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2022.01.02
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シューリヒトの指揮による演奏はいつも独特で、ニュアンスと色彩感が常に内容と絡みながら本質を引き出して行くもので、スタンダードな名演とは また違った意味での価値を感じさせるものです。

そんなシューリヒトの指揮した中でも異彩を放つ不思議なライヴ演奏がこれです。

外しの無いシューリヒトが、ここでは大きく外したような、他の指揮者を含めて滅多にない即興的な演奏をしているようにも感じます。

後にシューリヒトは、同じくフランスのパリ音楽院管弦楽団とベートーヴェンの第九をスタジオ録音し、ライヴとスタジオは正反対の表現に聴こえながらも、よく聴くと実は共通した解釈による演奏である事が分かります。
つまりシューリヒトは、その日の気分で気まぐれに即興演奏・指揮しているのではないと思われるのです。

私は昔からライヴ録音と言われるものに疑問がありました。

よく聞く説に「ライヴは録音を前提としていない。当時はその演奏会の音源を後世の人が聴くなんて誰も思っていない。」「ライヴは一回性である!」

その通りにも思えますが、本当でしょうか❓

というのも例えばホールを使用した演奏にも幾つか種類があります。
まず お客の入っていないリハーサル。そして客入りのライヴ。
録音においては、販売用のスタジオ録音。お客さん無しの放送用録音。
そして、お客さんの入った放送用のライヴ録音。

これだけでホールを使用した音楽に5つものパターンがあります。

放送局の録音には客の有る無しに関わらず大きなマイクが設置され、録音は放送で流され、しかも録音テープ等は大変高価で、ゆえに経費の事情からも再放送される事が考えられます。
そして他の国の放送局とも提携し、録音テープからレコードが製作され他国での放送用として送られます。

当然オーケストラのメンバーも指揮者も、その日のライヴ録音がどのように扱われるか自覚したうえでの演奏となります。
今の会場内だけの出来事として終わらないのは周知の事実です。

放送局のオーケストラは、基本 楽譜に忠実な演奏が求められると聴きます。

さて、ここでのシューリヒト指揮によるライヴ演奏はどうでしょう?

まるで放送局付属オーケストラである立場を忘れたような演奏で、録音されている事を意識していないかのようにも感じます。

この日の事情や条件は分かりませんが、何か今となっては聴く事が出来ないはずの、録音を意識しない所にあった 当時の真正ライヴの様子を垣間見た気分にもなってしまう不思議な一枚です。





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最終更新日  2023.12.28 10:46:16 コメントを書く


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