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2016年06月02日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
宣告をまもなく読み終わる。
死刑の残虐さは処刑方法ではなく、毎日の死の恐怖にあるというある登場人物の言葉に納得。人は必ず死ぬ。ただそれは生理的医学的現象であるかぎり、不確定の未来にあるし、不治の病にかかった場合だってそうだろう。100%健康で、清澄な意識のまま死を迎えなければならないという局面は国家という圧倒的な権力によって処刑される場合しかない。
死刑囚の中には精神を病む者も多いという。肉体的な病と違い、精神の病には防御反応という面がある。事件のことを忘れて幼児のようになっていく者、もっと極端にいえば人間をやめて動物のようになっていく者も作中にでてくる。こうした者を「治療」したとしても、結局それは死刑囚という耐えがたい現実に戻すことでしかなく、本人にとっての救いにはならない。そしてまた精神が正常であることは執行の要件であり、監獄医である主人公は正常の判断をしたことで処刑に加担したような気分をもつこともある。
作中には様々な死刑囚が登場し、多くは現実の事件をモデルにしたもので、そうした興味で読まれた面もあるかもしれない。この小説と前後して実際の獄中経験のある人物による「実録戦後大物死刑囚」という本もたしかあった。中心的にえがかれている死刑囚も実際の人物をモデルにしており、大卒がまだステイタスであった時代の大卒の凶悪犯として大変な衝撃を与えた事件であった。ただ、事件を見ると、病気による就職内定取り消し、小さな法律事務所への就職と退職、そして乱脈な生活の果ての凶行であり、どうも恵まれた青年の犯罪というよりも、生活の行き詰まりによる自棄的な犯罪という匂いがする。人は単純に幸福だけを求めて行動するわけではない。自殺願望のような破滅願望というものももつことがあるのではないか。これについては読了した後にもう一度書いてみる。





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最終更新日  2016年06月02日 07時21分33秒
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Re:「宣告」をもうすぐ読了(06/02)  
maki5417  さん
重いお話の小説ですね。
判決から執行まで長いので、えん罪でもない限りいろいろなことを考えて苦しいのでしょうね。 (2016年06月02日 08時29分32秒)

中巻今が難所と思う。  
・曙光 さん
宣告中巻を読んでいる、上巻は様々な人物が登場し主人公は傍観者的位置に居たのでスラスラ読めたが、中巻はとても一気呵成には読めない。主人公が母親,兄弟、親戚に悪事を企み実行して行くのは、どうしても読者たるもの主人公に感情移入する立ち位置にあるが、上手く感情移入できず苦しくなる。一頁読み暫く離れまた1頁読むと言った状況だ。

悪に手を染める主人公としては若き時に読んだ石川達三の「悪の愉しみ」を思い出した。ただ「悪の愉しみ」はピカレスクロマン的趣が在り、主人公にやや痛快感を持ち感情移入もできたが、「宣告」はそうはいかない。

「永遠の都」のような大河的スケール感、小説としての華々しさはなく、読者は袋小路へと追いつめられる。
今が胸突き八丁の難所と心得え、今しばらく我慢し読み手としての歩を進めようと思う。
(2016年06月02日 10時35分37秒)

Re[1]:「宣告」をもうすぐ読了(06/02)  
七詩  さん
maki5417さん
20年前の自分なんてある意味別人のようなものですし、犯罪から処刑までの長い期間にどれほどの意味があるのかとも思います。この小説では登場する死刑囚は皆それぞれモデルがいますし、正直、実録をもとにしたモデル小説のような関心で読まれている面もあるように思います。 (2016年06月03日 06時41分13秒)

Re:中巻今が難所と思う。(06/02)  
七詩  さん
・曙光さん
そうですね。死刑囚の描写に比べると、医官達の描写じゃ主人公の精神科医を除くと平板で読みづらいように思います。ただこの小説の山は終盤の処刑を告知されてから最期を迎えるまでのところです。基本電車などの隙間時間以外には本は読まないのですが、この小説はのめりこんで読んでいます。 (2016年06月03日 06時44分38秒)

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