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《1977年9月、グロリア・ジョーンズ運転するミニ・クーパーが横転。助手席から外へ投げ出されたマーク・ボランは、近くにあった街路樹に身体をぶつけ、死亡。》あれから30年にもなろうとしている。そして今年2006年、未発表音源のマスターテープが発見され、マークの息子ローラン・ボランの手に渡り、遂にCD化されました。これは遺作となった『Dandy In The Underworld』(地下世界のダンディ)の次のアルバムになる音源も含まれていて貴重なのです。個人的にも、ロックの原体験でもあるT.REX。当時はグラムロック期のサウンドが好きだったのですが、最近はティラノザウルス・レックス期の音が気に入っていて聴いています。そして交通事故死前の新生T.REXも、グラムロック期とは違ったサウンドで違った魅力があるのです。ロックシーンの再評価の機運が高まっていた時期だっただけに、惜しまれた死でした。もしマーク・ボランが生きていたのなら、どんなロックが聴けたのだろうか。その回答が少しでも解明出来るのかもしれない。アシッド・フォーク的なティラノザウルス・レックス期に、グラムロック期のボラン・ブギー、そして新生T.REX。新生T.REXのサウンドはボラン・ブギーは控えめで、インディー系のギターポップサウンドが聴けます。パーカッション系の音はなくなり、ギターとストリングスとオルガンがメイン。手作り系のアノラックサウンドが親しみやすい。楽曲がポップなのはグラムロック期と変わりが無く、ヴォーカルの見通しが効くのでさらにポップな印象もあります。グロリア・ジョーンズのヴォーカルが聴ける曲もあります。18曲中既発表済みのオリジナルアルバムからの別テイクヴァージョンと、アウトテイクとして発表済みのを含めて15曲で、まっさらな初公開ヴァージョンは3曲ほどか?1977年というとパンクロック勢の真っ直中ですが、70年代前期人気だったバンドの中ではT.REXはパンクの連中から批判の標的になる事はありませんでした。そればかりか、パンク後のニューウェーヴから再評価の対象になっていました。音的にも先取りしているような感覚もあります。特にインディー系のポップに。グラムロック期のファッション的な面ではニュー・ロマンチックスに影響を与えていたようですし。リマスター化されて音も鮮明で、とても眠っていた音源とは思えない。そして何よりもマーク・ボランの音楽を楽しんでいるかのような、ゆったりとしたライブ感と豊潤さが聴き取れるのがよい。きっとこの時期の精神状態は凄く良かったのだと思う。妻でありバンドのメンバーでもあったグロリア・ジョーンズとの仲の良さ、幸せぶりが伝わってくるのです。事故当時心ないファンからは、“マークの代わりにお前が死ねば良かった”と嫌がらせや脅迫を受けていたらしいグロリア・ジョーンズ。イギリスの地を踏むことも最近まで出来なかったそうである。《20TH CENTURY BABY》 ♪人生のハイライト それはお前との出会い あの風の強い秋の日のマリブでの出来事 ダイアモンドのように輝く瞳 ルビーのように気高い心 おれの20世紀の恋人になってくれよ 男が愛せる女はただひとり それが賢人の言葉 それは本当のことだと あの日 LAで知った 天使のようなその面立ちに おれの心は熱く燃えた おれの20世紀の恋人になってくれよ♪20TH CENTURY BOYならぬ20TH CENTURY BABY。それはグロリア・ジョーンズだったのか。「TO KNOW YOU IS TO LOVE YOU」(逢ったとたんに一目惚れ)のマークとグロリアのデュエットを聴いていると、幸福感がこちらにも伝わってきてしまって、切なくなってしまう。悲劇の死だったかもしれないけど、少なくとも幸福の絶頂でマーク・ボランは死んでしまった。ロック界とファンにとっては損失だったろうけど、マーク個人にとっては最良の死だったのかもしれません。人気音楽blogランキングを見てみる?
