名が出ていない点でも判る。



 「海援隊」にしても福岡孝弟が考えこれを作り、龍馬は、いわば雇われマダムの隊長にすぎなかったのである。だから、「船中八策」にしろ、全て彼の頭では無い。皆福岡達の受け売りである。

 当時の京町西奉行滝川讃岐守より、京所司代屋敷への差紙にも、「土脱牢才谷〔坂本〕。東町奉行小栗下総守組下同心殺害の咎により」と、つまり国事犯として手配されたのではなく、殺人犯の不逞牢人として逮捕状が廻されていた程度の男である。

 明治に入って「龍馬関係資料」の出版などは、大三菱がスポンサーになって出し、これを宣伝していたからである。というのは、福岡からの海援隊の船舶を預かったが、真面目に習練するような龍馬ではない。

 岩崎弥太郎に貸してやって、その貸し賃で遊び回っていた。当今なら黒い霧、背任横領罪かも知れぬが、福岡はやらず、龍馬はやったのが、後世有名になる原因でもある。』

 ということなので、この話から、当時は、龍馬よりも、中岡や福岡の方が重要人物としてみられていたようで、龍馬はまるで、土佐藩のひもの様な遊び人のようでもある。

 遊び人にしては、不思議なのは、過激派集団であった土佐勤皇党のなかで、龍馬が、「徳川家の長崎海軍伝習所へ入ってしまった」ことである。この話では、福岡の使い走りのような存在にもみえる。恐らく、福岡の密偵のようなことをしていたのだろう。

 だから、龍馬から土佐藩の内情を暴露されるのが不味いので暗殺されたとも考えられる。しかし、当時は、龍馬よりも中岡の方が有名だったそうである。中岡の陸援隊も、福岡がつくったものらしい。

 陸援隊は、薩土密約のためにつくられたものらしく、なぜ海援隊とともにつくられる必要があったかと考えれば、土佐の藩論が、公武合体にあり、表立って、徳川家に反抗できないからだと考えられる。



 このことは、徳川御三家(江戸本家、紀州家、尾張家)と間違われている水戸藩などが、家康の遺言の「徳川家に大事あれば、南朝の帝をたて、徳川家を存続させよ」を持ち出して、斉昭は自分が将軍になるために、後の熊沢天皇などを秘匿していたことでわかる。

 さて、どの藩でもそうだが、特に土佐藩では、表向き公武合体を装いながら、水戸、長州、薩摩の次の倒幕藩であったことがわかるのが、以下の京都所司代とも関係がある手代木直右衛門(勝任(かつとう):てしろぎ すぐえもん:なおえもん)の口伝であるので、あるサイトから抜粋紹介する。

 ☆  ☆  ☆

「会津藩公用人:手代木直右衛門」

 手代木直右衛門は、佐々木只三郎の実兄である。その手代木が、死の床で語った言葉がある。手代木家私家版『手代木直右衛門伝』によると。

坂本は薩長の連合を謀り、又土佐の藩論を覆して討幕に一致せしめたる を以て、深く幕府の嫌忌を買ひたり、此時只三郎見廻組頭として在京せしが、某諸侯の命を受け、壮士二人を率い、蛸薬師なる坂本の隠家を襲ひ之を斬殺したり』と。 

 ☆  ☆  ☆

 上の話だと、薩長連合は伝わっているのと同じだが、「土佐の藩論を覆して討幕に一致せしめたる」というのは、中岡ならわかるが、龍馬は大政奉還派の幕府側と伝わるのとは異なっている。会津側が拡大解釈したのか、恐らく、龍馬の話は、福岡が後に虚飾したのだろう。

 上の「某諸侯」とは、恐らく、表面上公武合体の山内容堂のことだろう。すると、立場上困るのは、福岡で、海援隊や陸援隊などが、幕府に知られたら大事になる。つまり中岡(本名は石川)、坂本(才谷)が土佐藩士であっては困るので、脱藩させ活動させていたからである。

