DR. きぎ こういち のレトリート              (RETREAT)

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January 16, 2013
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カテゴリ: 医学

  第二のピークは秋から冬にかけてです。寒く乾燥してくると風邪、インフルエンザ、ノロウイルスなどが流行します。これらの感染症から来る発熱、下痢、嘔吐などで体液が失われると脱水症になりやすくなります。「かくれ脱水」を早期に見つけ、脱水症を起こさないことが大切です。
*高齢者が脱水症になりやすい理由
・筋肉量が低下する
加齢と活動量の低下により、高齢者では筋肉量が低下しています。筋肉はカラダでもっとも多くの体液を含んでいる場所。筋肉量の減少は体液の減少に直結し、脱水症のリスクを高めてしまいます。
・喉の渇きを自覚しにくい
脳の視床下部には、喉の渇きを感じる「口渇中枢」があります。加齢とともに口渇中枢の機能が下がり、体液が減少しても喉の渇きを自覚しにくくなります。「喉が渇いていない」のではなく、「渇いているのがわからない」から、水分摂取が遅れがちになってしまうのです。
・腎臓の機能が低下する
体液の喪失を防ぐには、腎臓で水分や電解質を再吸収する必要があります。動脈硬化やホルモン環境の変化に伴い、加齢とともに腎機能が低下するため、水分や電解質が失われて脱水症のリスクが高まります。
・全体的な食事量が不足する
飲み物だけではなく、食べ物からも1日1,000mlほどの水分と電解質を摂取しています。加齢で食が細くなったり、食べ物を飲み込む「嚥下機能」が低下したりすると、全体的な食事量が減り、水分と電解質が不足しやすくなります。
・トイレに行く回数を減らしたいから、水分を摂らない
体液を維持するホルモンの一つに、抗利尿ホルモン(ADH)があります。抗利尿ホルモンは腎臓で水分と電解質の再吸収を促しますが、加齢とともに抗利尿ホルモンに対する腎臓の反応がダウンします。すると薄い尿がたくさん出るようになりますが、高齢者本人が夜間などに頻繁にトイレに行くことを嫌がったり、介護者に気を使ったりした結果、水分摂取を制限すると脱水症に陥りやすくなります。
・利尿作用を持つ治療薬で体液を喪失しやすい 加齢とともに高血圧や心不全に罹患している人の割合が高くなります。高血圧や心不全の治療薬は、血圧を下げ、心臓の負担を減らすために、尿を増やす利尿効果を持つものがあります。これらの治療薬を使用すると尿の量が増え、体液を失いやすくなります。
・高浸透圧食品の摂取で相対的に水分量が不足する
食事量が減少しやすい高齢者には、不足したエネルギーを補うために経腸栄養剤などを用いるケースが多くあります。経腸栄養剤は体液よりも濃度が濃い(浸透圧が高い)ので、体液の濃度を保つために相対的な水分不足が起こります。





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Last updated  January 16, 2013 07:48:46 PM
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楽天9215 @ Re:信州真田紀行・松代(07/10) 毎年北陸新幹線に乗って信州で下車してい…
楽天9215 @ Re:立山でブラタモリ(10/18) 本屋に行くと多数のブラタモリの本が出て…
夢穂 @ Re:立山でブラタモリ(10/18) おはようございます。10月はお天気が 悪…
夢穂 @ Re:信州真田紀行・松代(07/10) 歴史あふれる素敵な土地ですよね 温泉もあ…
楽天9215 @ Re[2]:高齢化で増え続ける社会保障費(04/30) 夢穂さん わたしはベビーブーム世代です。…

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