2006.09.23
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《フランス・アンティーブ出身のアンソニー・ゴンサレスによるエレクトロ/ロック・プロジェクト。2001年に活動を開始し、同年にアルバム『M83』を発表。浮遊感が漂うメランコリックなメロディと、広がりのある轟音ギター・サウンドを響かせ、フランス発のエレクトロ・シューゲイザーとして話題となる。05年には『ビフォアー・ザ・ドーン・ヒールズ・アス』を日本リリースし、クラブ/ロック・シーンから好評をもって迎えられた。アンビエントやドリーム・ポップへのアプローチも積極的で、多彩な音楽性を持った逸材として注目を集めている。》~CDジャーナルより~前作『SATURDAYS=YOUTH』は2008年のマイベストアルバムNo.2にしたほどのお気に入り盤でした。エレクトロ・シューゲイザーだけれども甘酸っぱい青春音像を描き出した世界観にゾッコン惚れましたです。新作『Hurry Up,We’re Dreaming』も凄く期待しました。2枚組というボリュームに圧倒された。『SATURDAYS=YOUTH』を発展させたコンセプトアルバムの様相ですね。ジャケットに少年少女のフォトを使用するのも、前作と一緒。少年少女の持っている純朴な夢や、傷つきやすい繊細な感情をエレクトロ・シューゲイザーで描き出すという方法論にこだわりがあるのだろう。アンビエントな空間に埋没することもなく、メランコリックで感傷的な気分に誘ってくれるのには、本当に感動してしまいます。壮大感は間違いなく『SATURDAYS=YOUTH』よりも増している。それは豪快なビートを強調している事に表れていると思います。エレクトロ・シューゲイザー系ではヴォーカルをないがしろにしているようなアーティストも見受けますが、M83はしっかりとメロディーを歌い上げている所が素晴らしい。音楽の核にメロディーがあって、取り囲むサウンドはメランコリックに盛り上げるという。特にバラード系に顕著で、オーケストラアレンジを導入しチルドレンコーラスも取り込んだ「Splendor」なんか本当に素敵です。アンソニー・ゴンサレスの声も好みなんですね。線は細く男っぽいタイプではないけど、弱々しい所が好き。耽美にコーラスを被せるところなんか、センスなんだろうけどフランスらしくてエレガントでお洒落です。「Midnight City」は『SPIN』誌が選ぶ今年の20曲の中の12位にランクされていますね。「Wait」も名曲。ゆったりとした流れの中にもキーボード・プログラミングの高揚感があります。序盤のエフェクトをたっぷり掛けられたスキット風ヴォーカルとアコースティックギターとの絡みが素敵すぎる。「Soon,My Friend」にしてもリードに加えてバックグラウンドもアンソニー・ゴンサレスがヴォーカルを担当。歌に対する力の入れ具合は相当なものだと思います。これも傑作にて名盤。フジロック’09では見逃しているので、今度来日したら絶対に行きます!きりっ(^^)/M83/Hurry Up We're Dreaming
2011.12.07
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《英国南部サウサンプトン出身の4人組。1996年、グレッグ・ギルバート(vo,g)がラーズとマニック・ストリート・プリーチャーズに触発され、結成する。2003年、ラフ・トレードと契約、同年4月シングル「Nearer Than Heaven」でデビューした。ラーズを想起させる極上のネオアコ・サウンドと、メンバーのルックスの良さで好評を博し、04年、1stアルバム『フェイデッド・シーサイド・グラマー』を発表。》~CDジャーナルより~【ディレイズ】も早くも4作目。昨今のUKのギターバンドでここまで生き延びているのは珍しいのではないか。それは、固定した熱烈なファンに支えられているのに他ならない。また、音楽の方も彼等独特の個性の強さのために、他のバンドに取って代わることがないという強みがあるのだと思う。過去3作はどれも作風が違っていましたが、今作も微妙な変化が……。これも毎度飽きさせない魅力的な要素なのです。あえて言うなら基本1stに近く、ハーモニーとコーラスワークに重点が置かれているように聞こえます。4曲目の「RHAPSODY」の美しさといったら、感激ものです。グレッグ・ギルバートのフォルセットボイスは主張するというよりは、空間を漂ってフワフワと舞っていて、しなやかです。それでいて緊迫感があって、耽美。個のパート(楽器)が前面に出るというのではなく、全体の曲想の中に溶け込ませようとするサウンドプロダクションで、過去最高のクラシカルな作品に仕上がっていると思います。これをメールバンドがやってしまうというのは奇跡なのではないかと思う。いやー、ほんと女性的な繊細な曲ばかり。