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研究員A
「す・・・・すみません!所長!!」
マアト
「 まったく!いったい何年科学者やってるんだよ!?
もう40だろ?いい年してシャーレの取り違えなんてありえないだろ!?
・・・・・・・あ~ぁ、無能な部下のお蔭で3週間分の研究成果が全て台無しだよ・・・・。
ザクエル様への研究成果の報告も遅れ気味だし・・・・・こんな間違えにずっと気付かないなんて、ここに居る君達もいったい何やってるの?
チームを組んでいるのに僕が居ないと基本的な事も満足に出来ないのか!?」
研究員A
「も・・・・申し訳ありません、直ぐにやり直しを・・・・」
マアト
「 もういい!
君は信用出来ないから後は僕がやるよ!
君はラボの掃除でもしていろよ。
あぁ、君!
後で僕が書類をチェックしておくから今までのデータを全て纏めておいて!」
研究員B
「は・・・はい、解りました。」
バ ターン
研究員A
「す・・・・すまない、私のせいで君達まで・・・・」
研究員C
「気にする事ないですよ、ありゃぁタダの八つ当たりだ。
・・・・ったく!
自分がザクエル様からの仕事を失敗したからってイライライライラ、迷惑もいいトコだよ。
こちとら徹夜で働き詰めなんだ、シャーレの一つくらいの間違えでガタガタ言うなよな~!」
研究員B
「あぁ、気にするな、所詮研究所の人口羊水で育った【カプセルベビー】だ、仕事の知識だけ詰め込んだただの頭デッカチさ。
人の気持ちなんて何年経っても解る筈もないだろうよ。
・・・・・・あ~ぁ、この春にザクエル様のラボに転属になった奴らが羨ましいよ・・・・」
研究員D
「あぁ、ザクエル様の下に行く奴らは皆仕事をするのがやり易くって研究成果も伸びてるって言ってますよね。・・・・・しかし、ここに来る前からここの噂は聞いていましたたけれども、聞きしに勝るって感じですね~。いくらラボの所長の席を与えられたと言っても、14そこそこのガキにああいう風に顎で使われるなんてたまんないっすね」
研究員C
「だから俺達みたいな 理解のある
30歳以上の人格者がここに配属されるんだろ?
悔しいが、確かにマアト所長殿の腕は確かだからな~。
【カプセル坊や】 (マアトの事)
もザクエル様の前じゃ笑える程 しおらしく
なるし、ザクエル様も【カプセル坊や】の本性、知らないんじゃないのかな~?」
研究員D
「あぁ!俺、この前ザクエル様とマアト所長殿が一緒に居る所を始めて見ましたけれども、本当に俺らと居る時との態度が180度違って、借りてきた仔猫みたいに可愛らしくなっていて思わず笑っちゃいそうになっちゃいましたよ~!いつもああいう風にしてりゃぁホント、可愛いのに・・・・・・・・・
あれじゃぁ、確かに流石のザクエル様も騙されるわな。」
研究員B 「ザクエル様は本当にお優しくて人を疑う事の出来ない方だから、表面に騙されて気付かないだろうな~。」
研究員A
「私はザクエル様のラボからここに配属されたんだが、ザクエル様は本当に神の使者に相応しい方だよ。
ここに来る時も
『マアト君は優秀な研究員です。
だが、若い・・・・若いゆえにどうしても避けられない色々な問題もこれから出て来ると思います。
だからこそ貴方のような信頼出来る優秀な研究員に付いていて欲しいんですよ、どうか若い彼を育てるつもりで彼のサポートをお願いします』
って気遣って送り出して下さったんだ」
研究員C
「へぇ~、そうだったんですか~。
・・・・ったく、ちょっとはザクエル様を見習えって言うんだよな~。」
研究員B
「あ~ぁ、ザクエル様にお願いされちゃったあんたには悪いけど、俺、他のラボに移りたいよ・・・・」
研究員C
「俺も~」
ハァ・・・・・
マアト
(
最っ悪!
)

