隊長さんの山ある記

隊長さんの山ある記

Nov 30, 2025
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カテゴリ: 登山・ハイキング
11月21日に天国へ旅立ったサラの追悼登山に行ってきました。ウィンク行った先は、サラと一緒に何度も登った安倍奥の山伏(やんぶし)標高2014m。単独や仲間と行くときは、クラシックコースの梅ヶ島・西日影沢から入るのが通例だが、サラと一緒の時はソフトコースである猪の段(いのだん)登山口から入山するのがいつものことだった。ここを通る林道勘行峰線(りんどうかんぎょうみねせん)が明日12月1日から来年の4月30日まで冬季通行止めになるので行くのは今日しかない。幸い空は雲一つない青空、ほとんど風もなく絶好の登山日和である。熊騒動があちらこちらで持ち上がっているので、うるさくてあまり好きではないが熊よけの鈴を鳴らしていくことにした。今日の目的は、山頂へサラの散骨をして来ること。これで自身の気持ちに一区切りつけたいと思ったからだ。なお、奇しくも今日30日は、あまりうれしくもないがボクの誕生日でもある。81才になってしまった。クール

林道沿いに多く立つカラマツの黄葉は完全に終わりすっかり冬支度の様相であった。
外気温は8℃、思ったより寒くジャケットを1枚羽織って出発!







あれはこのあたりに多いウラジロモミだったのだろうか
サラとこの木の根っこで日向ぼっこした思い出がよみがえる~






ズミの群生も落葉し丸裸である。ゆえに林がとても明るい!





この猪の段コースは、百畳平まで場所によっては、二重、三重山稜が多く、やや複雑な地形をしているので秋口の落ち葉が堆積している状態が登山道を隠してしまうため要注意!赤布やテープなどでマーキングはされているのでそれらを見失わないように注意をしたいところだ。今日も、赤テープを用意してきたので、ここはという箇所には付けておいた。




錦秋を華やかに彩ったブナや、、





ダケカンバも完全に落葉して丸裸~





樹木にからみついて生を得ているサルオガセが微風になびいていた~





いつもサラが喜んで走り回った百畳平にやってきた~
周囲の自然林も完全に冬の装いをしている。

山頂同様、ここも以前は、腰丈ほどもある笹が茂り夏には、いろんな花々が咲き誇っていた。ところがいつしか笹原が消え、裸地同然と化してしまった!当初はニホンジカの食害とばかり思っていたらそれだけではなく数十年に一度という笹枯れを起こしているらしく復活するには相当の年数を要するらしい。





黄葉するさまも好きだがこうしてすっくと青空に向かって立つダケカンバも風情があっていいもんだ!






人の気配も熊の気配もなく静寂そのものであった~ウィンク






広い山頂の一角にやってきた~幾日か前に降ったのか、所々に残雪を見る~びっくり





のんびりと時間をかけ、安部奥の最高峰、山伏(2014m)の小広い山頂へ到着~
まだ誰もいない静かな山頂です~

山伏は南アルプスの絶好のビューポイントの山としても有名。







絶好のこの地に、ほんのひとつまみだったけれど、サラの遺骨を埋めてあげることにしました。来る途中で拾ったダケカンバの樹皮にそっと包んで、土の中に埋めました。線香をたいてサラのいつものドッグフードに添えて大好きだったリンゴ、ジャーキーも一緒に。安らかに眠れとそっと手を合わせます~





その後、コンビニで買った簡単な昼食を済ませ、山座同定を楽しんだ~

屏風絵の如く並ぶ南アルプスの主峰は
左からこの光岳(てかりだけ)





茶臼岳を過ぎて、左から上河内岳、南岳、そして聖岳





盟主・赤石岳も雪化粧~
手前は青薙山だろう





そして、今回、赤石岳の山頂直下に建つ赤石避難小屋もはっきりと確認できました!
無雪期だと建物と屋根の色が山肌の色と同化して見にくいのですが、今日はまだ新雪が降ったばかりなので屋根にも雪がなく浮き立つように赤茶けた色の小屋が良く見えている。これは収穫!





