シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2014年02月26日
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カテゴリ: 軟弱日本を斬る!
 前回は、生きながらにして、死を克服するには、自分のいま生きる立場と逆の立場を考える必要があることを、シュタイナーの話から紹介した。

 この話から実は死は絶対ではなく、相対であることがわかる。確かに物質界では物質的制御を失うので、死は絶対だが、もし、物質界自身が絶対であるなら、死が絶対となったときに、その絶対性を保証するために物質界自体も死を迎えることになるはずである。しかし、物質界がこれまで続いているのは、それが相対であることに相違ないからである。

 ちょっと難しく言ってしまったが、自分がいま生きる立場というのは、逆の立場の相対であり、だからこそ、自分がいま生きる立場は、逆の立場を取り込むことで、いま生きる延長上の自分の死という相対を超えることができるということである。

 このことをお釈迦様は解脱と呼んだのであろう。要するに、思いやりが重要であるということである。では、シュタイナーの話を続ける。

 ☆  ☆  ☆

物質界と霊界の境界にいる守護霊(改変)

 「境界の守護霊」との出会いは霊界へ参入する際の重要な体験である。境界の守護霊は1つの存在ではなく、本質上は「小守護霊」と「大守護霊」に分けられる。

 前に述べたように、人間の霊体(エーテル体とアストラル体)のなかで、思考、感情、意志を受け持つ役割間の連携が解けはじめたとき、人間の自我は、小守護霊と出会い、この連携の解消が身体の肉体(特に頭脳)にまで及ぶときに「大守護霊」と出会う。

 「小守護霊」は独立した存在だが、修行者にとっては、霊魂のこれまでのいかなる進化段階にも出会わなかった、はじめて遭遇する存在であるので、ここで、この守護霊の本質的な特質を若干述べておく。



 その出会いとは、思わず怖気づくような、妖怪じみた存在が目の前に立つことになる。この存在に向き合う修行者は、物質界を認識していた覚醒意識を持つので、これまでの修行で十分身につけてきた自分の認識力の確かさについて全くの自信を持っている。

 この「守護霊」は自らの存在の意味を、大まかに言えば、次のような言葉で語る。

 「これまでは、お前が知らない霊力がお前を導いてきた。この霊力は、これまでのお前の人生の中でお前の善行には善の恵みを、悪行には悪の報いがやって来るように働きかけてきた。この霊力の影響を通じて、お前は、人生経験から、思考を基にして、自分の性格を作り上げてきた。

 だから、お前の運命は、この霊力の働きの結果なのだ。この霊力は、お前の輪廻転生のなかで、次の人生に割り当てられた快と苦を、前世でのお前の態度に従って決定した。この霊力は一切を包含するカルマの法則の形をとって、お前に対する支配力を行使してきた。

 ところが今、この霊力が、その支配権の一部を手放そうとしている。そしてお前のために奉仕してきた仕事の一端は、今度は、お前自身が代わって果たさなければならない。

 これまで何度も厳しい苦痛がお前を襲ったであろう。お前はそれを受ける理由を知らないが、それは、その苦痛を受けるに足る、これまで繰り返してきたお前の人生の中のある時期の、お前自身が為した有害な行為の結果にある。

 お前はまた幸せを掴み、喜びを見つけ、快楽を受け取ってきたはずだ。この快楽も、これまでのお前の行為の結果である。

 だから、お前の性格は美しい面と醜い面とを併せもっている。

 お前はこの両方をこれまでの思考や体験を通して、自分で作り出してきた。お前はこれまでこのことに気づかず、ただその結果だけを問題にしてきた。

 しかしカルマの霊力は、お前のこれまでの行い、これまでお前の心の奥底に秘めてきた思いや感情の全てをみてきた。そして、それにより、お前を今在るとおりの、今生きている通りのお前にした。

 しかし今、お前の過去の一切の善き面と悪しき面とがお前自身に明示されねばならない。それら全ては、これまでお前自身の存在の中で織り込まれてきた。それらはお前自身に内在していたが、お前が、自分の頭脳の内部を見ることができないように、それらを見ることはできなかった。



 そして、 この私こそが、お前の真の姿なのだ 。

 私の姿は、お前の善の行為と悪の行為を素材として作られている。私の、この妖怪じみた姿はお前自身の人生の総括を映し出したものである。これまでお前は私の姿を見ることもなく、私は、お前の中でお前に知られずに、お前を担ってきた。

 しかし、そうしてきたことはお前にとっては幸いだろう。というのも、お前の人生がお前の眼から隠されていたからこそ、お前に知られずに、お前である醜い私の形姿を、お前が悪意をもって消そうとせずに、叡智である霊力は、お前の内部で密かに仕事を続けてこれたからである。