6曲目の「HOLD FIRE」も本当に美しい!比較的キャッチーな「UNSUNG」もしとやかでエレガンス、流麗なピアノサウンドが耳に残ります。アーロンのリードヴォーカルも8曲目「IN BRILLIANT SUNSHINE」に入っていて良い感じ。グレッグとの個性の違いが、またたまらんのですよ。グレッグの声の美しさを堪能したいのなら「MOMENT GONE」を推薦。伸びやかなギターサウンドも○。ストリングスが美しい「LAKES CAN BE LETHAL」も大好き。結論から言いますと、ディレイズ好きにとってはヤッター!といった感じのアルバムです。(笑)楽曲のキャッチーさポップ度では前作の方が上かもしれないけど、グレッグ・ギルバートの声の魅力に取り憑かれた者としては、今作は最高の出来。Delays/Star Tiger Star ArielUnsung - DelaysPowered by TubeFire.com
2010.07.15
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《1969年、スモール・フェイセズを脱退したスティーヴ・マリオット(vo&g)とザ・ハードに在籍していたピーター・フランプトン(vo&g)を中心に結成。ツイン・ギターのハード・ロック・バンドとして出発。フランプトン脱退後、エッジの効いたハード・ロックを聴かせるようになり、72年の『スモーキン』をはじめ4牧のアルバムをリリースするが75年に解散。フランプトンとバンドの結成を構想していた矢先の91年4月20日、マリオットは自宅の火災により死亡。》~CDジャーナルより~【ハンブル・パイ】の初期のアルバムって、意外と評価が低いようですが、それを覆すような物凄い音盤がこれです。ディスクガイドブックによると、内省的でアコースティックな面もあり、当時のロックファンはよりヘヴィーなサウンドを求めていたため、受け入れられなかったとなっていますが………。「K2 High Definition コーティング」というJVCのリマスターテクノロジーで蘇ったファーストアルバムの紙ジャケ『AS SAFE AS YESTERDAY IS』。もう凄いの何の、ギター音がバリバリバリ、ジンジンジン、ベース音ドラム音がドカンドカンと明瞭で音程が明確に聴き取れるし、マリオットのR&Bスタイルのヴォーカルは豪快そのものです。音がぐいぐい前に出てきて、とにかくダイナミックレンジが広いです。丁度小さな箱(ライヴハウス)で、至近距離から聴いているような生々しさです。つまり当時、いかに酷い音のレコードを聴かせられていたという事が分かってしまうのです。アルバム中最大の聞き物は、やはりタイトル曲の「AS SAFE AS YESTERDAY IS」ハードでありながら、エコー感を伴う壮大なスケールの曲風。組曲調で中間部はアコースティックギターとエレキピアノが絡むサイケ調です。《AS SAFE AS YESTERDAY IS》♪夢の紡ぎ手を追う時間 美と光のプリンセスに向けて 俺は夜を歌う詩人にすぎないけれど 彼女は俺を気に入ってくれる 俺の右手には、道化役者たちと共に王が座る 女王の気が滅入っている間、道化役者たちは笑いを演じるが ひと拭きの微笑みも王冠の中に消える 助けてくれ、俺を助けてくれ ハチドリたちが歌い、正体を現した悲しみという喜びが 俺の耳に溢れ返る お前の翼を貸してくれ 夜明けの太陽光線がまだ輝いている もう俺は戻りたい、そろそろ戻るから、いや戻らなきゃならないんだ これが夢の中で俺が見たことすべて、そして俺は祈る 今日が昨日と同じくらい安らかであるように♪ピーター・フランプトンとスティーヴ・マリオットとの共作です。凄い深い詩ですね。素面で創ったとは思えないくらい。(笑)【レッド・ツェッペリン】の「天国への階段」よりもこっちの方が迫力もあるし、聴き応えがあります。フランプトンの繊細さとマリオットのソウルが合体した大傑作、ハードロック史上に残る名曲でありましょう。フランプトン作の「I’ll Go Alone」も素晴らしい。シタールとフルートによる序章のサイケドリーム。フランプトンのギター音は銃の弾丸の如く、今にも煙が立ちこめそうな迫力です。「A Nifty Little Number Like You」はリードとリフというツインギターの魅力を満喫出来ます。アマチュアバンドにも参考になりそうな名演。「Natural Born Boogie」渋い!カッコ良すぎ。【ビリー・プレストン】ぽいピアノ。そう【ビートルズ】の「ゲット・バック」に雰囲気が似てる曲です。スティーヴ・マリオットとピーター・フランプトンとの力関係もほぼ同格で、熱気と緊迫感が演奏から伝わってくるのが素晴らしいです。ベースのグレッグ・リドレーとドラマーのジェリー・シャーリーのテクニックも一流。このアルバムの凄い所は、テクニック、発想、インパクト、ソリッドさと繊細さ、ヘヴィネスと、ハードロックの魅力の全てが備わっているところです。分かる人には分かると思うけど、個人的には最高傑作と言いたいです。しかしー、生々しいマリオットの声を聴いていると、とても亡くなっているとは思えません。宝だったよなー、この人は。かなわなかったフランプトンとの再結成ハンブル・パイ。それにしても惜しい。アズ・セイフ・アズ・イエスタデイ・イズ+2をチェックしてみる?Natural Born Boogieを見てみる?Powered by TubeFire.com