マアト
(・・・・本当に最悪だよ。
銀狼捕獲失敗
(【逃亡者『64』】・・・・『銀狼捕獲作戦『6』』)
からまるで運が尽きたように、無能な部下のお蔭でガタガタと実験の失敗は続くわ、計算通りの研究成果は出せないわ・・・・・)

マアト
(・・・・・ザクエル様はお優しい方だから、僕を責めない・・・・でも、きっと僕の事に少なからず失望している事は確かだろう・・・・
今まで上手くやってこれたのに、どうしてここに来て・・・・)
マアト
ハァ・・・・
「・・・・早くザクエル様の信頼を取り戻したいのに何もかも上手く行かない
・・・いったいどうすればいいんだよ・・・?」

チャキチャキチャキ・・・・
!?

チャキチャキチャキ・・・・~♪
マアト
「・・・・・【植木屋エド】~!ここの植木はもうお前が全部綺麗にカットしたんだろ?
これ以上どこをどうカットするって言うのさ・・・・?」

エド
「あ・・・・・あ・・・・?」
マアト
「 フン・・・・
お前は良いよな、バカだから何にも悩みがなくって。
・・・・それにしても、僕の防腐剤をザクエル様が欲しがったから何に使うのかと思ったら、まさかお前みたいな奴の皮膚の為に使ってただなんてね。
その防腐剤、気に入ってたんだぞ?
あんなに沢山あったのにお前のお蔭で全部無くなっちゃったから、また最初から作り直しだよ・・・・・。」

エド
ニコ・・・
「あ?・・・・あ~?」

マアト
「バ~カ、何もお前の事なんか褒めてないよ、嬉しそうな顔するな。」
~~♪~~♪
チャキチャキ・・・・
マアト
(・・・おまけにコイツ・・・・・最初の頃はいつのまにかフラっと現れて
得体が知れないし、
ザクエル様にベッタリだったから気に食わないなと思ってたんだけど、まさかこんな事になるとはね・・・・)
―1週間前―
ザクエル
『あぁ、マアト君丁度良かった、君にお願いしたい事があったんですよ。
彼はエド君と言うのですが・・・・』

そいつは何でも、カイム幹部が保護して来た児童虐待児で、長年親から虐待を受けてきた男なんだそうだ。
幼い頃からネグレクト (親が子供の育児を放棄する事)
を受けてきたようで、長年日の当たらないような部屋での監禁生活に加えて、虐待による裂傷も長年消毒されないまま放置された事により皮膚はボロボロに壊死をおこし、更に、食事を満足に与えられなかった事による栄養失調の為に心身共に充分に成長出来る事が出来なかった結果、言葉を話す事が出来ないのだそうだ。
おまけに父親がマッドサイエンティストだったらしく、何を思ったのか自分の息子の両手首を切り落とし、巨大な鋏に差し替えてしまったんだそうだ。
ザクエル様の技術だったら、両手首をドナーから移植して手術で治す事は可能だそうだが、長年の虐待で心臓が弱っており、手術中の麻酔に心臓が耐えられないとの事・・・・。
ザクエル
『・・・・ですからね、彼の心臓が手術に耐えられるようになるまで私がカイム幹部から預かって面倒を見る事になったのですが、私自身とても忙しくてずっと彼の側に付いてあげる事が出来ないのです。
ですから、1番信頼出来るマアト君に私が居ない間彼の面倒を見て欲しいのですよ。
・・・・・・大変だとは思いますが、お願いして良いでしょうか?』

マアト
(・・・・・ザクエル様はあんな大失態を仕出かした僕の事を『1番信頼出来る』と仰って下さった・・・・素直にその言葉は嬉しいけれども、本当に僕の事を許して下さったんだろうか?
子守なんて誰でも出来そうなのに、あんな失態をしでかしたばかりの僕に何でわざわざ・・・・・・・?
まさか僕、逆に使えない奴だと思われて見限られ・・・・・・・・
ううん!
あの方はそんな方じゃない、きっと本気でそう思って言って下さっているんだと思う。
思う・・・・けど・・・・・)
マアト
(・・・・ザクエル様・・・・・)
―銀狼捕獲失敗3日後―
マアト
」
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