 今、私がお前の外に出てきたことで、この隠された叡知もまたお前から離れることになる。それは、もはやお前の今後一切の面倒をみないことを意味する。そして仕事をお前自身の手に委ねるが、これからも私が堕落することが許されないことは確かである。



 そうならないためには、お前自身の叡知を研き、お前から去って行った隠された叡知の課題を引き継がねばならない。

 お前が一旦私の守護する、この境界を通過したら、もはや私がお前の眼の前から消え去るということはない。もし、その後にもなお、不正な行いをお前がするようなことになると、直ちにお前のその罪は私の姿を醜い悪鬼に変身させるだろう。

 お前がこれまで己れの犯してきた全ての不正行為に決着をつけ、もはや悪行を重ねることが全く不可能な程に、自己を浄化させたなら、その時はじめて私は光輝く壮麗な形姿に変じるだろう。そして、それからのお前の活動の栄華のために、私は、再びお前と合一するだろう。

 しかし、私がいるこの境界は、お前自身の中にまだ残っている恐怖感と、お前の思考や行為からくる全責任を背負うことへの恐れとを、お前が少しでも克服できないうちは、お前を守るために築かれている。お前が運命を自分で導くことについて感じる何らかの恐怖を全て手放そうとしない限り、お前が必要とする全てを全部揃えない限りは、この境界を越えることはできない。

 お前が境界を越えるために、揃えるべきもののうち、たった一つが欠けても、お前は、この境界に立ち止まらなくてはならなくなる。お前が完全に恐怖から自由となり、どんな責任をも引き受けられるようになるまで、この境界を通り抜けてはならない。

 これまで私は、死が、お前をこの世(物質界)から引き離した時にしか、お前の人格の外へ出たことがなかったが、それでも私の姿はお前の眼からは隠されていた。お前を導く運命を制御する霊力だけが私を認め、私の容姿から判断して、死後と転生の間の人生の休息期間に、お前のためにしかるべき能力を育成してきた。

 この能力は、新しい地上生活を通して、私の姿をより美しいものにしようとするお前の未来の栄華のために、新しい生誕に際し、お前に与えられる能力である。この霊力が運命を繰り返し、お前を地上に受肉させるのは、私自身がまだ不完全な姿であるからに他ならない。

 お前が死んだ時、私は常にお前と共にいた。そして、私の進歩向上のために、カルマの導き手は、お前が再び、この世(物質界)に生を受けるように定めた。もしお前が転生を通して、無意識にでも、私を完全な存在にできたら、そのときお前はもはや死の力の手に落ちずに、私との完全な合一の中で、不死となっていただろう。

 私はお前の死の瞬間にも、これまでは不可視の姿でお前の傍らにいたが、今日は眼に見える姿でお前の前に立っている。私が守護する、この境界は、これまでのお前が死後入っていった霊界と物質界との境にある。これからお前は、この霊界の中へ完全な覚醒意識を持って歩み入る。

 (死後の霊魂は、完全な覚醒意識をもたずに入る。完全な覚醒意識を持って入るのは秘儀参入者だけである。)

 これからは、地上で肉体を保持し続けながら、同時に死の国、いや、永遠不滅の国で生きることになる。私は死の天使とも呼ばれるが、同時に永遠不滅の霊魂の生活(天国)の提供者でもある。肉体を地上に保持したまま、お前は私を通して死を体験し、その死によって不滅な存在への再生も体験できる。

 (この死の天使はケルビム「叡智の天使」と呼ばれることもある。)

 これからお前が足を踏み入れる霊界では、超感覚の存在たちに出会うだろう。この霊界で、お前は祝福をうけるが、この霊界に立ち入る前の最初の出会いは、お前のこれまでの人生の所産である、この私との出会いでなければ意味がない。

 これまで私は、お前とともに、お前の人生を生きてきた。しかし今、私は、お前を通して、私自身の存在に目覚めた。そしてお前の前で、お前の未来の行為の可視の見本となり、またお前を厳しく叱咤激励する教師となるだろう。お前は私を創造できたが、同時に、お前は私を絶えず改善し続ける義務をも背負ったことになる。」

 以上のように、物語の形で表現したが、単なる寓話と受け取って欲しくない。以上は、秘儀参入者の実際の体験に基づいた再現なのである。

 ☆  ☆  ☆

 この境界の守護者をドッペルゲンガーと呼び、シュタイナーは別の講義で、アストラル体の死体などから、人体構造の上でも解説している。





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Last updated  2014年02月26日 16時43分42秒
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