ひょんな事から「カルメル会修道女の対話」の記憶を懐かしく三十数年ぶりに思い出した。
僕がドイツ留学をしている頃のことで、この作品をアナリーゼできたのは僕のまわりにフランス人がいたからでした。サティーに始まりプーランクの新しい音楽形式に強い影響を受けている頃でした。
この作品の二台のハープの使い方には興味を覚えた。ハープの使い方を間違える危険性を指摘され、それが良く理解できずに終わった。また観想会に興味を覚えたのもこの頃です。
帰国後に生涯の恩師と決めた菅原明朗先生から、管弦楽曲のレッスンの中で、この作品に再び出会うこととなった。日本では高価でなかなか入手できない総譜を見るチャンスに恵まれた。そして演奏時間二時間半強の総譜を一週間で全曲を写譜。ハープの使い方の危険性を恩師から得々と教えられ、ハープとの縁が切れ、写譜した総譜も今は残っていない。
30年以上も経って今回、昨年12月の演奏会でハープを恐る恐る使ってみた。トラウマか僕には荷が重いと思っていたが、ハープに魅了された。
この作品の使用楽器の中で思い出深いのは打楽器で、ムチとクロテイルが使われている。これらの楽器がフランス人の彼女の家にあるというので見に行きました。とんでもない家に住んでいてお屋敷、古いピアノやチェンバロ・クラヴィコード・オルガンから中世ルネサンス期の楽器等々に触れることが出来た。それにこの作品はフランス語歌詩なので、フランス人のドイツ語とドイツ語のあぶない僕との会話のドラマがあった。
昔のムチで音を出すのに苦労をし、鉄のカスタネットと言われるクロテイルの鳴らし方を屋敷の執事さんや使用人さんから教わったりと、あの頃のことを思い出しました。30才の頃なので随分昔の話です。
特に多くを学んだのは、劇中で使われる聖歌で、「聖霊来たり給え」「ラザロ」「アヴェマリア」「コルプス」「サルヴェ」のオーケストレーションでした。総譜をピアノ譜、弦楽譜、木管譜に編曲したのだが残しておけば良かった。後悔なんとかです。
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