名古屋市緑区の加藤厚税理士事務所　相続税　贈与税　相続対策　中京大学非常勤講師

< 新しい記事

新着記事一覧(全4186件)

過去の記事 >

Jan 24, 2004

盗難にあった時は税金が・・・

(2)

テーマ：ビジネス・起業に関すること。(20031)

カテゴリ：税金講座

　昨年末、相続絡みで他の税理士さんから移ってきた会社へ訪問。社長が突然亡くなったため、その事業としては後継者がなく、やめることになったが、会社に土地があるので、不動産管理会社として残すことの提案をした。奥さんは、会社をたたみたいという意向であったが、せっかく会社があるので、使わない手はない。会社から給与所得控除が使える給与という形で、お金をもらえばいい。所得が圧縮できる。今、会社を清算してしまえば、会社への出資金や貸付金を回収できなくなる。

　そのあたりのことを詳しく説明したら、会社を存続させ、名称だけは何をやっているか分からなくなるので、変更することで合意した。しかし、突然社長がなくなり、残された家族は大変である。今までは、社長がすべてを取り仕切っており、奥さんは社長の指示通り動いていただけなので、書類一つされよくわからないケースがある。これは自分もそうだが、私自身が倒れたら、誰も私の仕事の全てを分かる人間がいないので、その時は廃業になってしまう。健康第一ですね。本当に実感します。

　夜、ある方から突然の電話。家に強盗が入ったとのこと。幸い、その後家族に直接の被害はなく、貴金属類が盗まれたらしい。その中には、結婚以来一度もはめていない婚約指輪もあったとか。時価総額約１００万円ほど？　通帳や小切手など事業資金などは一切手がつけられていなかったそうだ。盗難保険等に入っておらず。保険金も下りないそうだ。

　ここで税金に関する控除があります。雑損控除といいまして、震災や災害をはじめ水害、雪害などの自然災害、もしくは盗難や横領によって住宅や家財などに損害を受けた人は、雑損控除として一定の金額が所得から控除されます。

　この控除を受けるにあたって、所得税の確定申告が必要です。年末調整では控除されませんので、ご注意を！　確定申告に際しては「災害を受けた資産の証明書」と災害関連支出の金額についての領収書を添付します。災害や盗難、横領にあったことの証明書（消防署や警察署で交付されます）も必要です。

　ただし、その控除の対象となるものは、日常生活上の住宅や家財が中心ですから、棚卸資産や事業用の資産、日常生活に必要としない別荘や自動車、時価３０万円を超える貴金属類・書画・骨董などは控除の対象とは認められません。

　雑損控除で思い出すのは、平成１２年秋にあった「東海豪雨」である。広域にわたり浸水し、当時私の担当していたお客さんも随分被害にあって、翌年の確定申告で雑損控除をやった。無料税務相談もこのようなケースが多く、国税局と税理士会では、「東海豪雨」に関しては一定のマニュアルを作って対応した。そうでもしなければ、とても対応できない。私の事務所周辺もまさに”海”となっていた。雑損控除を聞くと、そのときのことが思い出されます。

　これ以外に、災害免除法を適用できるケースがあり、税金が免除されることがありますのでご参考までに。使わないに越したことはありませんが・・・

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう