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こうへいくん ありがとう
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親の気持ち・親の疑問(5)
「私(たち)がいなくなったらどうなるのでしょう」
く末をこのように心配されていることでしょう。事実この言葉は、親の
会などでよく聞かれます。
前号まで、親御さんのさまざまな言葉に意見を返していた私も、これ
を言われると返す言葉が見つかりません。もちろん、これから意見を申
し上げますが「何を言っても気休めにしか聞こえないだろう」という忸
怩(じくじ)たる思いがあります。
それは、この言葉が正論だからです。親である以上、そういうふうに
心配して当然ですし「大丈夫。必ず社会に出られるようになる」などと、
将来を予言するような励ましを言っても、リアリティを感じていただく
ことができないことは、私にもよくわかっています。
現代社会は、それほどまでにブランクのある若者に冷たい社会ですか
ら。
そう認識しながらも、あえて私がコメントするとすれば、次のように
なります。
親御さんの、自分(たち)がいなくなったあとのお子さんの行く末へ
のご心配の内容は、大まかに言って次の三点ではないでしょうか。
1. 親無しで社会参加できるようになるのか。
2. 社会参加できるようになるまで、誰が経済的な面倒を見るのか。
3. 社会参加できるようになったとして、就職口があるのか。
しかし、よく考えると、これらはすべて社会の側の課題であることに
気づきます。一点目は支援システムの充実、二点目は社会保障制度の運
用、三点目は企業社会の柔軟性、という課題に行き着くのです。
言い換えれば、ひきこもり青年に対するこれらの課題への取り組みが
進めば進むほど、 誰にとっても生きやすい社会
になっていきます。その
意味でも、ひきこもり青年だからということではなく、誰でも生きやす
い社会を実現する一環として、ひきこもり青年に社会が対応することの
重要性を、現代人は認識する必要があると私は考えています。
「そうは言っても・・・」ということですよね。
社会が進歩するまで何年かかるのか。それまでの間、わが子はどうな
るのか。
あるいは、社会保障のお世話になるような、みじめな人生を送ること
になってしまうのか。
親というのは「自分が生きている間に、わが子に一人前になってほし
い」「わが子がまともに生きていけることを見届けるまでは死ねない」
などとお考えになるものだと思います。
この思いを私なりに翻訳させていただくなら「親が生きている間に結
果を出してほしい」ということになるのではないでしょうか。
「結果を出す」というのは無味乾燥な表現ですが、学校を卒業する、
就職する、あるいはそこまで行かなくても、せめて他人の中に入ってい
けるようになる、外出できるようになる、・・・など"精一杯譲歩しな
がらの切なる願い"を指しています。
ただ、そのことは、お子さん自身もよくわかっていると思います。
前号でもお話したように、本人は常に「何かしなければ」と焦って
いますし、その気持ちの背景には「親が健在なうちに」という要素も含
まれていることが多いはずです。
しかし、本人が計画的に「あと何年で結果を出す」と決められるもの
ではありませんし、 支援者が強制すれば実現するものでもありません
。
本人がいつ「結果を出す」かは、誰にも予想できない、極論すれば、
"神のみぞ知る"というレベルの事柄です。
ただし「親が生きている間に結果を出す」ことにこだわらなければ、
現在の親御さんの対応によって、わが子の行く末に良い影響を与えるこ
とは可能です。
それはどういう対応なのか。いささかロマンチックに過ぎるという
そしりを覚悟の上で、私の考えを申し上げます。
家庭のなかで、小さなことでもいいから喜びや楽しさを見つけて本人と笑い合う、そんな楽しい生活を、最後の最後までやり抜くことです。
楽しい生活は「生きる喜び」という栄養になります。それはお子さん
の心身にも蓄積され、将来ひとりになったとき、生きるエネルギーとし
て使われ始めるのです。
私はこのことを、次のような"法則"として端的にまとめています。
親亡きあと、本人が幸せに向かってしっかり生きていけるかどうかは、
親子で生活していたときの、本人の 笑顔の数に比例する。
現在のお子さんとの生活で、お子さんが笑顔をたくさん見せるほど、
将来ひとりになったとき、前向きに生きる力がより多く蓄えられていく
のです。
5回にわたって、親御さんの「考えさせられる印象的な言葉」や「多
くがおっしゃる言葉」を取り上げ、それに対する私の意見をお伝えする
という、いささか僭越な連載をしてきました。
次号では、前号の最後にお願いした「親御さんからのご意見ご感想」
または「こんなことをよく思う、よく言ってしまうという言葉」が寄せ
られたら取り上げます(末尾の「ご感想ご意見お便り」のアドレスをク
リックして出たメールフォームをご使用ください)。8月9日までに寄
せられなかった場合は、このシリーズは今回で終了します。
:筆者:丸山 康彦(まるさん)
スクールソーシャルワーカー(訪問子ども援助職)。高校時代、
不登校と留年の末、入学7年後に卒業。高校講師・ひきこもりを経て、
1999年4月に個人事務所「教育対策研究所」を開設。2001年10月に
当ヒューマン・スタジオを設立し代表に。
━━・● ご あ ん な い ●・
◎ 当メルマガ執筆者丸山が代表をつとめる教育相談機関・・・
「ヒューマン・スタジオ」は、
スクールソーシャルワークという援助法にもとづき、面接のみならず、
相談員自ら家庭や学校を訪問し、本人を支えつつ周辺状況を改善する
ことで、当事者主体の問題解決をめざしています。
詳細は「ヒューマン・スタジオ」のホームページでご覧ください
→ http://homepage3.nifty.com/Husta/sodan/
◎ ヒューマン・スタジオが、親御さんや教育・援助の関係者に贈る、
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次号は夏季休業のため休刊します。
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安心・安全な地域創りを・・・・・ 2006.10.23
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