mixiのつぶやきを見て知りました。雀右衛門丈の訃報。
最近は舞台には立たれず 歌舞伎座閉場式の様子をTVで見た時もたしか車椅子に乗っていられたように記憶しています。
御年91歳ですから 年の数に不足はなけれど・・・ではありますが その舞台姿の若々しさを思い出すと。
自分が歌舞伎を観はじめた頃の幹部俳優は これでみんな鬼籍に入られたんだなぁ ひとつの時代が終わったなと思ったらぽっかり心に穴があいたような感じがしました。自分でも驚くほどの寂寥感でした。
雀右衛門さんの舞台で強く印象に残っているのは 国立小劇場で観た「新口村」の梅川。
現仁左衛門の忠兵衛 13代仁左衛門の孫右衛門でした。
先月の 「映像でたどる国立劇場の歌舞伎」で話が出ましたが、小劇場での「歌舞伎公演」 ぜひ検討してもらいたいと思います。
あの空間だからこその 濃密な臨場感。花道で孫右衛門が手を息で温めた時 一瞬にして劇場全体が雪一色のなにもない新口村に変わった 目の前にその風景が現れ(たように思った)時の「うわっ」という驚き
もう一度 体験したいものです。
演舞場4月公演のチラシを見た時 とうとう?花形で「仮名手本忠臣蔵」の通しができるようになったのか(しかも浅草ではなく演舞場で) という感慨がありました。
「仮名手本忠臣蔵」でまっさきに私の頭に浮かぶのは 国立劇場開場25周年記念(?)の3カ月かけての通し上演なので。
この公演で 5段目の勘平を演じたのが先代の勘三郎丈でした。
それまでに 孝夫(現仁左衛門)の勘平を観ていたのでこの配役を知った時の正直な気持ちは「えぇ~、おじいさんの勘平って・・・」だったんです(苦笑)
ところが 勘三郎の勘平の瑞々しさ、志半ばで死なねばならない無念さのほとばしりに圧倒され(ビジュアルはあの勘三郎丈であっても・大失礼) 「芸の力ってこのことをいうんだなぁ。おそれいりました。私が浅はかでした。」とつくづく感じいったのでした。
花形がどんな忠臣蔵をみせてくれるのか とても楽しみです。ただ おかるの配役は・・・私的にはちょっと、ではあるんですが(ゴメンナサイ)
とりとめなくなってしまいましたが・・・間違いなく一つの時代が過ぎ去り、世代交代したのだと強く印象付けられたニュースでありました。雀右衛門丈のご冥福をお祈りいたします。