 このことがよくわかるのが以下の薩土盟約と薩土密約である。ウイキからの評価を抜粋紹介する。

 ☆  ☆  ☆

 坂本龍馬が主導し、後藤象二郎らが行った薩土盟約は、大政奉還を成し遂げた功があるにせよ、 たった2ヶ月半で破断した 、薩摩藩と土佐藩のうわべ的な同盟であったのに比べ、薩土密約は、中岡慎太郎の主導による西郷と板垣の私的な密約ではあったが、戊辰戦争の東征においても、迅衝隊、胡蝶隊などが編成せられ参戦するなど、結果的には「 薩土討幕の密約」は藩命よりも遵守され、平夷後も維新政府によって、この伏見での初期参戦が大いに評価せられ賞典を賜うこととなった。

 ☆  ☆  ☆

 というように、表向きは龍馬主導の薩土盟約、裏では中岡主導の薩土密約を、土佐藩と薩摩藩で行なっており、容堂が何処まで知っていたかは謎だが、中岡、福岡はどちらにも参加しているので、龍馬外しの密約であったことがわかる。

 以上を考えると、薩摩の西郷か大久保が、龍馬暗殺の黒幕で、土佐藩論を討幕に一致させるために、容堂と、会津藩を嵌めた可能性が高い。つまり、土佐藩が討幕で一致すれば、土佐藩士が堂々と討幕に参加すればよく、海援隊や陸援隊は必要なくなるからである。実際は、土佐藩に吸収合併された形になったようである。

 薩摩の西郷は、「押して駄目なら引いてみな」とよくいわれるように、一旦は、大政奉還で口裏をあわせておき、相手の出方をみて、重要人物を炙り出し、それが中岡、坂本だとわかった上で、同士討ちさせるように暗殺へと導いたのだろう。

 西郷は、龍馬の背後に、勝-慶喜の命令を知り、龍馬が恐らく慶喜のスパイであることに気づいたのではないか? 龍馬は最初は土佐の福岡の召使のようなものだったが、長崎海軍伝習所に行くには勝の口利きがあったはずで、勝のスパイになったのではないだろうか?

 そのことが慶喜-勝から容堂にも伝わっていたはずだが、容堂の心底では殿様(自分)を差し置いて、という気持ちもあったかもしれない。幕府内でも、水戸藩と徳川江戸本家や会津藩とは仲が良くない。会津藩と水戸藩は、新撰組内の抗争をも起こし、芹澤鴨が近藤らにより殺されたのも、仲がよくないせいである。

 色々考えると、中岡、龍馬暗殺は、結局、薩摩藩が土佐藩に対し、討幕側にくるのか、あくまで慶喜に組みするのかの、いわば関ヶ原の戦いの家康が、小早川秀秋にあえて鉄砲を撃ったのと同じものに思われる。

 違うのは、会津藩が慶喜を無視して独断で、土佐藩の討幕派を始末してしまったことで、土佐藩全体が、逆に討幕側にまわってしまったことである。薩摩、長州とは異なり、土佐藩では、下士の働きが上士に乗っ取られた形になった。

 薩摩としては、慶喜と和解した形で、会津の松平容保の梯子を外そうとしたのだろう。孝明天皇が存命ならば、梯子が外されることもなかったが、長州が匿う大室天皇が、王政復古となる予定では、容保の会津藩が宙に浮き、失脚してしまう。結局、薩摩の目論み通り、会津藩が暴発してしまうのだが。どの時代でもアタマに血が上るような人物は頭首にすべきではない。

 福岡は上士なので、福岡にとっては、中岡と龍馬はもはや用済みだったのかもしれない。結局土佐の下士が見捨てられたことが、明治維新後の土佐藩失脚につながるから不思議である。そのために、才谷梅太郎が、坂本龍馬として英雄化される。

 中岡、龍馬が福岡に捨て殺しにされた形になるほど、当時の身分制度が厳格であったことがわかる。当時は中岡の方が有名だったが、福岡により、いまでは龍馬の方が有名なのは皮肉という他はない。

 以上をまとめると、薩摩藩が立案し、土佐藩に持ち込み、土佐藩は、自藩に討幕派がいると会津藩に流し、会津藩が処分したところで、会津藩憎しで討幕にまとめ、慶喜が慌てて火消しに走った、という感じであろう。大政奉還ですみやかに終わっては、薩長の目的の討幕ができないからである。

 幕府側から仕掛けさせ、その大義名分で、討伐を行なうのは、ルーズベルトがやった太平洋戦争の真珠湾攻撃でも同じである。アロパシーの遣り口である。





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Last updated  2013年12月05日 15時40分10秒
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