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2007/10/31、愛知県豊山町の県営名古屋空港で、航空自衛隊の支援戦闘機F2Bが、離陸で浮上した直後に滑走路に叩きつけられて炎上するという事故がありました。この記事を書くにあたり、以下のブログを参考にさせていただきました。 タイトル永久未定 そうなのかな そこに魂はあるのか? 酔うぞの遠めがね chibiegg日誌 直接の原因は、垂直方向の回転を検出するジャイロと、水平方向の回転を検出するジャイロが、入れ替わって、コンピュータに接続されていたことだそうです。ネットを眺めていると、同じ形状のコネクタを使うような設計が悪いという意見が多いようですが、開発や整備のコストを抑えるために部品を共通化したとか、いろいろ理由があったのかもしれませんし、この辺の経緯が私にはわかりませんので、私には何とも判断ができません。それよりも、私には、他に、絶対におかしいと思えることがあります。それは、接続してから実際の飛行までの間に、こういう最低限の動作確認が一度も行われていなかったことです。 Japan Aviation & Railway News (航空ニュース JAN) によると、接続してから実際の飛行までの間に、検査官が点検するシステムが構築されているそうです。[引用] 取り付けミスが生じても通常はインスペクターと呼ばれる社内の検査官が 改めて点検するシステムが構築されている。 今回はこうした内部チェック体制が全く作動しなかった訳で、 防衛省では生産現場の管理を含め問題点が無いか 同工場の監査は避けられないとの判断に傾いている。 一方、愛知県警は今回の調査報告を踏まえ、 三菱重工小牧南工場の業務上過失傷害容疑の捜査を急ぐ。社内の検査官ということですが、この「社内」って三菱重工の正社員のことなのでしょうか?下請けの社員ということはないでしょうか?ひょっとして、三菱重工は、下請け何社かに丸投げしていて、大まかな分担は決めていても具体的な分担は決めていないまま、なんてことはないでしょうか?三菱重工がそうなのかどうかわかりませんが、一般に、大手の発注担当者って、大まかな分担を決めて発注した後、業務内容が具体化するに従い分担の決まっていない箇所が見つかって来ても、「そんな細かいこと、いちいち聞いて来るな。分担は業者さん(下請け)同士で話し合って決めればいい」と答えて突っぱねる人が多いように思えるのです。もし、どこも分担していない箇所が出て来ても、自分は関係ない、下請けが悪い、と言うわけです。つまり、各下請けに個別に発注している感覚はなく、まるで、下請け共同体という1つの法人に発注しているような感覚で、どこも分担していない箇所が出て来ないようにする責任はすべて下請けにあるという考えのようですが、どこにいくら払うのかという金額だけ厳密に決めているのです。今回の整備がそういう体制だったかどうかはわかりませんが、可能性としては、そういう体制で、問題の箇所だけ分担が決まっていなかった、ということもあり得るわけで、もしそうなら、三菱重工は何の仕事もしないでピンハネだけして国民の税金を食っているということになりますので、愛知県警には、そういう可能性を含めてきっちり捜査してもらいのですが...何か現場の人間だけ処罰されて、幕引きにされそうですね。
2008.07.22
2001/01/31、静岡県焼津市付近の海上の上空でDC10型機とB747型機の間にニアミスが発生し、衝突回避動作の際にB747型機内の乗員乗客が多数負傷するという事故がありました。この記事を書くにあたり、以下のブログを参考にさせていただきました。 筍ENTの呟き 酔うぞの遠めがね 新・Masterの徒然日記 航空・鉄道事故調査委員会の報告書は、以下のようになっています。 航空・鉄道事故調査委員会 報告書 事故の経過を自分なりに要約してみると、以下のようになります。 (1) 管制官が、便名を言い間違えたために、降下指示が、 水平飛行中のDC10型機に行かずに、上昇中のB747型機の方に行ってしまう。その結果、 本来、DC10降下、B747上昇 となるべきところ、DC10水平飛行、B747降下となってしまう。 (2) B747型機の機長は、降下を開始するために推力を絞る。←【これ、キーポイント】 (3) 管制センター、DC10型機、B747型機で、ほぼ同時に異常接近警報が鳴り響き、 DC10型機では警報装置が降下を指示し、B747型機では警報装置が上昇を指示する。 (飛行機の方は、正確には「TCAS」ですが、読みやすさを優先して異常接近警報と書きます) (4) B747型機の機長は、推力レバーを上げても推力が回復するまでに時間がかかるため、 充分に上昇できずに回避できなくなることを懸念(推力不足で無理に機首上げすると失速)、 DC10型機の下方向に避けようと思い、警報装置の指示に従わずに降下を開始する。 (5) B747型機の機長は、DC10型機の近くに来て下方向への回避量が足らないことに気付き、 慌てて操縦桿を押してDC10型機の下をくぐる。そのときマイナスのGが発生し負傷者が出る。本件では管制官の刑事責任を問う裁判が2回開かれ、1審では無罪、2審では有罪とされました。1審で無罪とされた理由は、簡単な言い方で書くと、 異常接近警報が鳴り響く状態になったことは大した問題ではないし、原因でもない。 だから、便名を言い間違えたことは、原因とは関係ない。 原因は、あくまで、異常接近警報が鳴った後の、操縦士の対処の仕方にある。というもののようです(判決文ではこういう言い方はしていませんが...)。ネットを眺めていると、1審の無罪を支持する方も大勢いらっしゃいますが、1審の無罪を支持する場合は、以下の2つを混同しないように注意した方がいいと思います。 (a) 便名を言い間違えたことは、原因とは関係ない。 異常接近警報が鳴った時点では少しも危険な状態ではなかった。危険な状態になったは それが鳴った後であり(原因は操縦士の対処)、管制官はそもそも本件とかかわりさえない。 (b) 便名を言い間違えたことが原因だが、言い間違えたことに対して刑事責任は問えない。 あの環境下では、言い間違えたのはやむ得ない。1審で無罪とされた理由は(a)なのです((b)ではありません)。今回、2審で有罪とされてしまいましたが、弁護士が(a)で争ったことが関係あるかもしれません。もし(b)で争っていたら結果は違っていたかもしれません。本件を有罪にすべきか無罪にすべきかは、私にはわかりません。ただし、(a)については言ってることがおかしいと思います。理由は後で言います。(b)については、そうだとも思えるし、違うような気もするし、裁判に出て来る「過失」という言葉の意味合いが、私にはよくわからないのです。管制官は、何かを故意に手抜きしていたわけではないので「未必の故意」にあたるようなことは何もしていません。あくまでミスです。この件に限らず、故意の手抜きを何もしていない、ミスのみ場合、そういう場合に刑事責任を問えるのか、また逆に、そういう場合には、被害者は泣き寝入りしないといけないのか、難しい問題だと思います。そういうわけで、有罪にすべきか無罪にすべきかは、私にはわからないのです。それで、(a)については言ってることがおかしいと思う理由ですが...航空・鉄道事故調査委員会の報告書によると、シミュレータを使った検証の結果、推力を絞った後に推力レバーを上げた場合も、推力の回復遅れ(5秒)が影響して上昇は鈍るものの、回避できる程度には上昇できることがわかりました。機長の懸念は完全に間違えで、機長の判断は間違っていたわけです。しかし、機長は、これまでに、実機でもシミュレータでも、そういう場面を体験したことがなく、推力の回復遅れが上昇にどの程度影響するのか知らなかったのです。それと、もう1つ、異常接近警報が鳴ってから実際にすれ違うまで55秒くらいあったようですが、私達一般人には、充分余裕のある時間に思えます。ところが、航空・鉄道事故調査委員会の報告書を読んでみると、操縦室で異常接近警報が鳴ってからは、操縦室内は非常に逼迫した状態であったことが読み取れます。管制官からの通信を聞く余裕するらなったようです(だから応答がなかった)。こういう逼迫した状態になったことが原因と関係ない、というのはおかしいと思います。(こういう状態になるミスをしたことに対して、刑事責任が問えるかどうかは別の問題)ところで、もし、訓練の項目に、異常接近警報が鳴ったときの訓練があり、機長がその訓練を受けていれば、機長が今回のような懸念を抱かず、警報装置の指示に従い、この事故は起きなかったかもしれません(だからと言って、異常接近警報が鳴るような状態を防ぐ対策が要らないというわけではありませんが...)。訓練の項目にないのなら、足した方がいいと思います。ところで、管制システム自体のことですが...今の、この、口頭に頼ったやり方、何とかならないのでしょうか?航空機の操縦に関しては、ILSやらGPWSやら様々な保全設備が開発されていますが、管制に関しては、ほとんど何も開発されていないように思えます。技術的な問題、例えば、「搭載してくれない飛行機も居る筈で、搭載しているものとしていないものが混在していると余計に大変になる」という問題があるからだという人も居ますが、真剣に考えれば両立させられる方法もあるように思えます。技術的な理由よりも、むしろ、社会的な背景が原因のように思えて仕方ありません。航空機の操縦関連のものを作れば、航空機製造メーカの収益に繋がる(セールスポイントになる)ので、航空機製造メーカががんばるけれど、管制関連のものを作っても収益に繋がる人がいないので、開発しようとする人(前述の混在の解決方法を真剣に考えようとする人)がいないとか...マンパワーにばかり頼らずに済む方法が、何かないでしょうか?
