1. 「大丈夫だろう」という思い込み
住宅価格は永遠に上がる。ローンは返せるはずだ。CDOは安全だ。 こうした正常性バイアスが、危険の兆候を見えなくしていきました。医療でも、「この患者さんは今日も安定しているだろう」「この薬はいつも通り効くだろう」という思い込みが、重大な見落としにつながることがあります。
2. リスクを遠ざける構造
危険なローンを混ぜてパッケージ化し、リスクを見えなくする仕組みが横行しました。医療でも、複雑なシステムの中で責任の所在が曖昧になり、誰もが「自分の担当ではない」と思ってしまうことがあります。リーマンショックは、リスクを遠ざけるほど、リスクは増幅するという教訓を残しました。
3. 信用の崩壊は、健康の崩壊に似ている
金融市場では、「誰がどれだけ危険な資産を抱えているか分からない」という不安が広がり、資金の流れが止まりました。人体でも、炎症や感染が広がると、血流が滞り、臓器が機能を失っていきます。社会も身体も、流れが止まると危機が深まるという点でよく似ています。
4. 破綻の衝撃は、弱いところから襲う
リーマン破綻の余波は、金融エリートよりも、派遣労働者や中小企業の従業員を直撃しました。医療でも、災害や感染症の流行は、社会的に弱い立場の人から影響を受けます。社会のショックは、いつも弱いところから壊れていく。その現実を、医師として痛感します。
5. 資本主義のバグと、医療の使命
利益は自分たちに、損失は社会に、という構造的欠陥が反省されています。医療の世界は、その逆を目指す営みです。誰かの痛みを、誰かの損失を、少しでも引き受けるために存在しています。リーマンショックを振り返ると、医療が社会に果たす役割の大きさを改めて感じます。
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