ちゃむのバレエとオペラと海外TVドラマの日々

ちゃむのバレエとオペラと海外TVドラマの日々

2008.09.15
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久々に、秀逸な演出だと思った。


指揮:アレクサンドル・アニシモフ
演出:ペーター・コンヴィチュニー

ラーリナ:日野 妙果
タチアーナ:大隅智佳子
オルガ:橘 今日子
フィリピエーヴナ:加納 里美
エフゲニー・オネーギン:与那城 敬
ウラジーミル・レンスキー:大槻孝志

隊長/ザレツキー:北川 辰彦
トリケ:上原正敏

管弦楽:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団
※舞台装置・衣裳はスロヴァキア国立ブラチスラヴァ歌劇場所有



演出が興味の対象だったので、2とおりのキャストのどちらを観に行くか一瞬迷った。オペラ仲間に大隅さんのファンがいたことと、与那城さんのオネーギンを観たくなったので、今日に決定。

こうやって全幕通して聴いてみると、主役の大隅さん、与那城さんの声にほんのちょっとクセがあって、気にならないといえばウソになる。

でも、結果として2人とも健闘した。尻あがりに調子が出てきた感じ。
最後の第3幕第2場は感情の全投入ですばらしかった。


話題の演出だが、世人の話題になっているとおり、第2幕の最後が出色。
レンスキーとオネーギンは決闘をやめようとするが、群衆に取り囲まれ、2人とも押しつぶされそうな状況で突然銃声がして、血を流したレンスキーが群衆の輪の中から倒れ出る。



閉塞した社会と、抵抗しきれない人間と、そこに生まれる悲哀が痛いほど伝わってきて、コンヴィチュニーってすごい・・・とつぶやいてしまった。

その後、グレーミン公爵とタチアーナは2階の左バルコニー席に登場。
今回、私は珍しく4階正面席右寄りのチケットだったので、バルコニーの歌手が見えてよかったけど、3階以上の左バルコニー席の人にはちょっとお気の毒。

(いつもはバルコニー席上階に陣取るのだけど、今回は出演者に取ってもらったチケットだったから、もしかして演出を意識してくれたのかも)

単に登場する場所が意表を付いただけでなく、舞台(オネーギンがいるところ)との距離感が物理的な距離以上のものを表していた。


蝶々さんにもミミにもヴィオレッタにも涙を落とさないのにねえ・・・。

だけど、今回は涙ぐんだその一瞬あとに、一番可哀そうなのはタチアーナだと初めて思った。オネーギンを永遠に振ったあと、普通はその場を去ってしまうのだけど、この演出ではタチアーナはずっと(音楽が終わっても)昔のオネーギンにあてたラブレターを破り続けている。

オネーギンは人を愛せず屈折した人生で、ここにきてやっとタチアーナによって
血の通った人生になったのだと思う。むくわれなくとも、それはある意味幸せなのではないだろうか?

本当に愛する人以外と穏やかな人生を続けていくタチアーナこそは、これからが心の地獄よね、と今回の演出ではじめて思ってしまった。

何にしても、ブラヴォ!コンヴィチュニーと今回は素直に言えます。





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Last updated  2008.09.16 01:48:53
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