2008.07.12
2007/10/05、中華航空機が回送で佐賀空港から離陸する際、滑走路端直前まで機首上げ操作を開始せず、滑走路端の先にあるライトにタイヤをぶつけて離陸する、という出来事がありました。国土交通省は、これを事故ともインシデントともみなしていないため、航空・鉄道事故調査委員会の報告書はありません。この記事を書くにあたり、以下のブログを参考にさせていただきました。 酔うぞの遠めがね 日々のたわごと ■□ほーどー飛行機□■ 機首上げ操作を、なぜ、滑走路端直前まで開始しなかったのか。それは、離陸滑走中、計器の速度表示が信用できないことがわかり、浮上できる速度なのかどうか判断できなくなって、ためらったからだそうです。速度は、機長席の前のパネルと、副操縦席の前のパネルの両方に表示されますが、速度表示の値が、機長席のものと副操縦席のものとで食い違っていたそうです。一見「2つの表示のうち、遅い方に合わせればいい。少なくともその値よりは実際は速い筈だから。」と思うかもしれませんが、両方の表示が間違っている可能性も考えなければなりません。あの時点では、一方は合っているのか両方とも間違っているのか、見分けることができなかったわけですから、計器を信用するわけには行かなかったわけです。「速度が、計器からわからなかったとしても、 自分が滑走路のどの地点に居るかからわかった筈だ。風景の流れる速さからわかった筈だ。」と言いたくなるかもしれませんが、その日だけ加速が悪い可能性とか、離陸滑走中に風向きが変わった可能性とか(浮上できるかどうかは、地面との相対速度ではなく、空気との相対速度で決まる)、そもそも体感速度が信用できるのか等、そういう推定速度を信用していいのかどうかは微妙なところです。ですから、問題は、速度表示の異常が、どの時点でわかったかです。離陸滑走前にわかったのなら、離陸せずに駐機場に戻るべきでした。離陸滑走開始後であっても、速度が遅いうちにわかったのなら、離陸を中断すべきでした。本件ではどうだったか。まず、タクシー中に食い違い始めたものの、離陸開始地点に着く前に直ったそうです。次に、離陸滑走中、離陸決心速度近くの108ノットくらいになってから、再度、食い違い始めたそうです。離陸滑走に入る前にとった行動については後で書きます。離陸滑走開始後にとった行動についてですが、108ノットで食い違い始めてから離陸決心速度(133ノットくらい?)になるまでの間に、何かおかしいと気付けば離陸を中断できたと思いますし、その方がよかったようにも思えますが、どうなんでしょう、気付くことができた筈かできなくてやむ得なかったか、私にはよくわかりません。となると、離陸滑走に入る前にとった行動がどうかです。タクシー中に食い違い始めたのなら、たとえ直ったとしても、そんな速度計を信用していいわけがないように思えるのですが...私にはそういい切れる自信がありません。といいますのは、今問題にしている速度計は、空気との相対速度を計る速度計ですが、この速度計は、空気との相対速度が40ノット以上のときに使うものらしく、タクシー中のように20ノット以下しかないときに示す値は、もしかすると、おかしくてあたり前なのかもしれません。この速度計は、20ノット以下でも、通常、まともな値を示すようなものなのかどうか、どなたか、ご存知ないでしょうか?本件については、どう判断していいのかわからないことばかりです。ところで、離陸決心速度近くになってから速度表示が信用できないとわかったときの対処マニュアルって、あるのでしょうか?もしないのなら、作っておいた方がよさそうですね。
2008.07.06
1996/06/13、福岡空港で、ガルーダ・インドネシア航空機が離陸滑走中にエンジンの1つ(No.3エンジン)が停止、すでに離陸決心速度を超えていたにもかかわらず、機長が離陸を無理矢理中断したために滑走路内で停まれず、フェンスを突き破って空港外の草地を走り、脚が折れて炎上する事故がありました。(正確にいうと、滑走路端の先にあるローカライザ設備への衝突を避けるために、滑走路端の直前で滑走路から右にずれて、ローカライザ設備のすぐ右を通ってフェンスを突き破っています。)この記事を書くにあたり、以下のブログを参考にさせていただきました。 飛行機オールマイティ航空情報 クレイジーパパ パパハポンのルソン島サバイバル作戦 航空・鉄道事故調査委員会の報告書では以下のようになっています。 航空・鉄道事故調査委員会 報告書 離陸決心速度とは、離陸を中断するか決行するかを判断する速度のことで、離陸決心速度を超えていたら、(エンジン停止が1つだけなら)離陸を決行しなければならないと規定されています。確かに、規定ではそうなっていて、機長はそれを破ったわけですが...