そして、さらに右に目を転ずれば悪沢岳、その右にちょっぴり山頂部のみ見える塩見岳も確認~







さらに白峰南嶺の布引岳と双児峰の笊ケ岳と続く~
この写真では、見えにくいが、笊ケ岳から稜線を右方向に目を落としていくとこの写真では右の端っこにポツンと白く見えている山こそ日本第二の高峰・北岳の山頂なのである~







山伏の山頂から見える最も右に位置する鳳凰三山もよく見えていた~





のんびりと気の向くままに南アルプスを楽しんだ後、下山にかかる~
おそらく西日影沢コースから登ってきたであろう登山者がだんだん増えてきた。
その方たちの一人に富士山を背景にして記念写真を1枚撮っていただいた
(下の白い標識に書かれた「山伏峠」はこの山頂に立つ二等三角点の点名である)





サラよ、また来るからな~名残惜しく山頂をあとにする~
(なお、二等三角点の標石は、この写真の左下に見えているのがそうである)






富士山を撮るには絶好のポイント!立ち枯れた樹々が良いアクセントになっていると思う~
ここも以前は、一面の深い笹原で休憩する場所もないほど茂っていたものだが、ニホンジカの食害と笹枯れ現象でいまでは激変し、まるでゴルフ場ではないかと錯覚してしまうほどの変わりようである。再びもとの青々した笹原に戻るのはいつのことだろうか
(奥側は地肌が丸見えだが、手前の緑の笹は鹿よけの防鹿柵内に残っているもので夏には、ヤナギランの群生するやクルマユリなどが咲き乱れる)





かって、ヤナギランを保護するために伸びすぎた笹を刈り防鹿柵を立てたり補修したりボランティア活動に参加したことがあったが、今では静岡市が業者に頼んでやっているようだ。昔と違って今は、雪に
つぶされないように可倒式のネットに変わっている。この写真は、たたんで雪害を防ぎ来年の出番を待つ鹿よけのネット。若き日、山仲間たちと共にボランティア活動をした頃が懐かしい!メンバーはたいてい静岡県高山植物保護指導員として静岡県から委嘱された人たちが主で南アルプスの聖岳や茶臼岳、三伏峠での植生復元活動にも参加。あの頃がもっとも充実した山人生だったような気がする。





サラが好んで遊んだ百畳平に戻ってきた~




どこを見ても歩いてもサラの姿が目に焼き付いて離れない~
想い出のいっぱいつまった山伏の猪の段コースを歩き終えて林道に降りる際に訳もなく思わず「サラー」とありったけの大声を発した。同時に今日は泣くまいとこらえてきた涙がドッと溢れた。また来るからねというつもりで~


富士見峠からの帰りの車中からは、まだ残るすばらしい紅葉に癒された~





<参考コースタイム>
猪の段登山口10:10~10:20猪の段~11:00百畳平~11:10山伏小屋分岐~11:25西日影沢コース分岐~11:45山伏12:40~12:50西日影沢コース分岐~13:00山伏小屋分岐~13:05百畳平~13:30猪の段~13:40猪の段登山口

歩数計→11750歩  2.5万図 梅ケ島





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Last updated  Dec 2, 2025 01:10:12 PM
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Re:山伏~サラの追悼登山 2025.11.30(11/30)  
TSANYO  さん
雄大な南アルプス、中央アルプス、北アルプス・・・もう行くことはないだろうな・・(^^;) これからは、紹介してくれたような、”なんちゃってアルプス”なんぞを楽しんで歩いていきたいと思います。
富士山バックの写真! いいですね~ うらやましいです。
さらちゃんも素晴らしい景色の中でゆっくりとお眠りください。
PS: 前回のコメント、名前が抜けて失礼しました。 (Dec 2, 2025 09:56:30 PM)

Re:山伏~サラの追悼登山 2025.11.30(11/30)  
TSANYO  さん
雄大な南アルプス、中央アルプス、北アルプス・・・もう行くことはないだろうな・・(^^;) これからは、紹介してくれたような、”なんちゃってアルプス”なんぞを楽しんで歩いていきたいと思います。
富士山バックの写真! いいですね~ うらやましいです。
さらちゃんも素晴らしい景色の中でゆっくりとお眠りください。
PS: 前回のコメント、名前が抜けて失礼しました。 (Dec 2, 2025 09:56:30 PM)

Re[1]:山伏~サラの追悼登山 2025.11.30(11/30)  
ケンさん さん
TSANYOさんへ

コメントありがとうございます。私も加齢とともに高い山がだんだん遠くなってしまいました。最近は、自宅の裏山という感じの山々をなるべく欠かさないように日課として歩いています。南アルプスは北や、中央よりも近いとイメージがあったのでほぼ全山歩きました。若さのなせる技だったか静岡市内からすべて日帰りで行ってましたから、もう悔いはないですね。

サラもまだ10才でしたからそれほどの老犬というわけではなかったのですが病気ではいたしかたありませんでした。楽しかった思い出が多い分、悲しみも多く、なかなか本来の自分に戻れませんが時間の経過が忘れさせてくれるとおもうしかありません。お悔みのお言葉ありがとうございました。早く立ち直らなくてはと思います。 (Dec 3, 2025 02:42:56 PM)

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