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2006.05.08
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抜粋

文部科学省の「学校基本調査」及び「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(以下、「問題行動等調査」という。)においては 、「不登校児童生徒」を何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの として調査しており、本協力者会議においても同様に不登校を定義して検討を行った
  文部科学省の調査によると、国・公・私立の小・中学校で、平成13年度に「不登校」を理由として30日以上欠席した児童生徒数は、小学生2万6,511人、中学生11万2,211人の合計13万8,722人であり、調査開始以来最多となっている。これを全体の児童生徒数との割合で見ると、小学校では275人に1人(0.36%)、中学校では36人に1人(2.81%)となっており、小・中学校の合計では全児童生徒数の約1.2%を占めている。
  学校数について見てみると、全公立小・中学校中、不登校児童生徒が在籍する学校の割合は、平成3年度は約39.3%であったのが平成13年度は約57.6%となっており、半数以上の学校に不登校児童生徒が在籍しているという状況となっている。同時に、1校当たりの平均の不登校児童生徒数も平成3年度には約4.8人であったのが平成13年度には約7.0人に増加している。
  また、学年別に見ると、学年が上がるにつれて不登校児童生徒数は増加しており、特に小学校6年生から中学校1年生、中学校1年生から2年生の間で大きく増加している。    
不登校となった直接のきっかけについては、「学校生活に起因するもの」が36.2%、「家庭生活に起因するもの」が19.1%、「本人の問題に起因するもの」が35.0%となっている。それぞれに含まれる事項毎に見ると、「(特に直接のきっかけとなるような事柄がみあたらない)本人に関わる問題」(28.6%)、「友人関係をめぐる問題」(19.7%)、「親子関係をめぐる問題」(9.7%)等が多い。またこれらの推移を見ると、「友人関係をめぐる問題」の比率が伸びている。
  これを小・中学校別に見ると、小学校においては「本人の問題に起因するもの」のほか、「家庭生活に起因するもの」の割合が高い。中学校においては「学校生活に起因するもの」の割合が最も高く、「本人の問題に起因するもの」が続く。また、個別の事項では、小学校と比して中学校では「学校生活に起因するもの」のうち「学業の不振」の割合や「友人関係をめぐる問題」の割合が高くなっている。
  また、調査方法等が異なるため単純な比較は困難であるが、不登校経験者に直接聞いた「不登校経験者の実態調査」においては、「友人関係をめぐる問題」が最も多く、44.5%を占めており、続いて「学業の不振」が27.6%、「教師との関係をめぐる問題」が20.8%であるなど学校生活に関わるものが顕著となっている。さらに、同じ調査の中で行われたインタビュー結果では、いじめや体罰等の存在を指摘する声があった。

  文部科学省においては、不登校の要因や背景についても可能な限り把握し、適切な対応を図るために、不登校状態が継続している理由(不登校の態様・タイプ)についても調査をしており、平成13年度においては、「不安など情緒的混乱」が26.1%、「複合(複合的な理由によりいずれの理由が主であるか決めがたい)」が25.6%、「無気力」が20.5%となっている。推移を見ると近年「複合」の割合が伸びており、不登校の要因・背景の複合化や多様化がうかがわれる。また、小・中学校別に見ると、小学校においては、「あそび・非行」型の占める割合が0.7%であり最も少ないのに対して、中学校においては13.6%を占めている。

児童生徒をめぐる課題の中には、最近の社会的な関心の高まりに伴って、不登校との関連性が注目されるようになってきているものが見られる。
学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD) 等の児童生徒については、周囲との人間関係がうまく構築されない、学習のつまずきが克服できないといった状況が進み、不登校に至る事例は少なくないとの指摘もある。最近文部科学省が教員を対象に行ったアンケート調査の結果によれば、LD、ADHD等の児童生徒は、小・中学校の通常の学級の在籍者の約6%に達するとの見方もあるところである。
  また、保護者による子どもの虐待については、近年深刻の度を増してきており、平成13年度の児童相談所における相談処理件数は23,274件に達している。虐待を受けた子どもの約半数は小・中学生が占めており、虐待の内容は、身体的虐待、性的虐待、保護の怠慢・拒否(ネグレクト)、心理的虐待と様々である。このうち、ネグレクトには、保護者が学校へ行かせないなど登校を困難にするような事例が含まれており、不登校の背景にそうした疑いがあるものも見られる。また、いずれの種類の虐待であっても、子どもの心身の成長に重大な影響を及ぼすものであり、人間関係をつくれなかったり、非行に走る要因になることなどが懸念される。
  もちろん、LD、ADHD等の発達障害のある児童生徒や虐待を受けた子どもが直ちに不登校になるということでは決してないが、これらの課題に適切な対応をとることは、不登校対策上、重要な意味を持つものと考える。

高等学校における長期欠席の課題への認識

  従来は、不登校については、主に義務教育段階の課題としてとらえられ、高等学校における生徒の長期欠席については、行政として必ずしも十分に実態把握がなされてこなかった。しかし、高等学校進学率が約97%に達する現状においては、高等学校における長期欠席の実態があることを認識することは、高等学校における生徒の不適応への対応を図る観点からも、また、中学校時に不登校であった生徒のその後の支援を考える観点からも重要である。高等学校における不適応への対策を検討するために、まずは、高等学校における長期欠席の実態を把握することが今後必要であると考えられる。

「ひきこもり」問題との関連

  近年社会的な関心が高まってきている、いわゆる「ひきこもり」については、様々なとらえ方がされており、 公的な定義はないが 、ある調査(社団法人青少年健康センター調査、平成12年11月実施)では 、「6ヶ月以上自宅でひきこもって社会参加しない状態(学校や仕事に行かないまたは就いていない)が持続しており、統合失調症等ではないと考えられるもの」とされている。 この調査結果によれば、年齢層は、一部に学齢児童生徒を含むが、多くはそれ以上の者であり、20歳代や30歳代の者も相当の割合を占めている。この「ひきこもり」は、児童生徒の社会的な自立を目指すという、本協力者会議の基本的な考え方に照らして、見過ごしにできない問題である。
不登校と「ひきこもり」の関連性については、前述の調査によると、「ひきこもり」の1年間の相談件数のうち約40%が小・中・高等学校での不登校の経験を持つといった結果が示されている。これは現在「ひきこもり」状態にある者の経験について分析したデータであり、不登校から必ず「ひきこもり」状態になると 誤解 してはならない 。しかし、一方で、不登校の深刻化からその後長期にわたる「ひきこもり」につながるケースもあり、「ひきこもり」を防止する観点からも、不登校への早期の適切な対応は重要であり、また、社会全体で不登校に関する課題に取り組む意義は大きい。
  なお 、「ひきこもり」 については、 家族の不安・焦燥感が本人への圧力や叱咤激励につながり、更にそれが本人の焦りを招き「ひきこもり」状態を継続させるといった悪循環が生じることがあり、 これを脱するためには、本人や家族の努力のみに任せるのではなく、専門家等の第三者の関わりが欠かせないという指摘がある。この点は「ひきこもり」状態を示す不登校児童生徒やその保護者への対応を考える上でも示唆となろう。







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Last updated  2006.05.08 04:22:40
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