機長を責めるだけでは、再発防止としては不十分だと思います。訓練の項目の設け方にも問題があったように思えるからです。訓練の項目には、エンジンの一部停止が浮上開始前に発生した場合のものしかなかったようです。一見、「浮上開始前に離陸を決行できるよう訓練されていれば、浮上開始後はそれより速度が速いのだから離陸を決行できるに決まっている。浮上開始後は訓練するまでもない」と思えるかもしれません。しかし、エンジンの一部停止が浮上開始後に発生した場合、以下の現象が起こります。 (a) 一部停止が発生した途端、突然、速度が遅くなり始める。 (b) 一部停止が発生した途端、突然、上昇率が減り始める。(a)が起きるのは、機首が少し上を向いているために、重力が、機体の床方向にだけではなく、機体の尾部方向にも働くからです。つまり、重力の一部が、機体を尾部方向に引っ張るように働くからです。(b)が起きるのは、(a)により速度が遅くなるために、揚力が減るからです。機長は、突然、速度が遅くなり始め、突然、上昇率が減り始めた、という、全く予期しない事態に直面して、このまま浮上できないのではないか、という恐怖にかられたそうです。実際には、上昇率が減るに従い、速度の低下はましになっていずれ増加に転じ、上昇率も回復するそうです。つまり、一旦、やばそうに見える状態になってから、回復する、という経過を辿るそうです。しかし、機長にはそれがわからなかった。もし、この事態を、シミュレータを使った訓練で擬似体験させていれば、結果は違っていたかもしれません。もちろん、エンジンの一部停止が浮上開始前に発生した場合であっても、操縦桿を引くときに正常時と同じ調子でぐいっと引っ張ってしまうと、上の(a)や(b)の現象は起こりますが、この場合は、自分が操縦桿を引いたのが原因で起こったことが自分でわかるわけですから、操縦桿を引く量を加減して様子を見ることで、ちゃんと浮上できることが理解できると思います。ところが、本件は、(a)や(b)の現象が、エンジンの一部停止という外的要因を境に起こったわけで、自分が何かをしたのを境に起こったわけではないので、どういうメカニズムでそうなるのかは、とっさにはわかりにくいと思います。やっぱり、この事態を、シミュレータを使った訓練で擬似体験していたか、していなかったかの差は、大きいと思います。現在、訓練の項目に、これも入っているのでしょうか?
2008.07.05

2007/01/06、大韓航空機が、秋田空港に着陸するときに誘導路に着陸するというインシデントがありました。当時、マスコミは、「操縦していた機長は『着陸するまで誘導路とは気付かなかった』と証言している」という意味の報道をしていましたが、続報はありません。航空・鉄道事故調査委員会の調査状況も、調査中のままです。 航空・鉄道事故調査委員会 報告書 このまま、うやむやのままで終わりにされてしまうのでしょうか?誘導路は、滑走路と違って、着陸の衝撃に耐えられるほど頑丈に作られていませんので、主脚が接地したと同時に陥没して、主脚が引っ掛かって折れていた危険性もあったと思います。機長は本当に気付かなかったのでしょうか?気付いていながらやり直すのが面倒臭かったから強行した、なんてことは、ないのでしょうか?機長の証言には、以下の点で疑問を感じます。[疑問1]秋田空港はもちろん、旅客機の使う空港は、大抵、滑走路の幅は60mです。毎日毎日幅60mのところにばかり着陸していた人が、幅30mしかないところに近付い行って、最後まで違和感を感じなかったのか?仮に、周りに比較できるものがないために30mのものが2倍の60mに見えていたのなら、速度も(頭でではなく体感で)2倍に感じた筈(見かけの台形の下側が、中々広がらずに、かなり近付いてから急激に広がる)で、もしそうなら恐怖を感じて中止して上昇したくなったのではないか?たまに滑走路の幅が45mの空港があり、機長がたまたま幅45mのところばかり運行していたとしても、幅30mとは開きがあり、程度の差こそあれ、上と同様ではないのか?[疑問2]滑走路には様々なマークが書かれていて、毎日毎日それらのマークを見ながら着陸していた人が、それらが全くないものが目の前に現れて、(頭でではなく感覚的に)違和感を感じなかったのか?通常、Fixed Distance Marks を目指して降り行くと思うのだが、目指すべきそれがないのに、滑走路ではないと気付かなかったのか? 秋田空港の滑走路 秋田空港の誘導路 本件は、当事者が国籍も居住地も国外ですが、もしかすると、金大中事件のときのように政治決着されてしまうのでしょうか?
2008.07.04
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