2008.06.17
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《アップルは2007年9月6日、今年1月に発表した携帯電話「iPhone」と同じマルチタッチユーザーインターフェースを搭載する「iPod touch」を発表した。》「iPhone」には興味がないけど、「iPod touch」のマルチタッチユーザーインターフェースはお洒落でいいなぁ。無線LANを搭載しているので、Webページを閲覧したり、GoogleおよびYahoo!を使った検索機能も搭載するとか。それはメインのマシーン(PC)がないと機能しないと思うので、自宅での活用に限られると思うけど。私が「iPod touch」を使う目的としたら、ずばりYou Tube画像のダウンロードかな。「iPod touch」にため込んで、外出先で楽しむという使い方でしょうか。《記憶メディアはフラッシュメモリーを採用し、8GBモデルと16GBモデルの2種類をラインアップ。価格は8GBモデルが3万6800円、16GBが4万8800円。》少々高めなような気もしますが…………。iPod nanoの方は、形が正方形に近くなっていました。少し不格好な形かもしれないけど、じっと見ているとやっぱり可愛いかな。液晶モニターの性能が良くなったみたいですが、音質は変化がないみたい。驚きなのは価格の安さ。4GBモデルが1万7800円、8GBモデルが2万3800円です。またまたアップルは他社の携帯音楽プレイヤー潰し、シェア独占に本腰ですな。iPodの操作性はアナログぽいところが、人間ぽくて良いのだけど、反応の鈍さ荒さが気になります。音質の良さやスイッチ類の使いやすさでは、断然国内製の方が高性能だけど、まぁ一丁一旦です。iPod touchがあれば、iPod nanoは必要ないですね。iPod touchは絶対買おう。(笑)詳細はDIGITAL ARENAで確認できます。
2007.09.06
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念願かなってマイギター購入しました。色はキャンディ・アップル・レッド。実際の色は、写真よりも赤いです。フェンダージャパンのテレキャスターで一番安価なTL-50(それでも4万円)ですが、作りは以外としっかりしているし、音も良いです。年末に届いてから、弾き始めているのですが(いじるといった方が良いか)つい夢中になってしまい、2・3時間はすぐ経ってしまいます。スピーカーから音を出すと苦情殺到は明らかなので、ヘッドホンも必需です。エレキギターって、案外重くって、弾きこなせないうちは立っているのは辛くて、もっぱら椅子に座って弾いています。マルチエフェクターは必需。1つの音ばかりだと飽きてしまうので、エフェクターでドライブかけたりディレイかけたりして楽しんでいます。ギターアンプにはMP3や外部入力の端子が付いているので、CDや携帯音楽プレイヤーを再生しながら一緒にジャムったりも可能みたいです。とりあえず今の目標はコードを少しずつ覚えて、好きなアルバムとジャムるようになれる事かな。後欲しいのは、コードブックや楽譜を見る、譜面台が欲しいかな。(目線を下に落とさなくても良いように)エレキギターにも色んな種類がありますが、一番オーソドックスな音をしているのがテレキャスター。ハードでキレが良く、ロックの原点の音と思わせます。70年代にはストラットキャスターやレスポールに押されていたような気もするけど、近年では使っているギターリストが多いですね。サマソニ07では、テレキャスター使用率が高かったので少しビックリもしました。多分近代ロックはギターで音を変えるよりも、エフェクターで変化させるのが主流だからではないでしょうか?逆にレスポールなどは、=ハードロック、ヘヴィメタル見たいなイメージ(実際パワフルでヘヴィーな音)が付いてしまい人気は落ち気味みたいです。いゃあ、演奏者側からの視点で見るロックも実に面白い。このアルバムのギター音は、どうやって(どういうエフェクターの組み合わせで)作っているのだろうかなどと、想像するのもたまらんです。(笑)Fender Japan TL-50をチェックしてみる?
2008.01.02
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