タイトルはパン屋さんの名前です。

13年前、私が結婚して阪急西宮北口駅から東に徒歩10分ぐらいのハイツに住んでいた頃、
駅までの行き帰りの際に目の前を通っていました。
小さくてそれほど目立たない店舗なのですが、ご主人が裏の釜でパンを焼いていて
奥さんが前の店舗で売っているという何とも言えない雰囲気を持ったお店です。

いつも目の前を通っていたのですが、ある時パンを買ってみようと立ち寄って
エーゲンの魅力にハマりました。
手作りパンの素朴な美味しさはもちろんの事、奥さんとご主人の内面からにじみ出る
本当に温かい気持ちに心打たれます。

「今日は寒いですね。風邪ひかない様に気を付けて下さいね」などと声を掛けてくれるのが
当たり前でした。そして買ったパンに、さりげなく1つサービスのパンを加えてくれるのも
粋な計らいでした。

そんなエーゲンですが、結婚してすぐ阪神大震災が起きて実家に戻り、数ヶ月して自宅に
戻って来た時にも「大丈夫でしたか？こうやって顔を見かけると安心しますよね」などと
言われました。エーゲンは地震の後もずっと開業していたようです。
そう言えばエーゲンに驚いたのは、いつ見ても店が開いてる事でした(笑)。
朝出勤する時には既に開いてて奥さんが挨拶してくれますし、残業して夜遅くなっても
店の明かりがついてます。「いつ寝てんねん」って思うほどです。

そのハイツには2年ほど住んで、嫁さんに上の娘が妊娠した時に実家に戻ったので
それっきりになっていました。

今度はJR西宮と阪神西宮に近い方に引っ越したので西宮北口方面のエーゲンは行く機会が
ありませんでした。

・・・で、今日。エーゲンに行ってみたんです。もしかしたら10年ぶりぐらいに
なるかも知れないです。

ふと嫁さんと「そう言えばエーゲンってまだあるんかな？」という話になり、昨日

子供達はもちろん知らないので「何それ？」って感じでしたが、いきさつを説明して
皆でパンを買いに行く事にしました。
とは言ってもそんなに大層な話ではなく車で10～15分も走れば着いてしまうんですが(^-^;

エーゲンはありました。
店舗はかなり古くなっており店の中も何だか薄暗かったのですが、確かにそこにありました。
店に入ると、あの奥さんが全然変わらず挨拶してくれました。疲れた感じなのに全く
疲れを感じさせない笑顔と会話も健在です。
中には中学生ぐらいの女の子が2人たむろしていました。学生さん馴染みの店なのでしょう。
安いし奥さんが気さくでおしゃべりな人なので。
「今帰りですか？」と聞かれたので「いえ、今から出かけるところなんですよ」と
特に行くあても無いのにそう答えました。すると「遠出されるんですか？出かけると
どこで何が起こるか分からないので気を付けて行ってらっしゃいね」と訳の分からない
気遣いもしてもらい(笑)、さらには「すぐ食べるんならパンは温めた方が良いですね。
ちょっと待って下さいね」と言って、選んだパンを全て釜で温め直してくれたんです。
その時ご主人が出てきました。ご主人も全く変わってません！お年を召された感じですが
温かそうな雰囲気と長年仕事を守ってきた風格のある何とも言えない味があります。
明るい挨拶で見送られて店を出て、車で移動中にパンを食べました。
子供達も「美味しい！」と喜んでくれました。温め直してくれたのでみんなホクホクでした。
自家製の手作りパンなので変わったのもあって楽しめます。
私が選んだパンの1つに、プルコギっぽい焼き肉を上に乗せたようなパンがあったのですが
それが美味しかったです。
また、家族4人で7つのパンを買ったのに全部でジャスト900円という値段も嬉しかったです。

エーゲンがまだそこにあってくれて良かった。奥さんとご主人が元気に仕事をされていて
本当に良かったと心の底から思いました。また機会があったら行きたいと思います。

Webで調べたら住所や電話番号も公開されているところがあるので勝手に宣伝しても良いと思い
載せておきます。ご近所の方で興味がある方は行ってみて下さい。
どこか懐かしい感じに心温まれるかも知れません。

住所：兵庫県西宮市高松町20-19
電話番号：0798-64-2359
地図： Googleマップより

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